介護事業所を立ち上げよう!

あけましておめでとうございます、介護の中の人です。

 

1ヶ月遅れの挨拶もどうかと思いますが。仕事以外の事も忙しくてなかなか書けませんでしたごめんなさい。

 

さて、今回は介護事業所立ち上げについて。以前のブログで介護事業所の経営の甘さをたびたび指摘していますが、そこをクリアできるのであればぜひ立ち上げて頂きたいものです。

 

お金を用意しよう!

いきなり現実です。これ本当に大事ですからね、思い付きで事業を始めて資金が回らず、廃業する事業所の多い事…情けない限りです。そのうち儲かるとでも思っているのでしょう、そのうちなんて言ってる時点で黒字事業にはできないんですがね。

会社を設立するにあたり必要になってくる資本金。昔は株式会社を持つのに資本が1000万必要だとか敷居が高いものだったようですが、現在は大幅に緩和されており資本など1円でもOKになっています。だからって資本1円はあり得ませんが(笑)

日本では資本金の規模を会社の信用として捉える風習があります。本来会社の価値というのは資本金の規模ではないのですが、あまりにも少なければやはり信用してもらえないのも事実。これは利用者の増減だけでなく求人応募の増減にも関わってきます。

さらに、介護保険事業における収入の多くは介護報酬となります。仮に1/1~1/31の介護事業での売上が100万円あったとしましょう。請求~入金のフローにもよりますが、利用者負担を翌月請求としても2月に回収となるのは利用者負担の1割、10万円。国保連請求分の9割分の90万円は2月に申請して、入金処理になるのは3月という事になります。つまり今月の売上を回収できるのは再来月という事。お花畑経営者はこれを考慮しておりません。

現金基準での考え方でちょっと例を挙げてみましょう。ちなみに法人設立費用については後述となりますので、ここでは計上しません。

1月

自身を含む3名で1月に訪問介護事業所を立ち上げたとします。軌道に乗るまでは支出を抑えたいもの、念願のシャッチョサンになったけど自分はみんなと同じでいいやとして、3人トータルの月の人件費(役員は厳密には人件費ではないが)が65万円。田舎だけど大通りに事務所を借りたよ、9万円。水道光熱費や通信費が3万円かかったよ。税理士に1万円、掛けのガソリン代が2万円、今月は売り上げが30万円だった。備品などで20万円かかったなあ。現金基準で行きますので、1月の支払額は備品購入の20万円。つまり1月は-20万円となりますね。

2月

費用は1月と同じだよ。売り上げは40万円だった。1月分利用者さんに請求し、全額回収したよ。備品等で2万円使ったよ。

1月分利用者請求を回収=30万×0.1=3万

1月人件費65万+事務所費9万+水道光熱費3万+税理士1万+ガソリン2万=80万

回収分3万-1月分経費80万-2月備品2万=-79万

3月

費用は変わらず、売上は50万だった。2月分を利用者さんに請求し、全額回収した。2月に申請した1月分国保連請求は問題がなく、全額入金になった。備品の購入は無かったよ。

1月分国保連請求が入金30万×0.9=27万

2月分利用者請求を回収40万×0.1=4万

2月人件費65万+事務所費9万+水道光熱費3万+税理士1万+ガソリン2万=80万

回収分27万+4万-2月分経費80万=-49万

えっ…

初月30万、そこから月10万ずつと、小規模開設では悪くない伸ばし方になるんでしょうか?とはいえまともな収入が入ってきた3月ですら-49万円、3連月のトータルでは-148万円となっていますね。仮にこのペースで伸ばしていったとして、月あたり10万円ずつ売上が伸びたとしたら単月黒字となるのはおよそ9月あたりでしょうか。単月現金黒字というだけですので、それまでのトータルだと-250万ほどになるでしょう。そのころの売上って110万か…社員3人じゃフットワーク悪いですしパートさんも入ってるでしょう、それなら人件費も上がってますね。

上記の例で言いたいことは2つあります。一つは費用をナメてはいけないという事、こと新規開設にあたってはいかに費用を抑えるかというのは極めて重要なものです。もともと知ってる人に来てもらったから安い給料は…とか、国道沿いの目立つ場所に事務所を…とか甘えてるとこういった目に遭いますね。

もう一つ、単月黒字見込みの9月頃でトータル-250万と書きましたが、この例の会社においては最低250万、できれば350万の資本金が必要と考えましょう。赤字期間は資本金からしか費用を捻出できませんからね。ちなみに銀行から創業融資を受けるという手段もありますが、これはお勧めしません。借金は資本に計上できず、つまり単純な負債扱いとなって終了です。パチンコなんかと同じで完全に負けスタートですからやめておきましょう。僕は投資家ではなく経営者の目線しか知りませんから、介護事業における負けスタートは論外と考えております。 

法人格を取得しよう!

お金の目処が立ったら会社を作ります、介護事業の申請云々の前に法人格を取得する必要がありますよね。介護事業所というのは株式会社〇〇の訪問介護△△、もしくは合同会社〇〇の◇◇デイサービスという形となりますが、この株式会社〇〇や合同会社◇◇の部分が法人格となります。要は会社そのもののコトですね。小規模の法人格取得に際し社会福祉法人や医療法人は現実的ではありませんので、株式会社・合同会社NPO法人が主になってきます。合資会社や合名会社というのもありますが、あまりおすすめの形態ではないので省略させて頂きます。

 

で、上記3種の中から選ぶわけですが…この選択は慎重にして頂きたいです。それぞれにメリットやデメリットがあるのはもちろんですが、廃業率の増加を見る限りデメリットの影響は今後他産業の比ではなくなってくるでしょう。ここではその法人格ごとのメリットやデメリットについて紹介します。介護事業所開設に直結するものだけ挙げていきますので、もっと詳しく知りたい方は専門家のブログでどうぞ(笑)

株式会社

他と比べて周囲に安心感を持ってもらいやすいのが最大の特徴でしょうか。規制緩和により非常に取得しやすくなっております。反面その取得のしやすさから、安易な設立・経営により廃業する会社も増加しております。これは介護事業に限った事ではありませんけどね。

株式会社というのは営利法人ですので、当然利益の追求が求められます。より質の高いサービスを提供し、利益を上げ、更に上のサービスを目指す。ところが現実は、毎年同じような事を繰り返しているだけといったケースの方が多いです。これは将来的には淘汰されていく(維持は低下と同義)のですから、危機感を持つべき事案なのですが。

カネに汚くなる必要はありませんが、真剣にカネと向き合える方でないと厳しいような気がしますね。

メリット

他の2つに比べ信用を得やすい。また、他事業にも手を出しやすい。

株主=社長であれば、そこはあなたのお城。

利益配分は出資額に比例するため、平和な世界。

株式公開ができる(場合によりデメリット)

デメリット

設立費用が高く、25万~くらい。30万あれば安全。

決算公告義務があるため、ランニングコストも高い。

株主総会の開催が義務であるため、それらの手間と費用も考慮が必要。

役員の任期が10年と定めあり(場合によりメリット)

合同会社

何よりの強みはお金がかからないという点。介護事業では合同会社って珍しくないんですが、理由はこの一点に尽きます。また、登記時の書類も少ないため作業も楽。ゼロからのスタートには一番適しているかもしれません。

ですがデメリットも小さくありません。やはり法人としての格とでも言いましょうか、聞きなれないし怪しいしで信用を得にくいのが現実です。逆の話をしますと、社協や社福なんかはどんなに不正で有名になろうと利用者減が大きくないですよね?株式会社なんかは盛大なダメージを受けますし、合同会社ならさらに倍くらいダメージあるかと思います。また、利用者確保はまだいい方ですが従業員の確保が難しい。パートならともかく優秀な正社員が欲しいといった時に、求人票の時点でスルーされる恐れが非常に高いです。

ですがご安心を、合同会社から株式会社に変更する事もできます。とりあえず事業を始めて、軌道に乗ってきたら株式会社に変更というのも重要な一手。ちなみに10万円程度です、高いと見るか安いと見るかは経営者次第ですね。

メリット

設立費用が安い。6万円程度。

決算公告義務が無い。

役員の任期が無い。

デメリット

怪しい

他法人と比較し、ネームバリューが低い。

利益配分が自由(トラブルの要因)。

NPO法人

数は多くありませんが、介護事業所の中にはNPO法人ももちろんあります。よく勘違いされるのですが、非営利というのは儲けてはいけないわけではありません。儲ける事が主体の事業はできませんし、その利益を配当できないだけの事です。介護事業は営利事業として行う事が出来ます、定款や運営規定にしっかりと盛り込めば給与や賞与その他についても営利法人同様に出すことができます。また、これも勘違いされやすいのですが営利事業を行う以上は法人税の対象です。

最大のメリットは設立費用がほぼかからない点、次いで地域の評価が得やすいといったものが挙げられます。どちらも介護事業との相性は抜群です。

ですがそれらを帳消しにするだけのデメリットも当然あります。透明性が求められるNPO法人ですので、設立はもちろんのこと決算等の書類の煩雑さは群を抜いています。さらに会計処理がやや特殊なため、本当に手間がかかります。事業そのものよりもこうした法的に求められる書類等に割くエネルギーが多すぎるため、個人的にはお勧めしません。

メリット

設立資金がほぼかからない。

法人格の社会的評価が高い。

デメリット

恐ろしいほどの書類作業に追われる。

違う事業にも手を出したくなった場合、制限がある。

求職者からは薄給のイメージを持たれている。

総会の開催も手間がかかる場合が多い。

役員の制限がシビア。

有効に利用できる補助・助成は減少の一途。

介護事業の申請をしよう!

法人を設立したら介護事業の申請準備をしましょう。難しく考える事はありません、指定申請はよほどの事が無ければ通らないという事はないんです。サービスごとの細かい部分は個別記事に譲るとして、ここでは大まかな申請の流れについて紹介します。もちろん自力申請をしましょう。お金を払ってまでやってもらうような書類はありません。

市町村に相談

これは申請に必要な事業計画等を作成してからの方がいいのですが、当県のサイトでは最初のフローとなっているので一応その通りに書いていきます。各市町村にある介護保険課(地域によって微差ありますが)へ出向き、担当者と協議をします。事業開始の理由、自身の経験値、利用見込み職員配置や採用の目処、この程度は詰めてから行くようにしましょう。ここでの協議内容を様式に記入し、申請時に提出する必要があります。

申請様式の記入

サービスによって必要な書類が違う場合がありますが、大したものではありません。気を付けてほしいものだけ紹介します。

勤務形態一覧表

常勤換算の理解が足りなければこれに泣かされるでしょう。訪問入浴は不要、福祉用具は2.0とわかりやすいのでいいのですが、訪問介護やデイサービスなんかは煩雑なこと間違いなしです。こちらでは管理者兼務の場合、管理者0.1、常勤0.9で振るのですが県によって扱いが違う場合があるかもしれません、不明な場合は問い合わせましょう。また、管理者は1職種のみ兼務できるのですが勘違いをしないようにしましょう。

管理者を1職種として、さらに1職種ならOKという意味です。

これには実際の業務量等は一切考慮されません。すごくヒマな訪問介護と更にヒマな訪問入浴の兼務であっても、管理者が付いている人はアウトです。

事業計画書

会社で作成する数字バンバンな事業計画書とは別物です。アンケート程度の記入内容(失礼)ですので難しくはないと思いますが、そのぶん油断しやすいので記入漏れ等に十分注意してください。

運営規定・契約書・重説

テンプレはネットにありますが、穴埋めをするだけでは無く必ず理解しながら作成するようにしましょう。不足等あって有事に泣きを見る事になってしまいます。

契約書と重説は別物です。同一のものにしたければ必ず重説に契約書の内容も盛り込み、尚且つ契約書も兼ねる旨の一文を加えましょう。逆はダメです、基本的にこの二者は「重要事項を説明した上での契約」という関係になっておりますので矛盾が生じます。スルーしてくれる自治体もあるかもしれませんが、できるだけ安全な橋を渡りましょう。

設備・備品

共通して注意しなければいけないものは相談室の確保と手指洗浄等の設備です。相談室は一般に業務を行う部屋と区別されなければいけません。パーテーションで区切る等でも大丈夫ですが、常にその状態で置いておける程度の事務所面積は必要という事になります。

手指洗浄等の設備は落とし穴。ハンドソープ、アルコール、紙コップ、イソジン、ペーパータオルの常備が望ましいです。紙コップとペーパータオルは使いまわしによる感染防止の観点からですね。

写真を撮る際は全体がわかるように。うるさい人はうるさいです(笑)

いざ申請!

ここまでの書類をそろえたら県庁の担当部署へ書類を提出します。事前に連絡し、訪問日時を決めてから行きましょう。担当者がその場で軽く書類に目を通しますが、本格的なチェックではないので大した時間はかかりません。

初回の申請では理解したつもりでも小さな間違いがつきもの。数日中に訂正箇所の連絡がありますので、指示通りに訂正して再度提出します。これはFAX等で十分です。

これらの書類が完璧になればもう申請は終了となります。指定が下りた旨の通知が届きますので、しっかりと保管しましょう。

さいごに

法人設立については(詳しく書いてませんが)登記書類に悩まされる場合もありますが、指定申請はこう見ると大した作業ではないような気がしてきませんか?申請をあまり知らない人に聞いたりネットの情報を鵜呑みにすると大変な作業に感じますが、いざやってみるとそんなことはないです。書類だけなら1週間、長くても2週間もあれば余裕で作成できるかと思います。

なぜこんな記事を書いたのかですが…大企業の介護事業を全否定するわけではありませんが、あまりに肥大化すると目が届かなくなるものです。僕個人としては、教育の追いつかない大きな会社よりも優良な小規模事業所が数件ある方が今後の介護事業の市場を活発にすると思っています。ですので理想ある介護人にもっともっと起業して頂きたいんですよね。

ちなみに教育といえば何年も前に社福がとんでもない事を言っていました。規制緩和により民間が介護事業に参入してきたのが原因で、介護の質が低下したと言うんですね。笑うしかない。自分たちは未だに措置時代のままの化石介護をしておいて何を言うのか、そもそも民間介護事業者とはいえ中核に居るのは規制時代に自分たちが育てた介護人ではないのか。人のせい、会社のせい、国のせいにしたがる介護人が多いのは自分たちの罪であると認識するべき。ゆとり世代を作った世代こそ本当のゆとり世代の原理ですね。

しまった、あと一歩の所で脱線した(笑)

それではまた。

介護職員が老健に転職してはいけない5つの理由

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ドライブが趣味なのに路面が悪くて引きこもっています…介護の中の人です。

と言っても僕のは大した車ではないんですけどね。単純に色んなとこ行くのが好きなだけです(笑)

さあ、今年も冬の転職シーズンが来ますね。ボーナス後に人が減るのは介護業界のお約束。そんなわけで今回は転職に関してのお話、しかも介護業界のジオン軍(なにが?)老健への転職についてダラダラ述べていきます。

あくまでもガチガチの介護職員がという内容です、適当に仕事してコンビニ以下の所得で我慢できる聖人のような方には当てはまらないです。あと老健というより老健が母体となっている事業所くらいの範囲で書いていきます。そこは各自の体験を元に脳内補完してください。 

 

老健ってなんだ?

正確には介護老人保健施設という名称です。

人員記事において常勤医師(定員100人あたりです、後述します)が必要である事から多くは医療法人での経営となります、つまり母体はほぼ病院です。介護保険制度の中で運営するため介護施設という事になりますが、そのサービス内容は実質的に病院の延長線上にあると言えるでしょう。

また、入所とは言っても長期のものではありません。。たとえば特養(特別養護老人ホーム)なんかですと終身入所がほとんどですが、老健の場合は3ヵ月とか半年程度の一時的な入所となります。 

もう少し詳しく見ていきましょう。

短期間で何をするの?

老健への入所というのは自宅復帰をするためのものです。つまりこの入所期間で自宅に戻る準備をしましょう、こういった使い方になるんですね。

具体的には在宅生活に必要なリハビリがメインとなるほか、管理栄養士による食事管理や指導、医師による服薬の調整なんかもあります。

 えっ…介護は?

もちろん介護的な面もあります。在宅復帰が前提だからと言って元気な方ばかりではないのです。もちろん寝たきりのような方もいますので、介護力は当然必要となります。

病院じゃダメなの?

ダメです。病院での入院生活というのはあくまでも医師の管理下で安静が必要だとか、傷病の鎮静化までのものです。いつまでもリハビリ目的で入院していると、次の患者さんを受け入れられませんからね。

ですので、老健への入所というのは「入院するまでもないにしろ、在宅復帰に際して何らかの準備が必要な場合」が基本的な考え方と思って貰えれば結構だと思います。

基本的には…ですが。

 中の人の老健

ゼロです(笑)

タイトルをよく見てください、僕は介護職員が老健施設で働く事を推奨していません。推奨していないのに働くなんて事はないでしょう。

ですが老健が母体となるデイであれば多少勤務経験があります。老健そのものに勤務歴のある知人はゴロゴロおりますし、なんと嫁様もその1人だったりします。 

ではそろそろ行きましょう、中の人の超絶自己中分析の始まりです。

介護職員が老健に転職してはいけない理由

長くなるので珍しく早い展開でゴリゴリ行きますよ。

これは別に老健に嫌な思いをさせられた仕返しとかではなく(そもそも勤めた事が無い)介護職員として勤務した場合、人間1人の人生を考えた時に損失が大きいだろうという視点でのものです。また、あなたの勤める老健が以下に該当しない場合は超絶ホワイト老健という恐ろしく希少な存在という事です。経営的に問題が無さそうなら逆に勤続する事をオススメします。

①あなたが期待する介護はできません

その最大の要因は老健の役職にあります。元が医療法人ですので、役職については病院に準じたものとなっています。病院に準じたものというのがミソで、これがまた介護には全く合っていない。

・施設長

いきなり長くなりますがお付き合い下さい。

これは前述した医師が兼務するケースが多いです。多くを学び知識としているという理由ももちろんですが、そんな事より重要なのは常勤換算。1施設に1医師なんてやってられないでしょう、医師はそんなに余っていません。 

常勤換算は定員100人あたり医師1人です。100人あたりという言葉を紐解くと、100人に対して1人という法解釈ができます。つまり10人に対して0.1人、50人に対して0.5人という事。 老健が入所定員を多くしない理由は二つあり、一つはそこまでの需要が無い事、もう一つがこの常勤換算です。 

介護保険法における常勤換算とは月の営業日数(通常は20~22程)を常勤が働くべき日数で割り、必要な割合の出勤をしているかどうかという事になります。わかりやすく月を4週と仮定すると、

 

営業日数20日÷常勤必要勤務日数20日=1.0

 

この1.0が「常勤」に求められる常勤換算となります。では非常勤であればどうでしょう?

定員50人であれば医師の常勤換算は0.5となりますので、週2日半の出勤とか週5日全て半日とかの勤務でいい事になります。あとの日数は現役医師なら病院に居るでしょうし、退役医師なら家で寝てるでしょう。 

つまり介護施設として考えた時に施設長が飾りだと言うことになります、でも飾りだと処理しきれない仕事が出てきますよね?その仕事を埋めるポジションが必要となってきます。それが次の人になります。

・事務長

これも老健では定番なのですが、事務長が実質トップという流れになります。これも少し解説が必要になるのでお付き合い下さい。 

医療法人とは会計のトップ、すなわちここで言う事務長に力を持たせます。これは役所や一部営利法人に代表される、カネを回す人間が企業を回しているという考えに準じたものです。しかし病院ならまだしも介護施設という場においては効力が薄いと言わざるを得ません。 

簡単にだけ言いますと、介護の理解に乏しいからです。いくら合間に勉強して介護福祉士を取った、ケアマネを取ったとしてもそれは関係ないんです。そんなもん誰でも取れます。ベースとなる知識や現場力がないので言葉に説得力が無いんですね。そんな上司がどうして介護現場を引っ張っていけるのか、事務屋は黙って事務だけやってろ、そういう事です。 

あまりにも大きすぎる弊害、実質トップが介護素人という事。もし事務長をしている人がこれを読む機会があれば、少し自覚を持ち介護を学ぶべきです。職員に対する言葉がカラッポですよ。

・直上の上司は看護師

これです、デカいです、そしてやっぱり長いです(笑)

老健の性質を考えると仕方が無いのかも知れませんが、介護看護のセクション分けがされず(一応されていたとしても)主任やら婦長やらという名目で居座るのが看護師の存在です。これが殊勝な看護師ならともかくとして、ただひたすらに自分の手柄を作りたがったり横柄な態度を取るだけという悲しい現実は少なくありません。あなたが素晴らしい看護師さんならごめんなさい、この項目はスルーを推奨します。 

介護施設における看護師の増長、これを作り上げたのは他でもない介護施設や病院そのものです。現在日本では看護師が不足しています、恐らくなのですが潜在的な不足具合では介護職員の不足に匹敵するレベルではないでしょうか?仮に簡単なフローを作ってみます。

 

病院の正看護師が足りない

病院で准看護師の採用が増加

今まで施設に来ていた准看護師が減少

 

あくまでも例ですがこんな流れとします。施設も運営を続ける上で看護師が必須です、ならばどのようなエサで釣るのか。簡単です、病院に並ぶレベルの待遇を用意すればいいんです。

准看護師で施設勤務、この所得を甘く見ている介護職員は幸せです。自社の看護師求人を見て下さい、基本給がありますね?施設看護師の半分はそこに書かれている金額の2~3割増の給与支給がザラにあります。初年度からで、しかも満額ボーナス付きです。

看護師は転職のプロと思って構いません、転職による収入の上げ方を知っているんです。しかもこれ、正看より准看の方が顕著に見られます。そして偉そうにするのもなぜか准看が多いんですね、周りに正看少ないからかな。 

とまあ給料の話はこれくらいにして、そもそも看護師というのは介護観というのをまるで知りません。似てはいるものの異なる仕事だから仕方ない、ミカン農家がキャベツ作り始めるようなもんです。

 

介護をしたくて入ったあなたの介護観はほぼ否定されますよ。

・つまりどういう事?

あなたの上司はどっちを向いても介護に於いてド素人だという事。この環境ではあなたの意見はほとんど通らない、真面目にやるだけ損と思わされてしまう要素があまりにも多いんです。

 

逆に向こうは老健で介護とか言ってんなよ、くらいに思っているかもしれませんね。むしろそちらが正しいのかもしれませんけども、だってそこ老健なんですから。

だからと言って働く意思を削がれるような職場で仕事なんてしたくないですよね。これが第一の理由、あなたの介護力が無駄になるからです。 

②処遇がダメ

処遇、つまりあなたの給与、賞与、昇給が弱いという事。これはガチです。

バッサリ言うと経営が下手くさいという事なんですが、その一言で片付かないんですね。

・広告費過剰

僕が知る限り、老健というのは持っている金の使い方をわかっていないボンボンのようなもの。そういった意味で言わせてもらうと、上記の経営が下手くさいの一言に尽きます。

 

利益はそこそこ出ているはずです。今期の分科会の報告(見ました?)にあった通り老健は相変わらず高ポイントです。余談ですが次回の改訂でも減算対象と言えますね。それから後で盛大にブチ撒けますが利用者から不要とも言える手数料を徴収してるくらいです、さぞかし儲かっている事でしょう。

そんな彼らが一番やらかしている事、田舎においては致命的とも言えるプレイがこちら。

 

過剰広告

 

これを病院レベルでバチバチ打つんです。テレビもそう、国道沿いの大看板もそう、電柱広告もそう。介護経営をナメ切ってます。

介護というのは世にSNSが広まる前から口コミが口コミを呼ぶ世界です。それは中規模の田舎が最も盛んであり、完全な田舎であれば逆に縮小します。

ダメ老健が猛威を振るうのは正に中規模の田舎であり、敢えて言うならわざわざ行かないような県の中で上から5番目以降の市とか町あたりです。で、それくらいの丁度いい田舎(全国の丁度いい田舎の方々すみません)で広告をガンガン打つとどんな話になりますか?

あそこは儲かってるな

これです、丁度いい田舎の人の(全国の丁度いい田舎の方々ホントにすみません)市原悦子心を煽るんですね。余計な詮索(想像)が止まらなくなります。なのでこれ、全てではないですが多くは無駄金なんです。そんな余裕があるなら職員に還元するべきなんですが彼らはしません、効果があると思っているから。

・人件費過多

人員基準として医師や看護師、果ては機能訓練絡みまであるので当然ではありますが、一般的な介護事業所との人件費差は推して知るべしです。

 

非常勤とは言え医師兼施設長

施設長の業務代行的な事務長

もはや天狗と化した看護師

 

これらが特に足を引っ張る引っ張る。僕の思考で言うとこの処遇と広告費を多少削って営業職を配置した方がまだ効率的なんですけどね。

…これは脱線しそうなのでやめよう。とりあえず人件費に無駄があるということです。でも彼らはこれを改善できません、まずそれに気付けないから。 

ちなみに老健ではPTやOTだって低所得なケースが多いです。なので優秀な人はどんどん抜けます、どんな人が残ってどんな人に役が付くのかはお察しください。 

つまり?

人件費が多い、広告費が多い、他にもアレやコレの購入費も多い、でも最下層である介護職の処遇改善に興味はないよ?これが老健の体質となります。綺麗ごとを並べたがるでしょうけど、実質そうでしょう。

 

第二の理由、あなたの生活力は低いままストレスと勤続年数だけが積み重なっていきます。

③人間関係激悪

もうね、やばいです(笑)僕は特養勤務の経験があり、そこには当然のように派閥というものがありました。AさんのグループとBさんのグループとCさんのグループがあるんですね。幸い男なので巻き込まれるという事は無かったのですが、やはり女性は巻き込まれていくんです。

 

だがしかしbut、老健はその比ではありません。

・一人をいびり倒す

仕事には適正というものがあります。しかし適性の有無に関わらず上司や先輩は人を育てなければいけません、これは義務といってもいいレベルです。しかし残念なことに、この努力を全くせずとにかくいびる人間というのがいます。そしてその割合が多いのが老健。まあ看護じゃ介護は教えられないのかもしれないけど。

 

これは前述の勘違い看護師(上司)が引き起こす事が多いです。しかも彼らのやり口は実に巧妙で、先に事務長あたりに「新人があまり仕事を覚えない、覚えようという気持ちも見えない」みたいな伏線を張ります。

これも前述していますが、事務長というのは介護素人です。それなのに何人も職員を見てきたなどと寝言だとしても考えられないようなユニークな勘違いをしているんです。

文字通り見てるだけですからね。自己の過大評価も甚だしい。そんな全てを知っているみたいな事を考えている事務長様ですので、この伏線がワンピースばりに効いてくるんです。

・意見の相違が多すぎる

自分たちの決めたルールは絶対であります。利用者さんが何か手伝ってほしい、助けてほしい時に出てくるテンプレがこちら。

自分でできるでしょ

うーむ…特養でもこんな人いたけど、なんなんでしょ?仮にそうだったとしてもですよ、この言い方ってなんなんでしょ?

そりゃ衝突して当然ですよね、特養の場合は介護のお局様がこんな事言うんですが老健の場合は往々にして看護がこれを言います。もともと考え方が違うと言われる介護と看護の溝の中にこんな爆弾が落ちてきたらそりゃ衝突しますよ。 

これに限らず、介護VS看護という場面が本当に多いです。そして介護は勝てません、理由はお察しください

・つまり?

必要業務以外の人間関係でのストレスが非常に多いです。しかも介護施設以上に改善がなされないので始末が悪いですよね。  

第三の理由、人間関係が劣悪になりやすく忍耐のみが求められるという事。

④人事異動が雑

ある程度慣れた職場に居たいとかそもそも施設介護を志望して入った等、人事異動を敬遠する人も居るかと思います。

大丈夫です、そこも抜かりないですよ(笑)

・異動機会が半端ではない

老健にも複数の併設事業所がありますが、異動先として無資格介護職であればデイ・有料・訪問入浴があります。介護福祉士等の資格があれば訪問介護福祉用具も視野に入ってきます。これらの事業では常にどこかしらの人員が不足しており、もはや万年求人と化しているところも少なくないでしょう。でも都合よく求職者が来るわけでもなく、入る前に次の退職者が出てしまいます。そこで繰り出される必殺技が人事異動です。 

常にどこかで欠員が出るものだから通常の時期的な人事異動だけでなく、年間通して誰かがどこかに出されます。出した事業所も人が余っているわけではないので不足する羽目になり、業務負担が増加します。もはや負のスパイラルですね。 

ちなみに介護職よりも理不尽な異動をさせられる人が居ます。なんと事務員さんもその対象ですよ、あまりにも酷すぎますね。

・出向という魔法の言葉

これは医療法人だからこそ多いものかもしれません。あまり背景については詳しくないのですが、中身だけでも十分エグいです。 

異動の際に出向という言葉がよく使われます。そもそも会社には割と寛容なほどの人事異動権があるのですが、それをさらに自由にするのが出向。なんとこれ、本人の同意が不要なんです。しかも基本的には元の場所に戻るスタンスですので、命じられた側も少しの間の我慢と思ってしまいがち。僕のデイ勤務時代の先輩が出向で来ていたんですが、かれこれ3年は居たようですよ。僕が退職した後もしばらく居たので5年は軽く居た計算になります。介護人として非常に優れた人だったんですが、老健に戻る事無く退職し現在はトラックに乗っております。腰痛持ちなのに…。 

あなたはこの出向、断れます?もしくは辞めます?

・つまり?

とんでもない確率で異動のチャンス(笑)が巡ってきます。しかも異動したら給料下がったとかもザラ、悪夢以外の何物でもありません。 

第四の理由、人事異動に関わる主導権は完全に会社にあり、しかも不利益を被る可能性があるという事。

介護保険法上の今後のポジション

僕は老健というものが介護保険事業として今後永らえていくものとは思っておりません。とは言え介護とは違い絶大な発言力を持つ医師会が黙っていないでしょうから救済的に違う名称、違うスタンスで残る可能性が無くはないんですが…どちらにせよ救済される程度ですので実質終わるものかなと。良くて縮小です

特養にも似たような事が言えるのですが、この何でも併設大型箱物コンビはお金の使い道がちょっと特殊なんです。建物そのもののサイズから来る莫大な施設補修費、僕たちの所得ではまず考えられない機械の導入、とにかく一撃の破壊力がすさまじい経費というのがあるんです。ところがそれを理由にお金をあーしたりこーしたり(お察しください)するもので、職員の処遇改善には積極的ではないんです。んじゃこれ、どうなります?わかりやすく僕の言葉でお送りしますね。

なんか儲かってるみたいだしお金貯めこんじゃってるね、そんなに余るなら介護報酬が過剰なんだよねきっと(キラッ

減額です。さらに処遇改善がおろそかになり、さらに人が辞め、す〇家モードに突入していきます。

結論、やめておきましょう。

パートなんかで働く分には別にいいかもしれませんが、今のままでは老健事業に先はありません。施設が変わらなければいけないのにその意識は皆無です。家族を養うための収入や将来性を考慮するのであれば、悪い事は言いませんやめておきましょう。

もし介護職としてのプロフェッショナルを目指すのなら尚更です。介護職員が処遇を上げる手段は二通り、現場レベルでのキャリアアップと上位資格取得。ところが上位資格は今のところ大きなメリットがあるわけでもなく、取得にかかる費用を負担する会社もほとんど無いでしょう。うちもさすがに出せないです。となると残るはキャリアアップなのですが、無理でしょう。だって介護観の無い介護しかしないのにどうやって介護知識やスキルを伸ばせるんでしょう。基本は自分で学ぶ事とはいえ、一日の多くを過ごす職場に学べるものがないというのはとんでもないハンデです。

僕は介護で家族を養っていきたいのです、そしてどんな立場にあろうと現場から離れたくありません。同じような望みを持つ介護職パパってたくさん居ると思っています。そんな人にこそ言いたい、老健に転職してはいけません。

オマケ

小話です、あまりにもダークな終わり方をすると後味悪いので口直しです。僕が普段お付き合いしている人のお話。

僕が実際に関わっている人の中で最も優れた人物と思っている人ですが、よりによってさんざんボロクソに言った元老健事務長。ほんの短い期間ですが僕の上司だった事もあります。今では仕事相手とでも言いましょうか、直接仕事で関わる訳では無いのに会えばダラダラと話し込んでしまいます(笑)

総合事務職としての手腕はもちろんなのですが、現場に手が足りないと自らフォローに出てきていました。また、介護職と絶妙な距離感を持つというのが非常に上手い。上から指摘する姿を見たことがなくアドバイスのような格好、あくまでも自分は現場のプロではないから最終的には君達プロが考えてというスタンスでした。 そんな彼が僕に与えた影響は小さいわけがなく、職員との関わりの中で常に彼の立ち振る舞いを意識しております。

今回の記事にある「老健事業に先はない」という言葉は、もともと彼のものなんです。

その話をした当時、僕はブラック企業社畜でしたのでその言葉が理解できませんでした。いやいや需要は途切れないでしょと、バックに病院があるんだから潰れないでしょと。ところが今、こうして介護保険法をはじめ介護のクソめんどくさい目まぐるしい環境変化の中に身を置いて初めてその真意を感じております。今にして思えば、彼の視点は老健の外からのものだったのでしょう。会社って面白いもので、外から見ると土台も腐ったガタガタの状態でも中の人から見ると立派な経営をしてるように見えるものなんですよね。そういった意味ではうちも気を抜かず頑張って行かなければなりませんが。

でも不思議で聞いてしまいました。頭の切れるあなたから見て先が無いと断言するような老健に、どうして居続けるんですか?と。彼は少年のような笑顔で答えるんです。

「だって俺、病院から出向してるだけだから関係ねえもん」

 

クッソwww

 

凄まじい破壊力でした。そうは言いながらも彼は現場が働きやすい環境を整え、老健事業を永らえさせるべく奮闘していましたけどね。その努力は尋常ならざるものであり、僕などまだまだ何の努力もしていないなと思わされる程です。現在はまた違う施設でトップを張っている模様です、今後もその手腕を発揮して素晴らしい事業所へと育てていく事でしょう。

願わくば働く人間の意識改革とか寝惚けた事を言う前に自分が行動する、そんな彼のような上司が介護業界にも増えますように。

 

さしこ

かしこ

居宅介護支援事業所(ケアマネ)を選ぼう!

ホワイトクリスマスという言葉が嫌いです、介護の中の人です。

 

そりゃそうですよ、あれって雪があまり降らない地域だからいいんです。僕はクリスマスに雪降るどころかとっくに積もってる場所に住んでます。クリスマスなんて白くて当たり前です(_・ω・)_タアン!

 

という都会への憧れは置いといて。

職員サイドだけではなく利用者さんサイドにも向けた記事になります。実際に居宅介護支援事業所の中の人もぜひ読んで貰えると幸いです。

需要?知らん!

 

居宅介護支援事業所とは?

サクッと説明します。居宅介護支援事業所(以下居宅とします)とは利用者さんのケアプラン作成や介護申請の代行、各サービス利用の調整等を行う事業所となります。ケアマネジャー(以下ケアマネ)はその業務を実際にする人であり、利用者さんに担当として一人つく形になります。

 

介護保険制度は非常に乱暴複雑で、サービス利用までを個人が手探りで行うのは大変なストレスとなります。ケアマネにそれを行ってもらう事で、短期間で手軽にサービス利用を開始する事ができます。

 

また、事業所によっては不必要なほど何でもかんでも動いてくれます。これはケアマネの業務に含まれていないものまであり、個人的には推奨したくはないのですが利用者さん側から見れば何でも屋というポジションが一番しっくりくるのかなと思っています。

 

利用料はいくらなの?

かかりません。介護報酬として公費から出ていますが、利用者負担というものはH29.12現在ではまだ存在しません。

 選ぶって言うけど選べるの?

もちろんです。ケアマネとの関係が始まるタイミングは人それぞれですが、利用者さん(もしくはご家族さん)が希望する居宅介護支援事業所を選ぶ事ができます。選ぶ事ができるだけでなく、変更する事もできます。あまり好みではないケアマネだけど我慢しているといった方が多く見られますが、無理に我慢するべきではありません。

どうやって選ぶの?

介護保険は急遽利用になる方が非常に多いです、なにも準備ができないまま流されて利用に至るというのは正直しんどいものですよね。

偏り感がすごいですが、ケアマネの選び方の一例を記載していきます。

評判で選ぶ

家族が世話になった等、知人から聞く機会もあるでしょう。また、このページを見ているという事はネットの評判も一応チェックしているかと思います。

メリット

事前に何らかのメリットを得られるというのは居宅を選ぶ際には役立ちます。勧めてくれる方の情報が具体的であればあるほど優良居宅の可能性がグンと上がります。

ネットでの情報収集でも同じ事が言えます。ネットの場合は現実以上に誹謗・中傷が書かれている事がありますが、情報の吟味は慎重に。中身の薄い悪口は思い込みやワガママによる書き込みがほとんどですので、あまり気にする必要はありません。

デメリット

やはり人間ですので、どうしても主観的な情報を他者に与えます。また、情報をくれた方が複数の居宅を比較できているかにも疑問がありますよね。いくら良い良いと勧められても他の居宅と比べられないのであれば話半分程度に止めておきましょう。

ケアマネで選ぶ

評判のいいケアマネってどこにでも数人いるものですが、その人が在籍している居宅を選ぶというものです。

メリット

そのケアマネに当たることができれば最高ですよね。ケアマネはよほどの何かを持っていない限り、一般に名前が売れるという事はありません。それでも有名になってしまうようなケアマネであれば、きっと良い仕事をしてくれるでしょう。

デメリット

そのケアマネが独立しているのならともかく、どこかの居宅に雇用されている複数のケアマネの一人なのであればその人が担当になるとは限りません。よりにもよって最悪なケアマネが来る可能性も一応考えておいてください。

大規模な居宅を選ぶ

大規模な実績のある居宅がいい!全国展開している大手がいい!こんな選び方ももちろんありますよ。

メリット

大規模居宅は関わってきたケースの数が段違いです。ちょっと難しいケースの方に対応してきた実績も多い事でしょう。また、全国展開している大手と言っても中身はピンキリですが、介護で一番有名なあそこなんかは関係書類が非常に丁寧です。サービス提供側の僕から見ても素晴らしい。ケアマネ自身は恐ろしく大変でしょうけども…。

デメリット

居宅の規模が大きいと、それだけハズレを引く可能性があるというのは覚悟してください。

大手は安心というイメージはあるでしょうけど本当にピンキリです。居宅そのものも問題アリですが、どちらかと言うとケアマネの質が悪い場合が多いです。後述します。 

違う角度での選び方

ちょっと上の例だと厳しい、もう少しざっくりでもいいから手軽な基準が欲しい、そんな場合は以下をどうぞ。

ケース数で判断

介護サービス情報の公表というものがあります。最小は市町村単位で各事業所の情報を検索できるんですが、これには非常に有意義な情報が詰まっています。

まずケースの数。ここには利用者数と、介護度別の内訳が載っています。要介護1が○人、要介護5が○人といった具合に。で、本当にざっくり指標なんですが要介護5がいかに多いかに注目して下さい。ただ多いのではなく、ダントツで多いのが理想です。要介護5が多いというのは病院からの信頼があり、ターミナルケースが多く相談されている可能性があります。病院からの信頼というのは大きいですよ。癒着の可能性は否定しませんが(笑)

従業者の数で判断

従業者数は在籍人数だけでなく1年間での退職人数も載っています。介護職員ならいざ知らず居宅でポンポン辞める人はなかなか居ません。何人という基準を作るのは難しいですが、僕は3人居れば完全アウトと思っています。2人だと定年が重なったとかも有り得ますしね。

そんなにコロコロとケアマネが辞めるような所に相談なんてしたくないですよね、何回担当変更するんだ!って感じで。

求人票で判断

ここまでしないとは思いますが(笑)

全国展開している大手にありがちなんですが、求人票の時点で労働条件が悪いような居宅には人が定着しません。条件悪いなら誰も受けないと思いきや、落ちこぼれケアマネが他に行ける所無くて受けたりもします。で、地域の居宅同士のネットワークに溶け込んでいない事業所は評判を知らないので採用してしまいます。でも落ちこぼれだから辞めます。無限ループですね。

いざ利用!でもケアマネが微妙…

事業所として利用者さんと関わっていると、ケアマネに対する不満というのは結構な割合で耳にします。もちろん全て真に受けているわけではありません。ワガママが度を越えていて当てつけのような形で文句を言う人だっていますもんね。

しかしこれ、大小含めるとかなりの人数が不満を抱えているものです。

ではどんな不満があるんでしょう?

訪問に来ない

僕は結構聞くんですが、これ本当ならケアマネとして論外なんですけども(笑)基本的には月に1回、利用者さん本人と面接をすることがルールとなっています。これを怠ると閉店ガラガラになる恐れまであるので皆さん訪問しているとは思います、利用者さん側が月1回の訪問じゃ不満という事でしょうか?

 

とか考えてたら該当しそうなのが居ました。3人くらいの利用者さんからそんな話を聞いたことがあるんですが、よく考えたらそのケアマネは要求しないと情報よこさないし提供表もたまに遅れてくるし…うん、ありゃ行ってないですね(確信)。

デイに行けとしつこい 

とにかくデイに行けデイに行けとしつこい、これもぼちぼち聞きます。別にデイだけではないのですが特に目立つので例にさせてもらいます。これしつこい理由は2パターンあるんですが

 

①本当に利用者さんのためを思って言っている

②自分の実績にしたい

 

となります。①は情熱的すぎるんでしょう、家でゴロゴロしてるよりデイに行って身体を動かしたり他の利用者さんとコミュニケーションを取ったりしてADLの維持に繋げてほしいといったもの。確かにいい事ではあるんですが、利用者さんの意向を無視しすぎるのは問題アリ。

 

②は完全にアウトですが、実際に多いからたまったもんじゃありません。各種サービスを併設、もしくは同一法人で展開している居宅の場合、この自社サービスでの囲い込みというのが非常に多いです。悪質なものだと介護保険法に抵触しないよう一応は選択肢を与えたりしているのですが、結局はそれとなく自社サービスに誘導するというもの。自社サービスにどれだけ貢献しているかをケアマネの評価基準としている不届き極まりない事業所もあるぐらいです。潰れればいいのに。

 

いや、言い訳してもわかりますよ?どのサービスとは言いませんけどうちの事業の一つは圧倒的な高評価を頂いております。他社と比べる事そのものが無意味と思えるレベルで高質なサービスその他を提供しているという自負もあります。どうしてそこの事業所からだけ新規の相談が無く自社に流れるのでしょう、他のほとんどの事業所から頂いているんですけどね。そのほとんどの事業所はうちにしか依頼してないんですけどね。

 

ちょっと脱線しましたが、良いケアマネというのは意見の押し付けをしません。あくまでも利用者さんのニーズを拾い上げ、本当に必要なサービスを数点挙げ、選んで頂くものです。これは理念や理想という幻想ではなく、ケアマネに本当に求められる姿勢ではないでしょうか。 

連絡がつかない

これもよく聞くので挙げますが、ちょっと仕方ない部分はあるかなと思います。要はあまり事務所に居ないという事なのだろうと推測しますが、はっきり言います。居るわけがありません。

 

ケアマネというのは最初の方で述べている通り、各種手続きの代行や各サービス間の連絡調整があります。加えて毎月の訪問・モニタリングもあるため、利用者さん宅はもちろん役場や包括、施設等々日中を通して外出の用事がとても多いんです。まる一日事務所に居るなんてのは月初めくらいじゃないでしょうか?以前の営業についての記事でも少し書きましたが、遅くても15日を過ぎたら事務所に居ればラッキー程度の気持ちでいた方がいいでしょう。多くのケアマネがそのあたりから担当している利用者さんのお宅を訪問するからです。ある程度は予定を組んで動くものの、そこのお宅でどれくらいの時間を過ごすかは担当者会議と同じく神のみぞ知るというやつでして、一概に30分とか1時間とか言えません。ですので1日に訪問を予定できる件数などたかが知れており、必然的に事務所を空ける日数も増えるという形です。

 

ですので事務所に電話をして不在の場合は折り返しを依頼するなどして気長に待ちましょう。緊急であれば依頼する際にそれを伝えればそれなりに連絡を取ってくれます。

が、実際のところそこまで緊急性を要する用がケアマネにあるというのは稀なもの。多少なり考え、時間的に余裕があれば相手のペースでの折り返しを待ってあげる事をおすすめしますよ。

もうダメ!このケアマネは合わない!

そんな時は居宅に連絡して、その旨を伝えましょう。ケアマネ変更を提案してくるかと思いますが、事業所でどんな話をされているんだろうと考えると気が進みませんよね。そんな事はないよという方はケアマネ変更で済ませるのもよいかと思いますが、思い切って居宅ごと変更してしまう方がその後の気遣いは減ります。ただし、一度そういった思いをしてからの居宅選定はハードルを高くしがちなので結構大変です。ある程度の妥協が必要になるかもしれません。居宅変更を考えている場合は、次に依頼したい居宅を事前に調べてから動く事をお勧めします。

さいごに

ケアマネへ

これからの利用者さんは今関わっている方々より更に「気持ちが若い」ことでしょう。日中の過ごし方がプレステとか為替チェックとかそんなレベルではなくなってきます。今の高齢者では考えられない精神性や生活スタイルの方はどんどん増えていく事でしょう。前時代的なケアプランは存在価値を無くし、もっと本人に合わせた具体的なプランが求められる様になります。どうですか?今の処遇でできます?

できるという聖人のような方は出すもの出すのでうちに来てください(笑)

利用者さんへ

居宅やケアマネを変更する事に抵抗があるという方も少なくないでしょう。ですが、サービスを利用するのは利用者さんサイドです。あまり不要な我慢はせず自分たちのためになる方を選ぶのは何も悪い事ではありませんよ。

 

平成30年度介護報酬改定…0.5%ほど増加?

仕事以上に雪かきのせいでホットなニュースが書けない、介護の中の人です。

 

貴重な一日の中で2時間強も雪かきに奪われるのはさすがにキツいですね。でも朝の雪かきは嫌いじゃないです、早い時間に適度に身体を動かすと頭が冴えますもんね!冴えても大した頭ではないんですが(笑)

 

さあ、介護報酬改定がじわじわと近づいてきました。前回は大幅な報酬減となりましたが、なにやら微増の動きを見せているようです。

 

介護報酬0.5%程度プラスの動き

いきなり本題です。時期的にほぼ確定な気がします、あとは細かい調整でしょう。まずはソースをどうぞ、ちなみに僕はタルタル派です(エビフライの場合)

 

www.asahi.com

 

0.5%前半という事ですが、このあたりが微調整の範囲かと。微調整とは言っていますが0.01%でも単純計算で2億7000万くらいの金額となりますので、慎重にならざるを得ないのは当然ですね。

 

そもそも介護報酬の改定とは?

介護報酬は3年ごとに報酬が見直されることになっております。介護保険負担額や介護事業所の状況等を勘案して改定が行われます。ここ最近では介護事業所の状況という部分が大きなウエイトを占めており、介護事業所が儲かりすぎと判断されれば減額、赤字すぎと判断されれば増額と考えて結構かと思います。

前回の改定

ソースにもあるように前回の改定は平成27年度、2.27%のマイナス改定となりました。介護保険始まって以来のマイナス改定であり、これまでさんざん放置されてきた大きく改定の無かった訪問入浴でさえも対象となる大掛かりなものでしたね。

マイナス改定の影響は?

巷ではこの改定が原因で倒産事業所が増加したと騒いでいますが、実際にそうなんでしょうか?マイナス改定が事業所を倒産させるほど収益悪化に直結したとは僕には考えられませんが…。

 

数字がわかりやすい訪問入浴で計算してみましょう。改定前1250単位、月150件とした場合、月の売り上げは1,875,000円となります。一方改定後1234単位では月の売り上げが1,851,000円。その差額は24,000円となります。

 

24,000円/月です。

 

これを見て「1ヶ月で24,000円も減るなら1年で30万近いマイナスじゃないか!」と考える人は早々に撤退をお勧めします。逆に言えば1ヶ月あたり2件増やせばいいだけですよ?人数にしたら新規0.5人です。なぜその努力をせず文句だけ言うのか。

 

もちろんこれは事業によっても違いはあります。あくまでも平均で2.27%引き下げというものなので、極端に言うと0.5%の引き下げがあれば3.5%の引き下げもあるという事。もう一つ、報酬の増減というのは定員のあるサービスに特に響きます。訪問系には基本的に定員という概念がありませんので、先ほどのように(報酬が)減ったら(利用者さんを)増やせばいいという考え方ができるんです。

でも実際に倒産してるんだよね?

しています。2016年調査では108件が倒産したとの事です。2015年は76件、その前は2年連続で50件強となっています。単純に改定時期と倒産増加時期を照らし合わせると介護報酬減により倒産が増加したと言いたくなる気持ちはわかるのですが、介護報酬減額は直接の原因ではなく後押しに過ぎないのではないでしょうか。

 

僕は先ほど報酬の増減というのは定員のあるサービスに特に響くと言いましたが、事業別で見ると訪問介護事業が48件と最多なのです。次が通所・短期入所の38件、有料が11件となっております。なぜ定員概念のほとんどない訪問介護がこれほど倒産するのか不思議ですよね?でもちゃんと理由があるんです、そしてそれは通所や有料にも同じ事が言えるんですね。

必読!倒産数トップ3の共通点

先ほどの訪問介護、通所・短期入所(ほぼ通所)、有料の共通点とは何でしょう?これを理解する事で介護事業所倒産が介護報酬減だけではない事が見えてくると思います。

介護事業所倒産の記事は以前に上げましたが、今回はもう少し絞ってお届けします。

開業のしやすさ

まずはこれ、開業がしやすいという点です。もともと他の介護事業所を運営している会社はもちろん、他業種の参入や個人開業がしやすいんです。訪問介護は目に見える初期投資が少額(本当は落とし穴)ですし、デイは小規模であれば民家を使用する事もできます。有料は完全個人では厳しいですが、初期投資をクリアできる法人であれば特段問題はありません。また、詳しくは後述しますが3つともフランチャイズという手段があります。

 

開業がしやすいという事は裏を返せば誰でも参入できるという事になります。ライバルが多いんですが、こと開業となると盲目的になってしまうのでしょう。きっと大丈夫程度の心持ちでスタートしてしまうんですが、これが大きな間違いとなります。

 

そうです、あまりにも開業のハードルが低いため、それに比例してノウハウの無い素人の開業が多くなるんですね。

 

経営戦略が甘い

大企業っぽい言葉ですね。でもこれどんなに小さい会社にも必要だと思います。皆さんは昔マネーの虎という番組があった事をご存知でしょうか?独立・開業を希望する人たちが投資家(主に当時有名だった企業の社長)に投資・融資を依頼。その希望者と投資家のやりとりは非常に個性的で人間味があり面白い番組でした。ちなみに僕の尊敬する南原竜樹社長(LUFTホールディングス代表取締役)も、現社の前身であるオートトレーディングルフトジャパン代表取締役時代に出演されております。しくじり先生の南原社長出演回を見逃した事は僕の人生最大の汚点であります。

 

ちがう、脱線するところだった。

この番組で独立・開業目指す希望者が提出を求められていたのが事業計画書ですよね。事業計画書とは介護事業所でも開設時に提出し、その後も毎年(度)作成が必要なものですが全く別物です。名前は同じですが僕が言っている事業計画書とはそんな数字だけ並べただけのようなお粗末な物とは違います。

 

例えば今期、うちの事業所が昨対利益100%だったとしましょう。昨対100%というのは今期の計画達成ができなかったという事。単純な算数で考えた時に、来期も今期と同じコストで同じようなサービスしか提供できないと考えます、これは大変。次期はどうやっていくべきか。新規の必要数はどの程度か、報酬改定や法改正の動きはどうか、動きがあるならばそれも盛り込まないといけない。周辺事業所の動向はどうなっているか、実施区域の介護報酬実績の推移はどうか、そのソースは出ているか。提供数増に伴った人員確保、またその人件費はどうか。どの程度のペースで何を増やしていくのか、いつまでに何を達成するのか。

 

うちのような小さな事業所でもこの程度は最低限です。というかこれ普段から考えていなければいけませんよね。それを事業計画書にまとめるといったイメージです。

倒産する事業所はこれができていません。

ニーズはあるんだからしばらく運営していけば自然に利用者さんがくるだろう、といったミルキードリンクよりも激甘な考えがどこかにあるんです。

フランチャイズでの開業

これ一番ダメです。他業種は別として、介護事業所に関してはフランチャイズ開業を選ぶメリットが僕には一つも見えません。

 

・素人考えのスタート

まず、フランチャイズ開業をするという事はほぼほぼ素人という事です。では問います。

そんなズブズブの素人さんが介護で稼げると思ったのは何故ですか?

大企業でもなかなか参入しない業界でどうして素人が稼げると思うのか、僕はこれに並々ならぬ興味があるんです。ただ楽に稼げると思ったんですかね?まさかこれから介護人口が増加するからなんていう雑な理由ではないですよね?ぜひ経験者の声を聞かせて欲しいところです。

・改善されない知識不足

これら介護事業所の指定というのは性格的に許可制ではなく登録制と思ってください。何が言いたいかというと、

指定申請なんて簡単なもんなんです。

ネット時代ですよ、様式だけでなく記載例だってあります。例でわからなければGoogle先生が教えてくれます。僕はGoogle先生と二人三脚で申請しましたよ。そんな簡単な申請すらできない、できるかもしれないけど介護保険法に詳しくないから不安、そんなところでしょう。しかしながらこの申請すらクリアできないようでは、どうせ事業開始後も介護保険法の勉強なんてしませんよね。知識不足を理由にフランチャイズを選ぶ人はいつまで経っても知識不足という事です。

・マネーマジック!

フランチャイズというのはもちろんタダで面倒を見てくれるわけではありません。どっかの比較サイト曰く、まず開業資金として212万~450万必要になります。結構開きがありますね。開業後もロイヤリティがあり、こちらは5%固定、10万固定、6%~など様々です。「~」ってちょっと怖いですよね(笑)僕はそっちの中の人との交流が全く無いため、この部分は確実な情報を持っていません。しかしこれ、恐ろしいシステムですよね。

 

コンビニなんかと違い、介護フランチャイズ売上総利益ではなく売上に対してかかるようです。数字(%)を小さく見せたいだけな気がしなくもないですが。これを前半の訪問入浴で算出してみましょう。訪問介護?めんどくさい!ロイヤリティは一番低い5%とします。念のため言っておきますが、別にうちの事業所の数字を使うわけではありませんからね。うちはもっと稼いでます細々とやってますので。

 

1,851,000円×5%=92,550円

わかりやすく損益分岐点を100万とします。訪問入浴は損益分岐点を超えると利益変動が割と多いので一概には言えませんが、おおよそ売上の4割を利益と考えると

(1,851,000円-1,000,000円)×40%=340,400円

 

利益340,400円に対し92,550円、実に27.1%ものロイヤリティを吸われる計算になります。年間111万ほどです、こんなムダ金払うくらいならボーナスを増やしなさいよ!と叫びたくなりますね。これがマネーの現実です。今回は訪問入浴の数字を使って当てはめましたがデイサービスなんかもっと売上上がるから元になる金額が上がり、そのうえ利益率は下がるもんだから対利益で見た時のロイヤリティの割合はコンビニに匹敵すると思いますよ。デイのお金は触れたことがないからわかりませんが。

 

不適切な独立理由

これはほぼ訪問介護事業所のみでしょう。昨今の日本にはこんなにあるものかと思うほどの訪問介護事業所があり、求人の出ていない事業所は存在しないのではないかというほど慢性的に人が足りない状況です。普通の人なら開業しませんよね?開業前からす〇家状態になるのは目に見えてます。でもね、訪問介護事業所の独立というのは後を絶ちません。普通の人は開業しないんですよ?つまり普通じゃない人ちょっと変わった人が開業しているケースが散見されるという事です。

 

勤務先、もしくは経営している訪問介護事業所で「サ責」の求人を出した経験はおありでしょうか?その時どんな求職者がいましたか?こんな田舎でも割と数名来てくれるんですが…サ責求人の応募者は難あり率が半端ではないです。

一番多いのがサ責経験なし。次にこれまでの主な退職理由が人間関係ばかり。それから会社が評価をしてくれない所だったとかそんな感じの返答が並んで行きます。で、こういった答えをよこす人に僕は必ず次の質問をします。

 

あなたの介護観を教えてください。

 

まあ出るわ出るわ面接のハウツー本にだって書いてないような究極の介護理想像みたいな重たい演説、なぜそれを前職でやらなかったのか。よっぽど人間性が素晴らしそうな人でなければ、このギレン総帥もビックリな演説が出た瞬間に不採用が確定するわけですが。

 

介護業界というのはこのような本人のなかでは自立しているつもり、第三者目線からは自意識過剰とも取れる人が育ちやすいんですよ。そのへんの考察は別記事に譲るとして、実はこういったタイプの人が訪問介護事業所を立ち上げるケースが非常に多いんです。自分はこうしたい、でも雇われは自由にできない、なら独立しようといった感覚。いくら転職や独立を推奨している僕でもこのような動機のみでの開設はお勧めしません。失敗するのが目に見えているからです、ゆくゆくは利用者さんや担当ケアマネに迷惑をかける結果になりますから。

 

本題の0.5%改定

えっと…そうでしたね報酬改定の話でした、忘れてましたすいません。

 

0.5%の報酬改定による介護事業所の変化というのはほとんどありません。これまで書き連ねてきたように、倒産する事業所は報酬改定とは別のもっと大きな要因で倒産しているに過ぎないのです。逆に言うと多少増えても倒産しそうな事業所が息を吹き返す要因にはなり得ないでしょう。確かに規模が大きくなればなるほど0.5%の重みは顕著です。しかしながらそれが理由で事業所が急に好景気になる事はなく、ましてや介護職員への還元に繋がるほどのものでもありませんよね。しかもデイだけ減算とかあり得るので気は抜けませんよ(笑)

 

結局のところは企業努力であり、介護事業所における企業努力とは他ならぬ僕たち介護人の提供するサービスに他なりません。やれ経営だ営業だと騒ぎ立てる僕ですが、それはサービスをしっかり提供しているという大前提があってこそ。介護報酬に左右されない強い事業所を作るには、圧倒的な外部評価を得るのが正攻法です。

 

高価な機械を導入するのも満足度が向上するならいい事です、備品を新しくするのもサービスの一環です。ですが、それだけでは衰退します。利用者さんが最も喜んでくれるのはそれらではない。結局は僕たちが質の高いサービスを提供する事こそ即効性があり、費用対効果も最高であり、なにより大きな広告塔となってこの先の利用者さんに繋がるのではないでしょうか。

 

そのためにはあなたがダメ上司を蹴落とせるだけの評価を得るのが最良ですよ(笑)

脱線記事のウエイトに定評のある介護の中の人でした。

介護福祉士の処遇改善8万円は可能なのか・その2

ぬぬぬ…記事の進捗がとんでもない亀作業に…介護の中の人です。

 

先日、10年超の介護福祉士に対する処遇改善の記事を上げました。

介護福祉士の処遇改善8万円は可能なのか? - 介護とか介護じゃない事とかの独り言ブログ

 

フレッシュなうちにと上げたのですが、その後もう少し詳しい状況が見えて来たので追記というかそんな感じです。大筋は前回の記事と変わりないのでそちらをご覧ください。

 

少しだけ詳細が見えてきた

まずはこちらのソースをどうぞ、僕は塩コショウ派です(ポテトコロッケの場合)。

www.joint-kaigo.com

 

ソースが前のより少し具体的なので前回記事とは違った部分にツッコんでみましょう。

勤続10年の詳細は不明

ここは変わらず不透明なままです。勤続というと同一法人なのかなという匂いはしますが…。これはメリットよりデメリットが大きくなってしまいますので盛大にディスり慎重に分析しましょう。あくまでも同一法人で10年というルールだった場合の事です。

メリット

少ないですがメリットから。政府としては人材の定着を第一に捉えている節があるので、こういった形になるのはある意味では仕方ないのでしょう。単純に定着率の向上、もしくは離職率の低下には影響します。

また、処遇改善によりやる気を出す人だってちゃんと居るでしょう。

デメリット

すんごいありますよ、しかもエグいです。時間ないから一部だけ上げて公開します、残りは土日にでも追記します。

  • 積極的な転職の阻害

他の記事を読んでもらえるとわかると思いますが、僕は転職推進派です。介護事業所に関しては尚更で、自分のスキルアップや待遇アップのためには自分が動くべきなんです。

ですが10年居ないと貰えない、10年経って貰えるようになったら今度は辞められない。これはおかしい。1人の人生を縛り付ける事になりかねませんよね。

  • ブラック施設の延命

35歳くらいで9年目の非常に優秀な介護福祉士がブラック施設で働いていたとします。このままブラックに居ても自分はその他大勢の1人で終わってしまう、家族を金銭的に支えるためにも転職を…とか考えてたらこの制度という物語なんかザラにあると思いません?

この人はそれで生活を凌げるかもしれません。しかしですね、介護業界の今後を考えるとブラック施設に優秀な職員なんて要らないんです。さっさと撤退して優良施設が引き継ぐ方が有意義です。

ハッキリ言います、ブラックは潰すべきです。

10年経たなきゃ貰えないんだからまだ本気出さないとか、頑張っても頑張んなくても8万増えたからいいやとか、今でも腐るほど存在する「仕事してるつもり介護士」を増やす結果にもなり得ます。10年も同じ所に居ると良くも悪くも慣れが出てくるものです。

  • 人事異動トラブル

あと1年で貰えるタイミングでケアマネとか相談員になれと言われてなる人が居るでしょうか?絶対断りますよねこんなの(笑)でも人事異動というのは不当な理由でない限り断れるものではない場合がほとんど。新しいトラブルの火種の予感がします。

 

新たな解釈

「年数10年を積算根拠として8万円を出し、その配分は施設・事業所の裁量にある程度委ねていく」

出ました、お約束。現行の処遇改善と同じです。

ですがこれ、面白いかもしれない。金額が金額ですし、出し方は色々なパターンが考えられます。人によっては前述した転職なんかに関わる部分がひっくり返るかもしれませんよね。

 

A施設

10年以上の職員にそのまま8万円出しますよ

B施設

10年未満の人に3万円、10年以上の人に5万円出しますよ

 

ざっくり過ぎる例ですいません。どっちに行きますか?これ自分の年齢や現在の勤続年数でも答えが変わるんですが、僕が職員であれば間違いなくAです。35歳の誕生日に転職、生涯現場を前提として語ってみましょう。給与等の条件は同じとします。

 

A施設

45歳から貰い始めて、63歳の定年まで80,000×12×18=17,280,000円

 

B施設

35歳から貰い始めて45歳まで3,600,000円

45歳から貰い始めて63歳まで10,800,000円

合計14,400,000円

 

生涯通しての差額は2,880,000円

コンパクトカー一台分です、介護職の給料でこの差は小さくないはず。こうなるとですね、自分を評価してくれない事業所に行った方が得する人(仕事しない、できない人)も出てくるんですよ(笑)何だろう、ネタ感いっぱいになりますね。

 

小規模事業所をケアマネ兼社長でやってるとどうするんだろう(笑)社長ったってピンキリですからね、スタッフとほとんど変わらない報酬で頑張ってる人だって中には居ますし。泣きたくなるんじゃないかな。

 

着地点はほぼ変わらない

制度としての着地点は現行のものと大差ない様ですね。しかし現在以上に法人・施設ごとの差は大きくなるものと思われます。

考え方にもよりますけど、これっていい面も出てきますよ。出し方が悪い施設は職員が不足していきますよね?時間は掛かりますが自然とブラック淘汰や処遇の向上につながっていきそうなモンですけど。

結局のところ、この制度で介護を取り巻く環境が良くなるかどうかは一概には言えません。現行制度もそうなんですが、事業所のやり方と職員の要求が一致しないんです。一致するワケがないんですけど。

 

以上で追記は終了します。

ここからは少しボリュームが足りない人のためのものです、文字数を盛るためのものでもあります(笑)

追記ともども今後改めて記事の1本化をする予定のものですので、無理に今読まなくて大丈夫。ディスられるのに耐性のない人にはオススメしませんし。

 

 

制度がダメ?使い方がダメ?

現行制度が悪いとネットで見るのですが、言うほどダメでしょうか?何と比較してダメと言ってるのかは知りませんけど、そこまで言うほど悪くないシステムと感じます。更に介護業界を悪くしているのは国だとか法人だとか言いますが、働く人にも当然問題はあります。察しのいい人は気付いている事でしょうけど、ここから毒タイムです(笑)

 

国の問題点

制度そのものには大きな問題は無いと思います。中途半端なだけなんです。

 

企業を守るというのには文句は言いませんが、問題がある企業は退場させていくのも行政のあるべき姿ではないでしょうか?現行の処遇改善にしても詰めが甘い。こっちは恐ろしく手間のかかる書類を毎年毎年提出してるんです、その後の管理と報告もなかなか面倒なんです。だったらね、もう少し詰めて下さいよ。キャリア制度と強制的にリンクさせなさいよ、なんなんですかアセッサーとか何とか作るだけ作って全然活用出来ていない。

 

介護事業所なんて処遇改善手当が始まるまで自力で処遇改善ができなかったんですよ?そんな事もロクにできなかった所に丸投げしても上手く出来るわけないんです。

 

あとですね、利用者負担がざっくりすぎる。というかどうして1割負担を基準にしてしまったんでしょう?最初から2割負担を基準にして生活困窮世帯のみ1割とかにすれば良かったのに。あとサービスや利用頻度ごとでも負担割合変えるなりするべきですよね。

 

つまるところ、国が事業所に裁量を委ねすぎるというのは大人なんだからそれなりにやるよねという甘い考えです。介護事業所は大人の方が少ないというのに。

 

企業の問題点

ブラックは潰れてください。

上が必死になれない事業所は潰れてください。

売上が足りなくて職員に負担をかけ続ける事業所は潰れてください。

増員が必要なのにしない事業所は潰れてください。

処遇改善手当を偏らせすぎる事業所は潰れてください。

ボーナスも出せない事業所は潰れてください。

やりがいを押し付ける事業所は潰れて下さい。

 

最後のやりがいの所、どうしても言及しておきたいのでお付き合い下さい。僕は介護そのものに自分なりのやりがいを感じているし、無いよりある方が仕事って回ると思っています。でも、でもです。

なんでやりがいという言葉を押し売りするんでしょうか?

ダメ企業やダメ上司は必ずこれを連呼します。命を預かる仕事(この言い方も優位に立ちたがってて嫌いです)だから、感謝される仕事だから、世の中に必要な仕事だからやりがいがあるじゃないかと。

は?思ったことありませんけど?

これらの言葉単独では賛成ですが、それをやりがいとして押し付けるのは安っぽいにも程があるのです。何にやりがいを感じるかなんて人それぞれでしょう、こんな誰にでも当てはめられるような事をドヤ顔で言う程度なら悪いことは言いませんから介護やめて下さい。介護というより社会人に向いてないですよ?げらう!ひあ!

 

心配しなくても職員も利用者さんもホワイト事業所が受け皿になりますよ。なんならブラック経営者のあなた、運転手くらいできるならば雇ってあげてもいいですよ。

職員の問題点

事業所だけボロクソだと不公平なので両成敗です。介護職員全員ではないですが情けない人が多すぎるので書きます。ちなみに心当たりのある人が読むと「こういう事を言う奴は経営者」とレッテルを貼るルールがあるみたいです。超現場人間の僕も同じ事を言われるでしょう。

言っておきますが以下に当てはまる人が30年現場でダラダラと働いても、ガチガチの介護人の5年程度のレベルにすら達しませんからね。能力だの才能だのという漠然としたものではなく、考え方が根本的に違うのです。

 

いつも通りの業務しかしてないのに処遇処遇と言わないで下さい。どーでもいいから文句の前に努力しましょうよ。こんなに頑張って介護してる?みんな同じですそれは努力ではないです。毎日同じことを繰り返す事が専門性だとでも勘違いしていませんか?いつまでも国にクレクレしてないでそろそろ本気出さないと、気付いたらもう頑張れない歳になりますよ。

 

仕事しんどいですか?本当にしんどいですか?なら違う仕事してみてくださいよ、介護より大変な仕事なんて腐るほどあります。逆に介護より楽して収入も高い仕事もあるでしょうね。そこに適応できるのならさっさと転職するべきです。それができないのは適応できないとわかっているからですよね。

 

制度が悪い悪いとうるさいです。世間様も決められたルールの中でやってるんです。会社が気に入らないなら変えたらいいでしょう。出来ないなら諦めて下さいよ。あなたに変えるだけの能力が無いのか、会社がブラックすぎて変えられないのかは知りませんが。でもどちらの理由にしろ文句言いながら続けてるのはあなたですよ?地域にブラックしかなくてどうにもできないなら起業したらいいんです。在宅系ならお金なくてもできます、本気でどうにかしたいなら人間は何でもできますよ。

 

国家資格を取ったのに手当が薄い?月3000円だとしても年間36000円、通信講座とかフル活用した人でも元を取るのに10年もかからないのでは?あなたが比較してる国家資格は取得するのに幾らかかります?何年かかります?しかもあんな簡単な試験で取れてラッキーでしょう。看護師とかが受けるには勉強量が多いですが介護職員であれば普段の業務に、利用者さんのカルテに、どっぷり浸かっている制度に少しでも関心を抱いて生活してれば簡単なんですよ?そんな事もしていないから処遇が上がらないのでは? 

 

とりあえずこのへんにしておきます。どうでしょう?回りにこういう人が必ず居るのが介護業界です。特に施設には多いですね。あとね、当てはまる人が吐くセリフがもう一つある模様ですよ。

介護職をバカにするな

どっかで見た事ありません?僕これしょっちゅう見ます。どう見てもバカにされてない時にも出現するんです、これ言う人に言いたいことがコチラ。

介護職をナメるな

僕は自分なりに必死で介護の仕事をしてきたし、しているし、これからもして行きます。なんて言うのかな…甘ったれた人が他力本願で収入増やしたがってるとか 腹が立つんですよね。

番外編・放送の問題

これこそ個別にガッツリ記事作る予定なんですが、せっかくなので少しだけ。

 

どことは言いませんけど大したコンテンツも作れないくせにスマホからも受信料を取ろうとしているあそこの話。あのですね、介護現場の事を広めようというのは結構なんです。でもね、それを信者集めに使うのやめて下さい。政治的な目的で介護を取り上げるのやめて下さい。障害分野にも同じことが言えるんですが、あなた達の番組って民放以上に作りすぎてますよ?北の放送をバカにできませんよ。

 

もう少し番組の作り方に気を付けて下さい。確かに真実を伝えているのですが、同じくらい誤解を生む原因にもなっています。

 

テレビレス手当とか出そうかな。家にテレビ置かない職員に毎月1万円くらい。受信料払わなくて済む上に手当出るなら僕はすぐテレビ捨てますけどね(笑)

 

はい、ごめんなさい

脱線の極みですよねそうですね。でも反省はしていません。

 

気付いて欲しいのはそれぞれの立場で考えなくてはいけない事は違い、また相手の立場で考えた上で自分の意見をまとめ、それから文句にしてくれよと言う事。何も考えず国が悪いやら事業所が悪いやら職員が悪いなんて言うのは簡単です。でも簡単な事ばっかやってるから誰にも響かないんです。

 

ちょっと伝わりにくいですかね?怪獣ズの相手しながらだから自分でもまとめきれてません(笑)

 

明日はお遊戯会なので、仕事は完全に忘れてパパ業務に励んできます。ではまた!

 

どうでもいい事なんですが…

レイアウトを変更しました、中の人です。

 

旬のネタを投下してしまったため閲覧が増え、改めて読み返してみたところ

 

読 み に く い

 

という事に気付いたので…。

正直、今までレイアウトとかに拘りなんてなかったんです。

でも多数の人が閲覧してくれている以上、それじゃイカンなと。

なのでとりあえず見やすそうなレイアウトをインストしました。

来週さえ乗り切れば少し余裕ができますので、記事を増やして少しでも誰かの役に立てれば幸いです。

 

 

さしこ

かしこ

介護ブラックを知ろう!該当したら転職するべき?

こんにちは、介護の中の人です。

なにやら見たことのないアクセスがついてて困惑しております。

介護福祉士の処遇改善8万円は可能なのか? - 介護とか介護じゃない事とかの独り言ブログ

ショボブログなので閲覧つく事態が珍しいんですが…お金に直結する話題だから興味の引き方が普段の比ではないのでしょう。なのでとりあえず下書きから一つ投下します。せっかく来て頂いてるのに記事が少なくてつまらない思いをさせるのもアレですし…

 

という事でみんな大好き介護ブラックです。介護業界のブラック企業ってどれ位あるんでしょう?僕も統計を取った訳じゃないので(というか取れない)詳細はわかりませんが、大小問わなければ半数はブラックですよねきっと。もちろんうちはホワイトですよ!

それでは行きましょう!

 

 

介護ホワイトってどんなの?

そもそも介護ホワイトなどという言葉があるかすら知りませんが(笑)ざっくり思い浮かぶのは以下の企業ではないでしょうか?

 

  • 残業が無い、もしくは短時間であり残業分は貰える。
  • しっかりボーナスが出る
  • 処遇改善手当が妥当な額貰える
  • 休日がしっかり取れる
  • 施設や設備の整備がされている

 

こんな所じゃないでしょうか?というか、本来これが当たり前なんですよ。電通じゃあるまいし介護事業所ってシフトやなんかでうまく回せば変な残業をしなくても仕事終わるんですよ。利益だってちゃんと出るし(出ないなら撤退すべき)。でもこの当たり前の事業所にみんな憧れる、それが介護業界の現実です。

 

介護ブラックってどんなの?

 

まず言っておきたいのは、程度の違いがあろうとブラックはブラックです。少しくらいならいいじゃない、という事業所側の怠慢を受け入れてはいけませんよね。ざっくり紹介します。

 

  • 毎日残業している。みなし残業を貰っているが、それ以上の残業がある。
  • 休みが週1しかない
  • ボーナス無い…だと…
  • 処遇改善手当が明らかに少ない

 

ネットなんかでよく見ますね…これらは割と介護あるあるなんです。あるあるすぎて事業所側も労働側もブラックだと認識してなかったりもします。さらにパワーアップした介護ブラックRXが以下になります。

 

  • 処遇改善手当がボーナス代わりであり、ボーナスが無くなった

残念ですがどうにもなりません、転職してください。

  • 有給を使わせてくれない ※違法

有給は権利です、会社の許可など必要ありません。また、本人から申し出があった以上は断ることができません。

  • 勤務時間は現場に出ているので休みの日に事務作業(無給)に出ている ※違法

第三者が見て業務量過剰と判断できる場合、残務だろうが何だろうが時間外を含め支給しなければ労働基準法違反となります。

  • 他の人の名前で出勤 ※違法

論外です、介護保険法・労働基準法の両方に違反します。

  • 夜勤→明け→早番 ※違法

コチラも労働基準法違反。夜勤後は退勤時間から24時間の空きが必要です。時間によっては夜勤→明け→日勤もアウト。

  • 辞めさせない ※違法

何が何でも辞めてください。これも有給同様に会社の許可など不要。また、就業規則で「退職の3か月前に申し出る事」とか寝言を言っている場合がありますがこれは無効。法的には1ヶ月前で問題ないです。

 

 

笑えない話なんですけど、ブラックRXもあるあるなんです。ちなみに僕も社畜だった時期があります、しかもブラックRXの会社で毎日すごい量のお酒を飲んでました、酔って自然に寝るまでストレスで寝れなかったですね。本当に金の無い会社で、銀行から借金してボーナス払ってましたよね。

ただ、僕の場合は明確な目的があったので何とか耐えられました。ですが問題なのは、その目的が無いのに耐えざるを得ない、言わば完全に弱者サイドに回ってしまっている方々です。コチラは後述します。

 

なぜブラック化するの?

 

これはそれぞれ解説が必要なので箇条書きは避けますね。

 

経営陣が私腹を肥やしたい

 

たぶんブラックで働いてる人は一番最初に思い浮かぶと思います。確かにこのような経営者は一定数居るんです。しかも通常の売上だけではないからどうしようもない。

 

例えば処遇改善です。処遇改善加算として得た報酬は、処遇改善以外には使えない事になっています。でもでも抜ける所は抜けるんです。社長の娘が現場兼務のサビ管だったとします。処遇改善手当というのは、処遇改善加算として得た金額を対象者の処遇改善のために支給した金額が上回らなければなりません。100万を回収した場合は101万支給すればいいわけで、他にルールはありません。つまりこのサビ管に90万、あとの11万を残りの皆さんに分配するというヤクザ屋さん的な支給方法でも、実質OKという事になってしまいます。

 

また、処遇改善をボーナスの代わりにしてしまうというのも極めて悪質と言えます…が、違法ではないのでどうにもできません。ボーナスの支給というのは義務ではないからです。違法ではないからこそ逆に質が悪いですよね。

 

経営が下手

 まず利益の出ない会社の特徴的なのは下のリンクからどうぞ。 

 

倒産に次ぐ倒産…介護業界も経営下手では生き残れない! - 介護とか介護じゃない事とかの独り言

 

経営が下手という事は、当然会社にお金が無いんですね。つまり出したくても出せない状況になってしまい、結果としてブラック化してしまうというものです。

 

こんな事を言うと現場の方々に怒られそうですが、経営者にとって法人(会社)の存続というのは最優先事項なんです。会社が無くなってしまうと、働いている人はもちろん利用者さんや家族さんにまで迷惑を掛けてしまう事になります。

 

勘違いしないで下さいね、擁護しているわけではありません。会社を残すためにブラック化していい法律なんてありませんので。ただ、ホワイト経営者なら黒字化した際にボーナス的なもので補填してくれたりしますがブラックにそれはありません。会社が大変で、みんなが大変。だからみんなで少しずつ我慢するんだ!的なジャイアンもびっくりな発言を平気でします。とかいいながら役員がしっかり配当貰ってたりするともう最悪ですよね(笑)

 

ちなみにですが、「うちの会社、経営が下手の部分に当てはまりすぎるw」なんて場合には今すぐ退職届を書きましょう。すぐ潰れそうならいいのですが、中途半端に在籍しているとアナタ自身の年齢が重なっていきます。そうなると、再就職が本当に面倒になります。手間とかじゃなく気持ちが。

 

ブラックから逃げよう!

 

当然こうなりますよね。まあ辞められる人はとっくに辞めているわけなんですが…辞めれる人と辞めれない人の違いって何でしょうか?

 

ブラックを辞められる人

 

単純に気持ちが強いから、と思われがちですがそうでもない人だってたくさん居ます。僕個人としてはざっくり二つに分けて考えています。

 

何も考えずに仕事を辞められる人

 

実家に住んでいるから、貯金はそこそこあるから、別に仕事なんて何でもいいから等、特に深く考えず転職できてしまう人の事ですね。コロコロと転職するようだとデメリットにもなりますが、実はそれなりのメリットも。若いうちに多くの企業を内部から見ておくというのは割とプラスになるんです。昭和じゃあるまいし転職が多いと社会人としてうんたらかんたらという時代でもありませんので、そこは変に意識しなくていいと思います。

もう一つデメリットとして退職金が挙げられますが、介護の仕事を30年続けたとして退職金なんてアテになりませんよ。一度計算してみる事をお勧めします、愕然としますよきっと。

 

自分の将来を真剣に考える人

 

この考え方ができる人は堅実な転職をしていると言っていいと思います。もっと自分に使えるお金が欲しい、子どもが産まれるから今の収入では厳しい、土日の休みが無く妻子のクレームが半端じゃない…こういったものを考えた時に急に悟るんですよね、なんでこんな所に居るんだろう?と。

 

日本人は我慢を美徳としますが、ちょっと向きが違うと思うんです。人にうんぬん施したがる前にまず自分の生活を安定させるべきなんですよ。その余裕があって初めて人に余裕を持って接する事ができる。ちゃんと将来を考え、悩み、理想や目標を持って自分からそれに近づいて行かないと。このような前向きな転職は非難されるべきではなく、むしろもっと積極的に推進していった方がいいんじゃないですかね?

 

ブラックを辞められない人

 

結構いますよね、ネットの掲示板とかTwitterとか見てると本当に多いなと感じます。いつもいつも文句ばかり言ってどうして辞めないんでしょう?

 

会社に言うのが怖い

 

怖いって言ったってたかが人間ですよ、熊と戦うわけでもないんです。どっちかというと精神的に疲れたくないんでしょう。でも危険です、退職の意思を伝える程度の事がストレスと感じる繊細な人が、ブラックで今後何年も働くんですか?それいつか潰れちゃいますよ?

 

人によっては怖いというのは分からなくもないですが、精神的にも健康でありたいと願うなら一時のストレスなんて我慢しましょう。じゃないとそれ以上のストレスが蓄積されていきますよ。

 

あと少し我慢すれば…

 

根拠があるならいいですが、これを言う人はほとんど根拠を持っていません。あと数年で嫌な上司が定年だとか、異動になるだろうとか。えっとですね、よく聞いてくださいね。

 

そんなのを上司にした会社が次に優秀な上司を置けるんですか?

 

無理じゃないかな~、というよりその数年が既に無駄じゃないかな~。5年も居れば管理者程度にはなれる世界なんですよ?もっと時間に貪欲になる事をお勧めします。

 

関わっている利用者さんに悪い

 

これよく言う人います。これって「私が辞めたらこの会社困る」と同じで、言ってる人はいいかもしれないけど聞いてる人は

 

(´^ω^`)ブフォwww

 

ってなるんです。どれだけ能力があって愛されてるつもりか分かりませんが、そんなものを理由にして文句ばかり言いながら働き続けるとか謎です。実際に能力があって愛されている人間ならば尚更ですよ、真の聖人か慢性的なドMかです。

 

自分は才能もないし他に行っても変わらないから…

 

自分の能力を勝手に語るのは結構ですし誰も文句は言いませんが、その評価は他人がするものです。会社が伸ばせなかっただけではないですか?本当は才能を持っているのに適材適所とならなかっただけではないんですか?

 

本当は自分に能力があるのだと気づかず延々とブラックに使われているだけかもしれないんです…なんてもったいない!うちに来て頑張るべきですもっと待遇のいい所でその才能を発揮し、自分だけではなく利用者さん、会社、ひいては社会に貢献しましょうよ!

 

慣れた仕事を辞めたくない

 

これ論外のレベルです。高校生かって。

本気でこの理由で仕事を続ける人っていうのは、もはや他人の声が聞こえません。会社の嫌な部分や自分のしんどい話をしている時は究極かまってちゃんタイム。僕が地球上で唯一相手にしない種類の人です。

 

待って、辞めるための記事になってる

 

ええ、そうですね(笑)なんか四方に話が散らかる前に締めます(笑)

 

本来であればブラックなんてものは根絶やしにしたい、それは誰でも思っている事です。でも現実的じゃないですよね。すぐ訴訟だの騒ぐ人っていますけど、その莫大な時間と労力と費用の事を考えると自分のメリットって薄いんです。長年ブラックで働いて、溜めに溜めて訴訟する人なんかも稀に居ますけど…道半ばで倒れてしまえば元も子も無いですし。

 

傷が浅いうちに転職しましょう、誰って自分の人生です。自分あっての家族の人生です。