ケアマネを受けてみる事になった、いや受けた

毎日すごく眠いのでそろそろ春なのかな?と勘違いしてる介護の中の人です。

 

実は今年、ケアマネ試験を受けてきました。理由は特になくてですね、ケアマネ達は「必死で勉強した自慢」が好きなので勉強せずに受けたら何点くらい取れるのかな?むしろ受かるだろと思う程度の気持ちで。全国のケアマネ目指してる皆さんすみません。

 

すみませんとか言っといてアレなんですが、今回はケアマネが一部ディスられる記事になります。興味の無い方やディスられたくないケアマネは戻るボタンをどうぞ(笑)

 

 

 

平成30年ケアマネ試験

試験日…10月14日(日)

発表    …12月4日(火)

()なんです、そうなんです。世間は日曜が休みなので日曜に試験をやるというのは問題ないです。問題なのは受ける意志がほとんど無いのに会社(施設)に受けさせられる人。本人のお金で大した使い道のない取得したいわけでもない資格を受けさせるのであれば、雇用側はせめて手当ての一つくらい出すようにしてくださいね。

 

ケアマネ試験の難易度

これは人によるとしか言いようがありません。ですが仮に僕と同じ条件(実務経験で介護福祉士を受験、介護福祉士取得+実務経験でケアマネ受験)に当てはめて言及するならば、ケアマネ試験は介護福祉士よりもハードルが低いと僕は考えています。

 

介護福祉士の試験と最も違うのは、自身の経験期間に対しての試験を受けるタイミングです。今はもう変わりましたが僕が介護福祉士を受けた当時は、たった3年の実務経験で受験ができました。たまに3年も働いてれば立派な戦力とか言う方も居ますが、現場的に戦力だとしても広義での介護知識なんてたかが知れてます。ズブズブの素人と言ってしまっても過言ではありません。そんな状態で試験勉強を始めてみると、まず概論で心が折られます。他にも医療一般とか頑張らなきゃいけないものが多くあるのに一歩目でもう疲れてるんですね。しかも試験範囲というのは無駄に広い。ただし回答形態がマークシート式五肢択一なのは難易度を下げている所です。ケアマネは複択ですしね。

 

話を戻してケアマネを受験するには介護福祉士取得から更に5年の実務経験が必要となります。介護福祉士を持って5年も働いていればサ責やら管理者やらになってケアマネと関わる仕事が増えますね。つまり自分の仕事、その周囲にしっかりと興味を持って取り組んでいれば、勉強しなければならない範囲などそれほど大きくありません。そういった意味で僕はケアマネ試験は難しくないと言うんですが…これを言うとケアマネが顔真っ赤にしてプンスカしてくるんです。話の要点を拾えてないという事になりますよね、この時点でケアマネ向いてな[不適切な表現のため自主規制]

 

受験申し込み

5月~6月頃ですかね、申し込みが始まります。これはネットなんかで調べなければわかりません。コンビニにポスターくらい貼るべきなんですが、ほんとにケアマネ不足してるって意識あるんですかね?

ちなみに手数料で7700円振り込みます。あらやだお安いじゃないの!しかも試験場所はお隣の町だから朝マイカーで行って受けれるじゃないの!介護福祉士の時なんて泊まりで行ってなんやかんやで10万円くらいかかったのでこれはお得感(?)あります。

ところがですね…申し込み時に住所氏名書く回数が多いんです。あれ?カーローンの契約でもしてるのかな?と思うほど。ふと見ると受験票と書いてあります。

 

                 えっ?

 

そうです、自分宛のハガキを書き、自分の受ける会場を指定するんです。後日その受験票には受験番号がポンッと押され自宅に届きます。

「ねえなんか受験票届いてるよ。こういうのもっと字が綺麗な人が書くよね普通w

妻に今まで言われた事の中で一番恥ずかしかったです(笑)穴がなくても掘って入りたかった。

いざ受験!

さあ、いろいろぶっ飛ばして試験日です。試験中は鉛筆、消しゴム、受験票以外のものは机に出していてはいけません。ちなみにこの鉛筆、他の試験も同様ですがなるべく高性能なものを使いましょう。芯は中心にあるか、重心に偏りがないか、軽過ぎないかを事前にチェックします。これを怠ると、どうしてもわからない問題で鉛筆を転がした際に正答をみちび[不適切な表現のため自主規制]

試験時間は90分、開始から30分経過すれば退室できます。が、問題の冊子は試験終了時刻まで貰うことが出来ません。解答速報なんて出す業者さん達がやりすぎた結果でしょう、これは完全に業者が悪いです。ケアマネの合格率って23年度以降20%を切り続けて(昨年は21.5%でした、後述します)いるぐらいですよ、解答予想が速く出たところでそのぶん早くガッカリする人が増えるだけでしょうに。

試験の内容

昔は一定の資格があれば医療問題免除、介護問題免除とありましたが現在は免除というのはありません。ここからは試験の感想的になります。

ちなみに問題は大きく医療、介護的な分け方がされているんですが、自分で勉強して受験する人はこれあまり意識しない方がいいかもしれません。介護福祉士の問題の分け方とは根本的に違うので。なので僕も違う分け方でお送りします。

直接関わった事の無い分野からの問題

やっぱりネックはここです。いざ問題を見てわかったのですが、なるほど勉強しないと受からないと言いたくなる気持ちが多少わかりました。たぶん普通に介護職員として働いていればこれは厳しい。自分の周囲の制度やら何やらに多少の興味がある程度ではここをクリアするのは難しいかもしれません、何しろこれ介護だけじゃないんです。

ケアマネの業務には一定の書類作成や申請の代行というものがありますが、このあたりに関わる問題は勉強してない介護組は全滅に等しいかもしれませんね。他にも老健の人員基準とか。初見では割と意外な角度からの問題だなとか思ったんですがよくよく考えたらそうでもないですよね、自分が在宅特化だからどうしてもケアマネ=居宅という固定観念を持ってしまっていたようです。

医療関係(病気や周辺症状等)の問題

基本的には大きめの施設勤務経験があれば行けるかなと思います、ここのレベルは介護福祉士試験と同程度でした。認知症ごとの特徴や、服用してる方が比較的多い薬、同じく多く見られる病気に対する知識がある程度あれば迷う問題はいくつも無いでしょう。できればバイタル関係の知識も入れておけばここで落とすということは間違いなくありません。まあね、専門職でもないのに専門性の高い問題出しても意味ありませんからね。

介護に関する問題

寝てても解けます、いや寝てたら問題読めませんが。施設や事業所の基準なんかの問題がちらほらしますが、解答しなくても大丈夫なんじゃないかって程度にトータルでは簡単です。介護福祉士取得があまりにも過去でなければ警戒せずに受験して大丈夫です。

試験全体を通して

なんというか…難しいのかなこれ…?といった感じです。いや難しいと言えば難しかったんですが、こんなサラッと終わるものかなと懐疑的になるというか。ただ、声を大にして難しい難しいと言うものではないです、それだけは間違いない。勉強してて落ちるのであれば勉強方法自体に問題がある気がします。丸暗記しようとするとたぶん厳しいのではないかなと。

試験以外のあれこれ

文字数を埋めるため内容をしっかりさせるために少し脱線した話もしてみましょう。

昨年の合格率急増について

ケアマネ試験と言えば最低合格率が13%(28年度)ほどだった年もあり、非常に高難易度というイメージが定着しております。が、前述の通り昨年は急に20%を超えてきていますね。これは今年(30年度)から無資格者の介護業務従事期間10年という受験要件が外されることになったからです。

いわゆる駆け込み状態で、昨年を最後にしばらくケアマネ試験を受けられないという人が多かったのでしょう。一生懸命に勉強して受験した人が多かったはずです。

ちなみに今年の受験者数は劇的に少ないどころか過去最低を記録しています。昨年の受験者数は13万人規模であったのに対し、今年は5万6千人程度。そのぶん、本当に資格取得を目指して受験する人は割合として増えていると思いますので合格率だけ見れば昨年程度にはあるのではないかと思っていますが。

そんなにケアマネになりたいの?

なりたいんじゃないでしょうか?介護施設なんかに従事するとわかると思いますが、介護福祉士のみで勤続していても正直言って将来が見えないと思う事があるはず。自分の収入を増やしたい、偉そうなお局様相手にマウント取りたい、などと考えると一番近道に見えるのがケアマネなんです。

ここで重要なのは、ケアマネを取得する理由としてちょっとどうなの?という所。上記のような理由でケアマネになってもあまり大成しないと僕は思っています。逆に明確にやりたいことがあってケアマネになったケアマネというのは、やはり少し違いますね。

ちなみに今後のケアマネの受験者数については来年予定の介護職員処遇改善8万円がどうなるかの影響が計り知れません。その処遇改善がまともに支給された場合、ケアマネより遥かに高い給料を介護職員がもらう事になります。それならケアマネなんて持ってない方がいいんですよね、持ってるとやらされちゃうので。とまあ他人事みたいに言っていますがこの流れは見ていて楽しい反面、ケアマネ辞めるって人が出なきゃいいなとハラハラもしています。

試験に受かったら

あ、やっと脱線が終わりましたね失礼しました。さて、ケアマネは試験に受かって終わりではないんです。実務研修というのを受けなければならないのですが、なんとそれが15日間!計105時間という驚異の長さ。そんなに続けたらスキンケアの効果も実感できてしまうレベルです。最近この手の実務研修などは総じてカリキュラムの増加が顕著であり、日々業務の大きな妨げとなっている所であります。狙いとしてはケアマネの質の向上みたいな事を言っているかと思いますが、対人教育をした事がないのでしょうか?ケアマネの質は研修や講習では向上しません。もっと言ってしまえば、何をやったから向上するという事もありません。向上していくのはもともと自己研鑽に長けている一握りの人なんです、それをだらだら研修カリキュラムを伸ばしたからみんなが伸びると本気で思っているのでしょうか?本当は思ってないですよねわかってるなら税金を返せ

それからこの研修、マネーがかかります。各都道府県で微妙に違うのですが、5万円ちょっと。なんだ、全然お得感なかったですね。結局は利権なんですよ、お金。こりゃ廃れますよね。

実務研修が終わったら

え?受けちゃうんですか?すごいな、それが終わったらもうケアマネは目の前です。追い打ちで2000円くらいお布施してケアマネとしての登録を済ませたら晴れてあなたはケアマネです。どちらかというと施設ケアマネをおすすめしますよ、居宅ケアマネには施設介護以上に人権ありませんので。

ケアマネという資格をどのように使うにしても、決して半端なお仕事はしないように心がけてください。ケアプランは自分の言葉でわかりやすく丁寧ならいいんです。気を付けるべきは利用者さんやご家族、サービス事業所の誰が見ても過不足の無い中身である事。なんか研修やらなんやらに行くとこういった書き方をしなさいとか言うんですが、最近それがブレブレなんです。今推奨されているケアプランの作成方法を真に受けると誰が見てもやや情報不足となる仕様となります。言葉の響き、文面の字面ばかり気にするせいです。専門性というのは聞こえのいい文章で本質をボカすことではないのですよ、それは字書きのプロであってケアマネとしてはプロではないと思います。はっきり言って数年前のケアプランの方が高質だったと思いますよ僕は。

とにかく流されすぎない程度に頑張ってください。

さいごに

ケアマネージャーじゃなく正式にはケアマネジャーだよ!とかいうレベルの低いケアマネにはならないようにしましょう。こんな低レベルな会話でマウント取ろうとするから介護はバカにされるんです。そんなん言ったらマネジャーって発音おかしいだろマァネィジャーだろってなります。よそ様の国の言葉を勝手に変な発音してそれが正式だとか恥ずかしいにも程がある。そもそもカタカナ語なんてやめるべきなんですよ、カタカナ禁止にすればいいのに。そうすれば日本人の恥ずかしい発音も少しは良くなっていくと思いますよ、カタカナが英会話を邪魔しているというのは少なからずあるはず。小さいころから英単語は英単語として発音してれば日本人も少しは海外との交流ができると思うんですけどね。

まあ英語の話はどうでもいいですが。僕は記念受験的なものなので実務研修には参加しませんが、中身は非常に気になっています。研修の中身をコッショリ教えてくれる天使のような方がもし存在したらぜひ教えて頂きたいですね。

福祉用具上限価格制開始!予想を裏切ってダメじゃんこれ!

長らくの放置から帰還しました、介護の中の人です。

 

放置って言っちゃダメですね…一応お仕事に忙殺されて更新できなかったので…ともかく無事に再開できる事になりました、ひゃっほい。

 

さて、ここ数ヶ月に渡って僕から貴重な「時間」を奪いまくった福祉用具貸与の上限価格制開始についてぶつぶつ文句を書いていきたいと思います。いつもであれば制度もアレだけどもっとアレなのは事業所などと言っている僕ですが、今回は制度へのダメ出しとなります。例によって自治体その他で対応は違ってくる部分がありますので、大事な部分は記事を鵜呑みにせず都道府県各部署への問い合わせをお願いしますね。

H30.10福祉用具貸与上限価格制開始

ついに始まりました。こちらの上限価格制の案が出た時、僕は珍しく褒めまくっていたと記憶しています。おそらく改正の記事で触れていたと思いますが、これ素晴らしいじゃないですか。福祉用具って暴利屋の巣窟みたいな部分があったので、この制度が始まれば利用者さんは適正な価格で福祉用具をレンタルできるようになると思ってました。思ってました。蓋を開けてみれば何も協議された形跡の無い手抜き制度今一つ惜しい内容でしたが。とりあえず今回の上限価格制の要点は、

  • 全国平均貸与額の公開
  • 貸与上限価格の設定
  • 上記に伴った用具選定時の小変更

が挙げられます。それぞれ見てみましょう。

全国平均貸与額の公開

月の利用実績100件以上のものを対象に、全国平均貸与額を公開しております。また、この平均額は我々が利用者さんに商品提案を行う際に説明をする必要があります。

メリットとして、利用者さんがレンタルする(もしくは既にレンタルしている)用具の価格が高いのか安いのかの判断材料となります。今まで車いすを600円で借りていたけど、これって高いのか安いのかわからないといった方も居たことでしょう。

ところが、です。このメリットは同時にデメリットともなり得ます。田舎の小さな事業所など、利用総数がさほど大きくないけれど福祉用具貸与は継続しなければならないような所で事件は起きるんですね。

中の人「この車いすが500単位になりますね」

新規さん「この全国平均だと300単位になってるけど?」

中の人「すみません、うちは仕入れの関係で500からは下げられないんです」

新規さん「そう言って儲けてんだろ?税金事業はいいもんだな

中の人「あべし」

こんな会話が繰り広げられる可能性が無いと誰が言えるのでしょうか…ほんともうこれだけが怖いです。平和に済ませられるよう、回避策を練っておく必要がありますね。

貸与上限価格の設定

これはまあ骨子としては素晴らしいんですが、やっぱり投げてる感がすごいんですよね…途中でめんどくさくなったんだろうなと思うレベル。

メリットは当然、荒稼ぎしたがる悪徳事業所の抑止力となり得るかなといった所。これも提案時に説明しなければなりませんので、利用者さんは全国平均・上限価格・貸与価格の3つの情報を得る事ができます。

デメリットっていうのは無いんですが、まあせっかくなんで文句でも書いてみます。前述の全国平均額とこちらの上限価格は月の利用実績100件以上福祉用具を対象としているとの事です。その対象数は驚きの2,807商品!少なっ!なぜこうも詰め切れないのか…アス〇ルとか見習えと思ってしまいますが。

これねえ、抜け道を用意してあげてるようなものなんです。古くてもうどこも使ってないような福祉用具なんか補修して貸し出しちゃえば対象外じゃないですか。マットレスとかはカバーの関係で出来ないでしょうけど、車いすとか歩行器なんかできちゃうじゃない。車いすのフレームが溶接個所から裂けるの見た事ありません?あれは溶接が不適切だから溶接そのものによって強度が落ちて起こる現象なんです。そんな程度の商品ならいくらでもリサイクルできちゃうでしょうに何を考えてるんだか。ちなみにうちでレンタルしてる物の中にも数点ありましたよ、対象外。本気で探せば幾らでも出てきそうなもんですねえ。

上記に伴った用具選定時の小変更

めんどくさい言葉で書きたくなったからこのような字面ですが、要するにまた増えるんです。紙が。世の男性は髪が不足して途方に暮れているのに介護保険は紙の無駄遣いをやめるどころかどんどん助長します。ほんと全力でエコの取り組みに逆走する業界です。

ふくせんの様式を例にしますが、これまで福祉用具貸与時には利用者基本情報、福祉用具サービス計画書の2つの書類を作成していました。これを作れという割に更新期間は明示されておりません、ブレる事の無い介護保険クオリティ。今回はそこに、選定提案なるものが追加されました。それがコチラ。

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TAIS記入欄があるから一覧表からデータ引っ張りやすいと思ったのもつかの間、やつらから届いた一覧表(TAIS、平均価格、上限価格等)から引っ張ると商品名が長くて何かわからなかったり、マットレスが91幅も83幅も同TAISなのに一覧には91幅と書かれているからいちいち訂正しなければいけなかったりとめちゃくちゃ。上がサボれば下が地獄見るのはどの分野においても同一であります。まあどのみち一覧表は無駄な情報量なので自分でリストは作りましたが、更新めんどくさいなあ。

あともうひとつ、地域ごとに違いあるはずですが一応書いておきます。先日この説明会なるもの(主催等は伏せますが)に参加したんですが、そのなかで紹介されていた事です。この提案時なのですが、ふくせんや他の説明において「機能や価格の異なる商品の提案」となっていますよね?ところがこの説明会で言われたのは、「同一の機能で価格の異なるものを提案・記載してください」というもの。さすがに質問しましたが、やはり回答は同じでした。

あまりにも呆れてしまうのですが、メーカーが違うだけで全く同一の機能の福祉用具を違う単位で貸し出しているおバカはいるんでしょうか?もしくはそれが普通だと思うほど主催はおバカなんでしょうか?提案する、選択して頂くというのはそういった意味なのでしょうか?この件は疑問符が増える一方なのですが、もはや会話をする気にもならなかったのでそれ以上はツッコみませんでした。

ちょこちょこ出てくる問題点

期待を裏切らず問題点がてんこ盛りです。シャッター閉める事業所は必ず出てきます。

適用範囲

これは気になりますよね、書類の適用範囲です。H30.10以降の新規からなのか、それ以前から利用されている方にも説明が必要なのか。県に問い合わせた結果が以下になります。

県庁「貸与価格が適正かどうか利用者が判断できるようにという書類になりますので、既存の利用者についても説明と説明を受け同意したという文書が必要になります」

これです、この作業が僕からブログを書くという時間すら奪い去った元凶。いくら小さい事業所とは言え利用人数はそれなりなんです。うちしかやってないもの。その全員だそうです、その瞬間、今年の僕に秋は無いなと悟りました。ただでもこの時期は子供の行事やら町内のアレとかコレで忙しいというのに…。

ちなみにこれを読んで「えっ!やばい作らないと!」とはならないでください。いつも言いますが、このあたりの判断は都道府県に必ず問い合わせてください。うちが必要と言われただけで、他県も必要という事ではありません。既存に関しては計画書更新の際で大丈夫ですよ、と言ってくれる非常に有能な所も必ずあるはずです。

福祉用具貸与価格の不必要な低下

これ当然なんですが、なんなら毎年下がる勢いです。上限価格については「全国平均貸与価格+1標準偏差」で計算され、正規分布の場合、高い値段をつけた上位約16%がうんたらかんたら…」だそうです。要するになんとなく決めた向こう基準の計算はあったのでしょう。新商品に関しては3か月おきに追加、既存商品については毎年見直しだそうです。

えっ?

これ毎年見直すとか狂気としか思えない。当社の例で紹介します。

〇〇社の純金製車いすの上限価格が1000円だった。当社では1200円で貸与していたので、これは貸与価格を見直さなければならない。会社を経営していれば当然、最低限の利益率というのを考える、当社の限界は900円という結論に至った。ところがこの純金製車いすは大変人気で貸与実績が多く、いきなり900円にしては収益が危ない。だが1000円ちょうどにすると来年また上限価格が下がり、その際の上限価格が1000円を切っていれば説明をして回らなければいけない。仕方がない、多少の痛み(損失)は耐えなければいけないようなので950円に変更しよう。そして1年後…

厚労省今年の上限価格は949単位やで

これ。本気で怖いですこれ。こんなんなったらすぐ事業所閉めるかもしれない。こんなのが3年もすれば劇的な貸与価格になってますよねきっと。そうなったらもう大手でなんとか頑張ってください、さすがに頑張れません(気持ちが)。

福祉用具貸与サービス全体の質の低下

 業界内ではこれを懸念する声が最大かもしれません。これまでも福祉用具貸与事業というのは、常識的な範囲で価格設定をしてホワイトに運営している事業所の場合まず採算が合わない事業でした。福祉用具専属で正規社員を置き、その社員たちを有益な研修等へ積極的に参加させ、ケアプランに沿って利用者さんの残存能力をできる限り活かした福祉用具を選定し、それらのモニタリングを実施する。その労力に見合った給与を出すとなると、まあ利益は薄いです。当地域クラスの田舎であれば、併設事業があるなら福祉用具のスタッフというのは中心者を除き(専門性を若干犠牲にしてでも)兼務で済ませたいレベルなのです。

そこに来て今回の収益減、業務負担量は無駄に増える状況。多少でもブラック寄りの事業所が考える事は知れています。適切ではない利益率優先の用具提案、スタッフの研修等の減少、結果として更に用具の選定が適切でなくなるといったところでしょうか。このあたりは完全に事業所の努力が求められるのですが、その努力をする事業所ばかりなら最初からこんな上限価格制なんてならないという。いやはや。

チェックの目的喪失

これ正確には上と同じく質の低下に含まれるものです。業務量が限界になってくると、人間は良くない方向に頭が回るようになります。例としては、訪問してモニタリングやらする時間がないという理由で書類を偽造し始めます。チェックした記録があれば実地指導はセーフ程度の考えですね。いやそれセーフじゃないんですけどね。立派なアウト。

これは間違いなく増加するんじゃないかなと思っています。これまで真面目に取り組んできた事業所もこんなの始める可能性が多分にありますよね。中の人個人としては、この状況はある程度制度が悪さしていると思います。もちろんそんなことをする事業所が一番の悪ではあるのですが、そもそも紙仕事を無駄に増やす制度というのも原因の一端。介護事業に広く関わっていればわかる通り、「必須である」と感じる書類のなんと少ない事か。記載についても良く分からない理想論でへんてこなサービス計画書を作成させ(主に居宅、障害分野もですね)、全く現実味が無い。文章の響き的な恰好ばかりを気にして作成するケアプランの何が「専門性」なのか、何が「質の高いプラン」なのか。これは海よりも深く反省するべきであって…ん?その話ではない?失礼しました。

ともかく、チェックというものの本質が怪しくなってくるんです。モニタリングであれば各用具の不具合がないか、快適に使用できているか確認するのが本来のチェック。ところがここで問題にしているのはチェックボックスにチェックをする事が目的になりかねないという事なんです。

今後について

前述の通り新商品は3か月おきに追加、既存商品は年1回見直しというのが基本姿勢のようです。また、一度掲載された商品はその後に平均貸与数が100を割っても削除はしないとの事。よほど魅力のある商品でなければ新商品導入はこの年1回の更新時まで採用したくないなぁ…というのが中の人の正直な意見。こういった事務作業をちまちまやりたくない(まとめてもやりたくありませんが)もので、どうしてもそういった穿った考えに落ちてしまいますね。というより、そもそも僕自身が福祉用具貸与の中心者ではないですし…単位絡むからやっただけで…もうやりたく(ゴニョゴニョ

気を付けたいのはこれら業務増によって今後はこれまで以上に実地が危なくなってくる事も容易に予想ができますし、なんなら各解釈を正しく読み取っておらず真面目にやってきたのに指導対象となる危険も十分にあります。業務がきつくなるのは目先だけではないという事です、早めに情報収集をして適切なサービス提供と書類管理をする必要がありますね。

 

ところで、こういった紙媒体に関して介護保険側でもっと真剣に考えて下さいまじで。増やしすぎ、保存期間も基準では2年ですが結局は5年保管。もうね、物置がいっぱいなんですよね。おまけに個人情報の塊なので燃えるゴミにただ突っ込むわけにはいきません。はっきり言って事業所の努力だけでは厳しい部分もありますので、はやく電子カルテ導入の補助費をよこせ事業所の努力を後押しする何らかの手を講じるべき時期かもしれませんね。それ会社だけでやるとみんなのボーナスがひどい事になるからできないんで。なにとぞです。

介護の難問…きれいごとだけでは人の助けになれない

お久しぶりです、介護の中の人です。

前回記事からとんでもなく時間が経ってしまいました…なにやら新規ラッシュのおかげで事業拡大をする事になり。また不思議な仕事が増えております。有難い事なんですがタイミングってものがあるでしょうに。

さて、ちょっと縁あってこんなタイトルになりました。今回は割と真面目な内容であり、どのような価値観であっても一度は真剣に考えて頂きたいものであります。

 

友人からの相談

もう10年も前になるでしょうか、僕の全力の反対を押し切って介護業界に飛び込んできた友人がいます。彼は意外にも介護職を継続し、現在は施設の相談員として勤務しております。

そんな彼から珍しく飲みのお誘い。何の深読みもせず参戦したのですが、この時の相談が強烈でした。

ナースコールって外していいの?ダメなの?

突然の質問にダメだろ、とまあ一蹴したものの話に続きがある模様。どうやら施設の若い子(Aちゃんとでもします)が夜勤中にナースコールを外していたと。戻すのを忘れていたら日勤者が気付き上長に報告したというありきたりな掴みなのですが、問題はそこではありませんでした。

ちなみにこの施設、規模は小さく一人夜勤との事。

一時的にらしいんだよね

だからダメだろ、と再度ぶった切ったものの更に続きがある模様。ちょうど状態の思わしくない利用者さん(Bさん)がいたのだそうです。さらに自力で起き上がってきて施設内を徘徊するCさんが活発に歩いている。Cさんは他利用者さんの居室に入ったり、施設から出ようとしたり、時にはキッチンや風呂場で何かしてしまう事もある。そんな状況なのに昼夜問わず内容のないナースコールを鳴らす常習者である寝たきりのDさんも本気を出し始めた。このカオス極まりない状況、施設勤務経験者ならおわかり頂けることでしょう。

そしてこのDさん、コール対応では何を言ってもダメだそうです。だからと言って訪室してもナースコールは連打するようですが。

それぞれの思い

Aちゃんの主張

Cさんが歩き出している以上、そちらの対応が最重要と考えた。Bさんの状態も気になるけど自分は医者ではないから様子観察と連絡が限界だし、同じくらい観察が必要だけどどちらかというとCさんに目を配るしかない。

それだけでも朝の準備が進まないのに、Dさんがナースコールを連打する。コールが鳴るだけならばいいが、起床して本当に用があってナースコールを鳴らす人のコールが取れなくなる。何度も夜勤をしているが、こんなにバタバタした事はない。とてもじゃないけど対応できないと思って朝準備の1時間だけと思い外してしまい、しかも戻すのを忘れた。

報告した人の主張

ナースコールを外すのはありえない。これは虐待にあたる事なので、上司から厳しく言って今後やめさせてほしい。私は一度も外したことがない、こんなことでナースコールを外すのはプロとは言えない。

友人の見解

正直これはわからない。理想論で話をするのならAちゃんは間違っているのだろう。ところが夜勤者の朝は本当に修羅場であり、そのうえ要観察者が2名いた。これを一概に悪いとしていいものかわからない。ちょっと意見が聞きたい。

僕も少し考えてみた

Aちゃんについて

この話を完全に信じる前提ではありますが、僕はこの子を悪とする事ができません。要観察者が2人おり、しかも生命の危機に陥る可能性があるのはむしろBさんの方ですよね。友人の話ではキッチンや風呂場で何かする事もあるようですので、怪我や火傷の可能性はいくらでも考えられます。まずこの判断ができているという事。

一つだけ言うならば、ナースコールの子機が1台だけという事もないでしょう。Dさんの対応中に他のコールが鳴ったならば別の子機での対応をしようと思えばできなくはありません。1台しかなかったらごめんなさい。

報告者について

この人は恐らく真剣に良くない事だと考えた上で報告しているのだと思います。ところが考え方が凝り固まりすぎと感じるのも一つです。報告自体が悪いのではなく、そこに至る考え方が危険極まりない気がします。

また、この人が偶然にも楽な日の夜勤にしか当たってない可能性だってあります。仮に上記のような修羅場に当たった場合、どのような対応をもってプロの仕事としているのかには非常に興味があるところです。

この話の難しさ

身体拘束なんかにも言える事なのですが、本人から自由を奪う=悪という風潮は早計すぎやしないかと思うのです。特別な理由もなく拘束しているのならともかく、本当に本人の生命を守るために止むを得ず行っている場合もある訳で。

それを踏まえたうえで、介護職員というのはどうもこれが正しいのだ理想論を叫ぶ事が正義みたいな人が多い気がしますね。後述しますが、対人間との関わりにおいて絶対的な正解などというものは存在するのでしょうか?まあしませんよ、存在すると思っている人は介護素人にすらなれていませんよね。

絶対という幻想

介護職員としてプロを名乗るのであれば、最低限これを無くして欲しいのです。業務の手順だったりハイターを何ミリ入れるとかだったり、そういったものはどうぞ確定して周知してください。このようにすると決めて下さい。

ところがこの話のような場面でこのようにしなさい、これがプロの姿ですというのはあまりにも滑稽であり、むしろ素人感が出てしまいます。報告した人には申し訳ないですが、報告そのものは良いとしても自身の意見がまるで幼稚と言わざるを得ません。これはチームで考えなければいけない案件でしょう、それを自分が正義と言わんばかりにぶった切るのはいただけません。まあ仕事ができなくはないですが上司には向かないタイプと思われてしまいますよ。

って報告者のダメ出しになっとる。

安定の脱線

の予感がするので早めにまとめましょう(笑)だらだら書くと説教臭い内容になりそうですしね、これはぜひ皆さんに考えてほしいものなので余計な事を書く前に撤収です。

さらに今回の話についてははあまり善悪で語りたくないので、突っ込んだ書き方は控えます。とりあえず友人には

別に処分が必要なものじゃないと思う。ただ他に方法はなかったのか、同様の状況だった場合に他のスタッフならどう対応したのかは話し合う必要があるのでは。対応方法を決めるというより、セクションで意見を出し合って何かのヒントになればラッキー程度で。

と伝えてありますので、それを僕の意見とさせて頂きます。ついでに

その子たぶん辞めるからうちに呼びたい、うちでなら成長する

と言ったらやっぱり叩かれました。

ではまた!

実地指導が来てしまう!

釣りに行きたいな…介護の中の人です。

そろそろ実地指導が来そうなんですよ。いつでも来いやという気持ちではいますが、できれば来てほしくないですよね(笑)という事で、今回は実地指導についてあれこれ書いてみます。但し鵜呑みは厳禁!自治体によっては独自ルールというのがありますので、一番安全なのはやはり地元の実地指導慣れした人の意見です。ネット情報では対応しきれないという事を前提に考えましょう。

 

実地指導の概要

何をしに来るのか?

ざっくり言うと書類チェックです。運営指導、報酬請求指導の2つに大別されますが、運営指導というのはケアプランとサービス計画、サービス実施記録等を基に個別的なケアをプランに則って提供しているか的な云々の確認や虐待・身体拘束についてのチェックがあります。報酬請求指導では広義で請求に必要な書類が揃っているか、その中身に問題は無いかをチェック。また、管理者等から直接話を聞きながらのものとなります。これは居宅とその他在宅事業でかなりウェイト違うとは思いますが、気を付けるポイントは似たようなもんです。

どれくらいのペースで来るのか?

これは各自治体で様々なので一概には言えません。当県では新規事業所は開設から2~3年後、継続事業所は前回指導から5~7年と言われていますが、これだって来ない時もあります。やはり指導対象が重なる年もありますのでスケジュール的に厳しい時もあるのでしょう。決して雑な自治体というわけではないと思っています、そう書いておきます。

監査とは違うのか?

違います。実際の中身や場の空気とかは別として、実地指導っていうのは「詳しい人が現物の書類を使って一緒にチェックをしたり助言をしますよ」というもの。言ってみればコンサルティングに近いスタンスであると言えます。ですので、虐待疑いの場合を除き2~4週間前には〇月〇日の〇時に〇人で伺いますといった通達が書面で送付されます。

しかしながら監査というのは基本的に「ダメな証拠を押さえに来る」と言ってもいいほどのもの。実地指導やヘビーな通報によって「あそこアカンやろ」となった場合に起こるレアイベントなんですね。実地指導には予告がありますが、監査は急に来ます。いつも通り仕事に来て、いつも通り仕事をしているとスーツ軍団が訪問するんですね。その特異な空気を感じた途端に事業所の終わりを感じるため、パートのおばちゃん達がざわざわします。

準備するもの

これも自治体によるかもしれませんが、うちは上記の書面到着後も電話等でのやりとりがあります。その際に、〇〇なケースの方の書類をどれくらい用意しておいてください的な連絡があるんです。よっぽど指導員の人数を動員できる自治体でない限りはこのパターンかなと思います。以下は間違いなく揃えておきたい書類になります。

利用者ファイル

呼び方は事業所で様々でしょうが、いろいろ挟んでるアレです。この中にまとめられている書類はほぼチェック対象となりますが、チェックするファイルそのものがある程度選定されます。利用人数が少数の場合はフルチェックも充分あり得ます。

  • 加算請求対象者(主に初回加算)
  • 新規利用者
  • 改定を挟んだ利用者
  • 2割、3割負担

この辺りを欲しがります。加算請求対象者というのは、処遇改善加算のような常時算定の加算よりも単発で発生する加算が重点的に見られます。訪問介護の初回加算ですと加算請求そのもの、サ責の初回訪問実績があるかのチェックがあるといった具合です。

改定を挟んだ利用者さんの場合は通常の契約書や重説の他に、料金変更に関する通知の記録等が必要となります。ツッコミ回避のため、できれば通知ではなく同意書の形で捺印を貰っておいた方が良いです。

負担割合は本当に注意してください。最近の大手介護ソフトを導入していない、しているけど請求業務には使っていないといった事業所は必ずです。心配ならこれまでの請求も確認してみましょう。2割負担というのは、1割負担の倍ではありません、あくまでも2割負担です。ここを理解していないと利用者請求に1円の誤差が生じる事があります。訪問入浴が説明しやすいのですが、1234単位時に処遇改善加算(Ⅰ)で請求していた場合、1割負担で月8回利用の利用者請求は10,445、2割負担で月4回利用の利用者請求は10,444となります。訪問介護なんか単位多いし大変ですが、不安なようなら一度確認してみましょう。

また、ファイルの中身については

  • ケアプラン
  • 介護保険
  • 担当者会議録(または照会)
  • サービス計画(訪問入浴不要、福祉用具は微妙)
  • モニタリング
  • 実績と一致する提供表

このあたりです。ケアプランは自治体によって何表まで必要かが違い、しかも内容に問題が無ければ記名捺印前のケアプランで良い所もあります。これは評価点です、サービス事業所がわざわざ記名捺印後のケアプランを貰っておく必要性は感じませんので。

担当者会議録は毎回ケアマネにもらう癖をつけましょう、これをサービス側でわざわざ作成するのはただの業務負担でしかありません。ケアマネは必ず作るんだから他の情報と一緒に送付してもらうだけの話です。くれないケアマネには依頼を断るなんとかお願いしましょう。

サービス計画は訪問入浴は制度として求められていません。福祉用具については一応基準があるんですが、作成はともかく更新のタイミングについて名言されておりません。明言されていない以上はこちらで解釈をして、例えば直接介護ではないのだから状態も介護度も利用用具も変わらず、計画書を更新する意義というのはあるのか?という事にもなるんです。おそらくここも自治体ごとに対応は違うでしょう。

実績と一致する提供表というのは、いわゆる差し替えとして送られてくるものです。

加算要件の類

加算を申請する時に必要な書類ってありますよね?常勤換算とか資格証とか研修計画と記録とか…なんだっけもう忘れた。そのあたりもチェック対象になったりします。ここは一度揃えているのであまり不備は出ないと思われがちですが、意外とある模様ですよ。おそらく人員の増減や入れ替えで有資格者が不足になったとかの理由かと思います。わかっててやってる事業所はすごい根性してるなと思いますが。

申請時点ではなく現行のものを提出するわけです。その時になってやれ資格証が無いだの名前が変わったのに申請してないだのがわかるんですね。これは事前に指導員に申告しましょう。また、既に申請していつ頃に届く予定だとかも報告するとなお良いです。ただし嘘はダメですよ、嘘ついてバレると一瞬で監査対象になりますからね。

勤怠書類

基本的に現場レベルのものになります、つまりタイムカードや出勤簿です。

タイムカードや出勤簿の場合、どちらかというと記録との突合に使うとか、人員基準に不備がないか程度のもの。ザルチェックとまでは言いませんが監督署のように業務記録と休憩時間をガチですり合わせるレベルではないため、これを機会にブラック企業がホワイト化すると期待している人には残念でしたとしか言いようがありません。ただし10日連続でタイムカード押していたり、明らかに異常な残業時間で押していたりすると狙われます。国内ブラック企業率トップ3に入るであろう介護業界は定時で一度押させてるから安心ですね、潰れちまえ。

そんなに準備できるわけがない?

もちろんですよ、これを直前に揃えるなんて不可能です。日々やっていかなければいけないんです。まあ書類なんてやる時間が無いとかもありますよね、あるけど無いって言う人も4割はいそうですが(笑)

日々業務への落とし込み

いきなり極論になるわけですが…要するにその都度終わらせておきましょうよって事です。新規のたびに、月末のたびに、更新のたびに必要書類をまとめてしまう癖をつけましょう。あとでまとめようと思うと忘れてしまう事もあるでしょうし、最悪そのまとめが重なって膨大な業務量となり処理しきれなくなってしまうなんて事も…。多少残ってでもその日に済ませれば10分で済むものが、10件溜まると100分になります。

役割分担

これは事業者や他の職員と相談しなければいけない場合が多いでしょうけどやった方がいいです。管理者やサ責じゃなければできない業務なんてのは指折って数えるほどもありません、誰でもいい仕事がほとんど。施設なんかだとケース担当とかつきますよね、あんな感じです。とはいえ在宅でケース担当制は失敗するので単純に業務ごとの分担が望ましいと思います。あとそれを固定しないのも大事ですね、ある程度の期間は決めましょう。

悪い事をしない

一番簡単ですね(笑)普段から不正と思われるような事をしないのが何より重要です。もちろん不正だと思わなかったというのは怠慢です。これ大丈夫なのかな、これおかしいなと気付けるようになりましょう。

ちなみにあるあるなんですが、上司なんかに「これ大丈夫なんですか?」と聞くと「大丈夫!前もそれで問題なかったから!」なんて言われたりしますが信用しないでください。前の実地指導時に漏れただけかもしれませんし、なんなら時間押してそこだけちゃんと見てなかったかもしれない。制度に詳しい人に聞くとか、自治体に確認するようにしましょう。

裏技

これいいのかな…なんかすげえ叩かれそうな気もしますが。利用人数が多い事業所でしかできないんですが、打ち合わせの際にもうこっちから切り出しちゃいましょう。

「新規とか加算のファイルは分けておいた方がいいですか?」

的に。こっちだと大体これで返答が決まってます。

「そうですね、ここ最近の新規と〇〇と〇〇な方のファイルを10件ずつくらいまとめておいてもらえると助かりますね」

これで完了です、提出するファイルをこちらで選定できるという事。良くない言い方になりますが、この提出するファイルさえ完璧であればクリアが楽になるといった具合です。ただし!これでクリアしたからといって雑にはしないでください。本来であれば実地指導のために準備するものではなく、普段からしっかりできているべきものです。ですのでこれをアテにして手抜き癖をつけると、いつか不意打ちをくらって看板がぶっ飛ぶ事になりますよ!

まとめ

まとめる事が特にありませんが(笑)

実地指導は避けて通れません、これは仕方のない事です。なにしろ制度ですし、我々は公務員ではありませんが税金から所得を得ていますからね。実感無いでしょうけど。

なんか予定よりざっくり過ぎたかな…いや、たまには短めの内容も必要ですよね!そういう事にしておいてください。ではまた!

 

平成30年度介護保険制度改定

だいぶ暖かくなり雪も消えて道路が走りやすくなりましたね。あ、介護の中の人です。

そんな事よりお久しぶりです(笑)たぶん皆さん同じかと思いますが、改定絡みでバタバタしておりました。改定やら監査やら介護事業はいちいち変なイベントが挟まるので困ったものです。

さて、改定そのものは説明要らないですよね?要ります?いやん。

コレ絡みで別に書きたい記事もあるし、サクッと解説していきましょう。

 

平成30年度介護保険改定

全体的にあまり大掛かりではなかった印象ですが、一部サービスはとんでもない対応に追われたりもします。介護報酬は全体的に微増、訪問介護の生活援助と通所リハが減でしたっけ?相変わらず減算関係と各要件はそれなりに変更になっています。

訪問介護はどちらとも言えない改定です。訪問看護、訪問入浴、認知症対応型通所は総じてプラス方向の内容かと思います。逆に総合的にマイナスなのは通所リハ、居宅介護支援、福祉用具でしょうか。次回記事の下準備的な記事ではありますが、一応サービスごとに書いていきます。あまり関わりのない事業は省きますごめんなさい。また、処遇改善加算ⅣとⅤに関しても放置します。もともと無くてもいい加算ですからね。

訪問介護

改定のたびに踊らされる介護保険事業のピエロ的存在です。

プラス面

身体介護においては報酬増となっております。また、生活援助のみ行う事ができる新設資格があります。こちらはメリットが比較的あるもので、まず現行の初任者研修に係る時間と費用の負担をどう思われますか?介護を上から下まで見ている僕でもあんなもの誰が取ってくれるのか本当にわかりません、いたら聖人レベルです。軽い負担で生活援助専門の資格を、というのは個人的には良い動きだと思いますね。しかもこの資格所有者も常勤換算に組み込める模様。地味に助かる事業所もあるのでは?

マイナス面

生活援助は報酬減となっています。また、生活援助の時間数に制限がかかる(すいません具体的な時間数は忘れました)というのもポイントです。それだけの提供時間が必要という根拠を示さなければいけない様です、もっともこれはケアマネの領分になるんでしょうか。同一減算も一応マイナスにしておきますが、僕はこれ介護業界全体の視点で捉えるととんでもなくプラスな内容と考えています。同一減算はもっと強めてもいいくらいです。余談ですがうちの近所の施設併設事業所は同一回避のために訪問介護の事業所を移転しましたよ。もはやコメントする気力も失せるってもんです。

訪問看護

高需要、高報酬、でもなぜか飛躍する事業所が無い不思議なお仕事。法人のせい

プラス面

報酬微増となり、看護体制強化加算(Ⅰ)が新設され、これまで3か月であった実績期間を6か月に延長する事であわただしく届出をしなくて済むようになります。また、ターミナル加算を5名以上取っていれば加算(Ⅰ)を取ることができ、これがまさかの600単位となっております。訪問看護事業所は今後更に需要というか役割が増やされる増えてくる部分と思われるので、今回の報酬増と加算を活用して積極的に人材の確保と育成をしてほしいものです。

更に!複数名訪問加算(Ⅱ)が加わり、この場合は看護補助者が同行する形となります。あまり活用されないかもしれませんが、人手不足で複数名訪問ができないといった事業所にとっては光明となり得るかもしれません。

マイナス面

特になくてですね(笑)まあ同一減算は一部事業所にとって痛いかもしれませんが、同一に頼らない公平公正な経営を心掛ける機会とでも思ってください。

訪問入浴

介護保険に放置されすぎてたまに改定があると本気でビビります

プラス面

報酬増、16単位は数字で見ると大きいですが訪問入浴は提供数が大きくならないので…とはいえ月100件ほどの事業所でも16000円/月の増収と考えれば小さいとも言えませんね。なんて真面目に書いてはみたものの、要は前の単位に戻っただけという。うちは開設時点で1234単位だったので単純に増収と考える事ができます、ひゃっほい。

マイナス面

無いです。プラス面も少ないですがマイナスに至ってはありません。まあ上様から見れば風呂に入れるだけでしょ?って所なんでしょう。実際突き詰めるとその通りなんだから何も言えない。訪問入浴の現場で働いている人には本当に申し訳ない言い方になりますが、風呂に入れるだけなんです。僕もたまに入浴の現場に出ますが、湯温や入浴時間など利用者さんの好みや状態に合わせて微妙に変わるものは確かにあります。ところがこれを介護的な視点にした場合、それって特に介護ではないんです。人間が生きていくのに最低限必要な事ではありませんし、この放置感は仕方ない部分なのでしょう。

だからほら、計画書要らないでしょ?作ってる所の方が多いでしょう、うちも作ってます。でも制度では求められてないんです。そのうち介護保険の枠から出されて自治体が独自になんちゃらとなりそうなスリルのあるサービスですね。

認知症対応型

まさかの優しい改定にびっくり!現場はご愁傷さまです。

プラス面

生活機能向上連携加算の新設、働く人は大変ですが。個人的に今回最大と思っているのは、運営推進会議の開催方法緩和。これまで複数事業者の同時開催は認められておりませんでしたが、これが一定条件下で同時開催が可能になります。前から思っていたんですがこれものすごい無駄な経費なんです。中身は必要ですよ、経費が無駄って意味ですからね。単純に現金が出ていく事だけが経費なのではありません。見えない経費とでも言いましょうか、この運営推進会議の開催そのものに経費が動いていなくてもそこに集まる人たちは別に休みでヒマだから来ているわけではありません。こんなものを個別に年二回もやっていたわけです、呼ぶ方も呼ばれる方もやってられませんよ。

マイナス面

基本報酬算定に係る時間に区分ができます。旧7~9時間は新7~8時間に単位が引き継がれ、新たに8~9時間の枠ができます。これはプラスという声の方が多いかもしれませんが、僕はマイナスかなと思います。高い報酬欲しくてわざわざ1時間長い方に無理やり持ってく事業所ありますよ、アリなの?いや無しでしょ。こういう手法での増収はどうかと思いますが…とまあボヤいても仕方ありません。この1時間での区切りを適正に扱い個別ケアの一環とする事業所ばかりである事を願うしかありません。

通所リハ

マイナス改定の花形。今回も魅せてくれます、もはや貫禄すら感じるレベル。

プラス面

リハビリマネジメント加算ⅠとⅢ(旧Ⅱ)が100単位増(!)となります。意味がわかりませんが。更に新設のⅡについては、医師ではなく一定の資格所有者でOKという謎の優しさが添えられています。ちなみに6か月以内であれば1120単位と驚異の加算単位を誇る通所リハの救世主、リハビリマネジメント加算Ⅲ。こちらも医師と利用者さんまたはご家族の日程調整の観点から、テレビ電話等もOKというバファリンクラスの優しさ。でも大丈夫、ちゃんとオチもあります。

マイナス面

リハビリマネジメント加算Ⅳという最強兵器が投入されます。1220単位(⁉)という最強の名に相応しい単位数となりますが、もちろん現場は飢えます(笑)業務負担が更に増え、おたくの主任は今以上に机に座りっぱなしになりますよ。つまり、今でもカツカツなリハビリ提供が壊滅的に激務になるという事。そこまでして3月に1度が限度とされるので、意識高い系かオカネスキーな経営者しか手は出さないと思いますけどね。職員も資産と考える有能な経営者であればこんなのに手は出しません。

一番大事な基本報酬は時間区分のせいでわかりにくいですが、据え置き以上は存在しません。つまり何をどうしようが基本報酬は据え置き~マイナス。主にマイナスなんですけども。

このほかに提供体制加算や予防の加算強化があり、単純な単位の増減で言えば通所リハも増収となるのかもしれません。しかしそれに対する業務負担増、職員の疲弊を考えると完全にマイナス改定と言っていいレベルかと思います。このままだと介護の本当の人手不足は通所リハから始まりますよね。

居宅介護支援

何かあるごとに仕事を増やされるイジられキャラは、今回も存在感を放っています。

プラス面

介護報酬増ですが、一人当たりのケース数を考慮すると微増。利用者負担導入はよ。入院時情報提供加算の要件が緩和になるのが大きいです。加算Ⅰについて病院を訪問する必要があったのですが、今回から提供方法は問わないと変更になっています。ただし入院後7日以内→3日以内となるので注意。

また、退所加算が大幅に増となります。これは評価点といえます、退院や退所によるケアプラン作成の手間は確かに考慮するべき。新設のターミナルケアマネジメント加算については言及しません、僕が言うと過激になる。良いとも悪いとも思う、とだけ言っておきます。

更に、公平中立なケアマネジメントの確保というのは制度趣旨を考えると当然プラスです。超絶マイナスな事業所も多い事でしょうけど。内容としては複数事業所の提案やら何やらありますが、本来これが当然。一人ケアマネが評価されていた理由がこれなんですが、併設あると結局誰もやらないもんだから強制されちゃったんですね。まあ自業自得ということで。

マイナス面

管理者要件に主任ケアマネジャーが加わります、かつてないレベルの大改悪。これ順序が違うんです、主任ケアマネ持ってるから何なのか。質の高いケアマネを作ろう→主任ケアマネのカリキュラム充実→主任ケアマネを管理者に、これがジャスティス。今やっている事は逆で、管理者を主任ケアマネにしよう→主任ケアマネいるよ→質が低い!もっと質を高くしないと!これ。完全に思い付きで動いて手詰まりしたパターンです。いかん、これ長くなるから別記事にします。

ちなみになんですが、プラス面がそこそこのボリュームなのに上記の主任ケアマネの件だけでマイナス改定となります。主任ケアマネのカリキュラムは本当に異常です、長いだけ。ケアマネの質を高めるって言うのなら、もっと具体的に。ケアマネの質は6割本人、4割自治体が悪いんです。そこから是正していかないと。

福祉用具

まさかの(個人的に)超絶マイナス改定!もう看板おろしたい!

プラス面

無いです(笑)いや厳密にはあるんですが事業所というか業界全体にとってのプラスですね。皆さん福祉用具の貸与価格について考えた事ありますか?あれ今まで明確な規定が無かったんです。そこで今回から、福祉用具の提案時に平均価格の記載や類似商品も併せて紹介した記録が必要になりました。これに関して調べていたところ、群馬県の一部自治体でデータを公表していたんですね。そこから勝手に一部紹介しましょう。

よくある車いすって言えばイメージつくでしょうか、チェック柄の自走式車いす。ただの車いすって言葉がぴったりなアレですね。あの車いす、全国で一番メジャーなのは300単位です。ところが!全国最低単位はお財布に優しい100単位、全国最高単位はエアマットも逃げ出すであろう2500単位です!なんだこれ!

離島だったり止むを得ない理由で貸与価格が上がるのは仕方ないと思いますが、これはやりすぎ。こういった暴力的な儲けを無くすため、全国平均を基準に一定の上限額を設定する模様です。いいぞ、もっとやれ

マイナス面

プラス面で提案時に平均価格の記載や類似商品も併せて紹介した記録が必要になりましたと書きましたが、これ。これがマイナス。またか、また紙が増えるのか。価格帯や機能が近いものを同時に紹介して、あくまでも利用者さんに選んでもらうのが目的なのでしょう。いや、いい事なんですよ。でも普通やってますよこんなの、普通は。それをしない普通じゃない事業所に合わせて、普通の事業所にまでそんな証拠残せみたいな仕事を増やすのやめて頂きたい。

福祉用具って大別すると2種類あって、一つは流通・在庫・清掃・レンタルまで完全自社運営のタイプ。もう一つは委託みたいな形で自社運営のところに発注するタイプ。後者は借りた料金と貸した料金の差額しか利益化しないのでほぼ儲けというのは無いんですが、地域の需要と供給のために止むを得ず運営しているパターンもあります。書類地獄が特に厳しいのは後者なんです、職員は兼務のケースが多いので。販売はせず貸与だけなら楽かもしれないけど、そうも行かないですし。あ、ダメだ愚痴しか出てこない(笑)

まとめ

まとまるわけないですが(笑)今回の改定はだいたいこんな感じになっております。本当はサービスごとに掘り下げたい気持ちもあるのですが、他にもっと大事な事があるのでざっくりにさせて頂きました。次回記事はあまり日を空けず更新したいと思います。みんな大好きな監査についてです。それでは!

介護報酬改定目前!デイの機能訓練が危険?

バレンタインデーが嫌いな介護の中の人です。

いや語弊があるかも。バレンタインデー自体は素晴らしいイベントだと思うんです。ただ昨今のビジネス色の強い状況が気に入らないと言いますか…まず義理チョコは迷惑なんで廃止法案でも出して欲しいです。友チョコは勝手にやっててください(笑)

とまあ今日はバレンタインデーなわけですが、そんな事はどうでもいい。もっと危ない介護報酬改定が迫っているのですから、チョコだの何だのと言っていられないのが我々の業界ですね。今回はまたしてもマイナス確定なデイサービスについて触れていきましょう。ちょっと時間なくてほぼ下書きのままです、いつも以上に読みにくいとは思いますが生温かい目で見てやってください。

介護報酬改定とは

基本報酬や加算について、国のお金や事業所の状況を勘案し介護報酬を調整するものです。限りなく簡単な言葉で言うと国が「儲けすぎ」と判断すればマイナスになり、逆に「ちょっと足りないのかな」と判断すればプラスになります。実際にはそこまで単純なものであるはずはないのですが、お上がそう言ってしまうのだから仕方がない。

今回(平成30年度改定)を例に挙げると、訪問介護通所介護に関しては「収支率が高いから減額」と言ってしまっているんですよね。なぜこんな言い方をするのでしょう?事業経営が収支率のみで成立しているわけではない事くらい現場レベルでもわかる事なんですが、なぜかこれ一辺倒です。実際のところ主目的は別にあり、こう言っとけばいいだろうといった思惑を感じてしまいます。

平成30年度報酬改定

基本的には0.5%前後のプラス改定となります。その中で訪問介護の生活部分、通所介護については上記の通りマイナス改定が宣告されております。どちらも細かい単位については専門家の記事をご覧ください、うちそういうお店じゃないんで(笑)

基本報酬減額に伴い、ここのところお約束と化してきた加算強化が講じられます。基本報酬よりもこっちのが問題だと思うのですが…後述します。

ちなみになんですが今回の記事で訪問介護については触れません。特段問題ではないと思っております。こう言っては何ですが、生活援助の無駄遣いは確かに問題だと感じます。もちろんここを読んでくれている皆さんは本当に必要なサービスしか提供していないと思いますが、世間はそればかりではありません。介護保険を使うまでもないようなサービスを提供し、利を得ている事業所というのは存在します。生活援助をいくらこなしても利にはならないじゃないか!と思った方には無縁の話です、ぜひその清い心のまま業務に励んでいってください。

デイについては僕も現場勤務程度しか経験がありません、逆に言うと現場での問題ならわかります。この報酬改定がまた現場を地獄に叩き落す事は容易に想像できますので、そっち絡みで書いていく事にしましょう。

基本報酬改定の善と悪

基本報酬を引き上げると

基本報酬をむやみに上げるのは望ましい事ではありません。報酬増が介護職員の処遇を直接引き上げるのであればいいのですが、多くの事業所はその努力をしません。しないから処遇改善加算が創設されたんです。あんなものは国の指示などなくても事業所の努力でするのが正しいのですが…

それからここ数年、毎年多くの介護事業所が倒産という一つのゴールに辿り着いています。これらはどんなに理由をつけても、行きつく先はほぼ経営難です。報酬がもう少し高ければ倒産件数も減るかもしれません、でもそれっていい事なんでしょうか?

この流れを弱者の淘汰と呼ぶから反発が上がるんですが、もう少し違う角度で考えてみて下さい。ニーズがあり、質の高いサービスを提供し、スタッフも充実している…こんな事業所が潰れるでしょうか?逆に言うとニーズが無く、サービスは低質、スタッフは素人レベル、こんな事業所に価値はありますか?自分ならそこに頼みますか?言ってしまえば「不要な事業所」が自然な流れで消えゆくのです、これはもはや摂理に等しい現象ではないでしょうか。この状態を不公平だ何だと騒ぐようでは倒産して然りですよね。

基本報酬を引き下げると

では減額すればいいのかというと、簡単に下げるわけにもいきません。これはあくまでもバランスです。財源の問題があるので下げられるなら下げたいという思いはあるかもしれませんが、ただ減額のみを推し進めるともちろん弊害が出てきます。見える部分では業務で使用する設備や備品の維持管理もないがしろにされる恐れがありますよね。他産業では設備や備品は壊れる前に何らかの対処をするのが当然であり、それをしない会社はいわゆるブラックの可能性があります。ところが介護事業所というのは業種の割に備品面での危機管理能力に欠ける面があり、壊れてから騒ぐというのが慢性化している場合が多いです。人的にも、物的にも質の低下が懸念されるわけです。

また、介護職員の処遇が今以上に放置されてしまう。上にも書きましたが、多くの介護事業所が処遇の改善に消極的であった事は一連の処遇改善加算が継続できているという事実が証明しております。この処遇改善加算などという物騒なモノが不要になった時が、おそらく介護報酬安定の時期かと思われます。そんな時期は来ないのですけど。

加算改定の善と悪

加算改定の狙いとメリット

今回はデイの話題がメインとなるので、そちらに集中していきます。デイ関係の加算と言えば、個別機能訓練が最たるものではないでしょうか?この加算創設の目的としては介護度の軽度化による将来的な介護報酬の減少、機能訓練を積極的に行い実績もある事業所への手厚い評価の2点が主なものでしょう。どちらも理にかなったものですし、理想的な理由付けではあります。逆の理由もあるかもしれません。機能訓練という言葉で釣っているものの、実際には大した訓練を行っていないデイを淘汰するといった感じの。これも理由としては正しいですね。

実際にこれらの加算によってリハビリ資格者の配置整備や実際の機能訓練の内容などが改善された事業所もあることでしょう。大きく言ってしまえば雇用の創設に繋がった部分だってあるかもしれません。

加算改定のデメリット

ところが現実は本末転倒としか言えない状況が本当に多いです。最近の流行り(?)では機能訓練や介護度が軽く(要介護3⇒2のような)なった場合に加算が取れるとかいったものが目立ちますが、いくら報酬改定擁護派の僕でもお粗末と言わざるを得ないでしょう。

実際いい事は言っているんです、そして理想論的には正しい。しかしながら、現場や本人に係る無理は度外視しています。ちゃんとしてると胸を張って言えるであろう事業所のなんと少ない事か。本来この機能訓練等の項目は、リハビリを謳っている事業所であれば努力して当然のもの。その当然の努力をしない事業所がある、もしくは頑張っている事業所を評価するための加算となります。しかし現状を見ていると、どうにも「加算を取るための機能訓練」となってしまっている。これは特に大規模デイの現場の方であれば非常に強く実感されている事と思います。

悪影響の具体例

プランの正当性が怪しい

この加算を取るために、効果が見込めようが見込めなかろうが機能訓練をプランニングします。軽度者であれば日常生活+αの動作で多少の効果はあるでしょうし、中には機械をかければ良くなったと思う利用者さんだっていますよね。効果ありならば継続、効果なしならば見直せばまだいい方ですが長期で効果をうんたらかんたらと継続してたりします。

僕が問題だと思っているのはこのプランの中身の細かい所ではないんです、それは作成者の質に左右されるのでどうにもならないでしょう。とにかく組む、とにかく増やす、このようにプランを組むこと自体が目的となってしまうのがアカンのです。また、その量だって妥当である必要があります。特に改善と関りが無いのに本人の要求だからと不要な電気やリハメニューが組まれるのはよくある光景ですよね。

終わらない現場

その結果現場では特養クラスもビックリな業務過多が発生します。しかもこの現場が必死でメニューをこなしてバタバタしている中、無能な管理者は自分のナルシズムで作成したプランのモニタリングに追われデスクから離れない。こういう種類の管理者は本当に向いてません、どうせスタッフの休み希望には渋い顔しながら自分は平気で休むような人でしょう。僕に言わせればろくに現場に出もしないでどうやってモニタリングをしているのか甚だ疑問です。監視カメラでも付けているんでしょうか?付けてるならちゃんとその旨を掲示してくださいね、田代盗撮は犯罪です。

それからこの部分で更に問題なのは、正しくメニューがこなされない可能性がある点。15分のメニューを10分に短縮したり、なんならやってないのにチェック入れたりなんて事も起こり得ます。このあたりはいくら綺麗事を並べても必ずあると思って対応するべきです。人間である以上、手を抜きたくなるのは当然なのです。

そして人員不足

お約束です。業務がしんどい、勤務時間はほとんどメニューをこなしているから記録をしているといつも残業になる、しかもサービス。これでもチームがいいと人間頑張れるもんなんですが、ここで破綻するのに一役買うのが人の補充もできないダメ事業所、スタッフのフォローもできないダメ管理者、仕事できないけど文句と定時上がりだけ優秀なダメスタッフのどれか。どの人も自覚が無いのでどうにもなりません、現場で頑張っている皆さんは自分たちの力で変えていくしかないんです。事業所とスタッフは難しいですが管理者に気付かせるか蹴落とすかなら案外楽なものですよ。

おまとめ

今回の基本報酬についての増減はあまり意見は致しません。これが良いのか悪いのかはまだわかりませんからね、ただ一言だけ言及するとしたら基本報酬で増額しなくても良かったんじゃないですかといった所でしょうか。処遇改善に回してあげればいいのに。

ただし加算、これは今以上に加熱させるべきではないものと感じます。上で書いた問題点というのはほぼ加算が存在するせいですからね。機能訓練の取り組みに積極的な事業所に評価をとか確かにいい事ではありますが、我々の評価は利用者さんをはじめとした地域がして下さっています。良い評価を頂けていれば、次のサービスを依頼して頂けます。結果として必要な利益は上がるわけですので、評価ってのはそれで充分なんですけどねぇ。

今後加算を取るのであればもっとチェックの目を厳しくするべきでしょう。とはいえ役人様はやめて下さい、余計に経費かかるだけですので。例えばプラン作成やモニタリングの際に必ず外部を入れる、そういった取り組みをして初めて加算Ⅰとなり、内部のみで完結しているのであれば加算Ⅱにするだとかですね。まあこれやってもどうせ抜けてくるでしょうけど。

せっかく介護と医療の連携とか騒いでるんですからいっそ病院に介入してもらうとか面白いんですけどね。仕事増えるとか騒ぐから無理か、介護業界の成長はまだまだ遠いものです。

介護職を目指す人に向けて

auのCMがツボすぎてメインをソフトバンクからauにしようか本気で悩んでおります…介護の中の人です。

さて、そろそろ新卒の方を意識する時期になってきました。新卒いいんですよねぇ…やらしい意味じゃないですからね(笑)変なクセとかないんですよ、教えたことをひたすら吸収してくれるから下手なベテラン来るより将来的には戦力になりますし。

そんな新卒さん、もしくは新たに介護職を目指す人に向けた記事になります。介護の現実や求められるものなどをダラダラ書いていきますので参考にして頂ければ幸いです。

ちなみにですが訪問看護や訪問リハビリのような専門職は除外しております。

介護職員に求められるもの

このくだりは完全に僕の主観です。よく介護事業所は「資質」なんて言葉を使いたがりますが、あの言葉あまり好きじゃないんですよね。まあいいや、さっそく行きましょう。

観察力、洞察力

僕が一番求めるのはこれです。業務が早いとかスマイルが0円とかどうでもいい、これに尽きます。

いわゆる気付きというやつなんですが、これがなかなか難しい。介護の仕事している人の9割は自分で思っているほど気付けていないものです。普段と様子が違う、何がどの様に違うのか、それは何故か…ここまで凡人の仕事です、そんなの何も気付いてないようなもの。もう1ステップ、「もしかしてだけどこんな理由もあるんじゃないか、違うアプローチがあるんじゃないか」ココが欲しいんです。

ご飯が食べれない⇒この人たまに食べないよね⇒波があるんだろうね⇒夜も食べなかったらエンシュア飲ませよう…これじゃ足りない。確かに一部そういった波がある方もいます。でももっと欲しいんです、口腔内にトラブルがあるんじゃないだろうか、義歯が合わなくなってきていないか。家族の面会が多い方なら家族が何か食べ物を持ってくるのでは、それを食べないと申し訳ない気持ちがあるのではないか。話さないだけで錦織選手が大好きで、負けた日は落ち込んでいるのではないか。とかね。

こういった気付きというのは才能的に持っている人、気付きを増やそうと日頃から努力している人にしかありません。ただ仕事をこなしているだけの人というのは自分の経験を超えた発想がありません、勝手に目覚めるみたいな漫画展開は起きないのです。ここはぜひ意識して介護の仕事に就いてもらいたいものです。

接遇

これも大事ですよね、むしろ新人さんのうちはそんなに酷くないでしょう。問題は慣れてきた頃です。周りの職員はみんなタメ語に近い話しかたをしている、それを一人前と勘違いしてしまうケースです。そのうち業務にも慣れ、利用者さんにも慣れ、社会人としては何も成長していないにも関わらず自分が一人前になったと勘違いしてしまうんですね。

目の前の利用者さんは長い人生を経て我々が知りえない苦労をしてきています。年上=偉いではないという考えは一部同意しますが、そんなのは仕事ができない上司にでも言ってください。大変な苦労をして地域を支えてきたんです、今なおサービス利用という形で我々の生活を支えているんです、なのに敬意を軽んじるのは論外ですよ。

もう一つ、よくある言い訳があります。タメ語=仲がいいは勘違いです、一度介護を辞めて社会の仕組みを学ぶことをお勧めします。

学びの姿勢

最近auのCMで鬼ちゃんが言っている「学んだことは誰にも奪われないから」が名言すぎて悶えております。学びに関する言葉って、よく聞くような生涯学習とか知識は裏切らないとか、名言というよりなんか植え付けようという作為的なものを感じる言葉ばかりでした。そこに来てこれです、このCMは恐らく日本で初めての「社会人ですら自ら学びを意識する言葉」になるのではないかと思っています、本気で。

仕事を始めるとなかなか学ぶ機会は作れないと思うかもしれません。でも本当は作れるんです、せっかく終わった学生に戻りたくないだけ。難しい事じゃなくていいんです、きっかけさえ作れば誰にでも出来ます。毎日10分だけ気になった介護の言葉を検索するだけでもいいんです。その中で興味が出る記事があれば見てしまうようになるんだから。意外なところからケアマネや他の専門職に対する興味が湧くかもしれません、それに向かって少しでも何かをした人は、何もしていない人と比べるべくもないほどの知識を持っている事になるでしょう。

これは既に介護職に就いている人にも声を大にして言いたい、学んでください。日常の業務だけで満足しないでください、それができてやっと給料を稼いだと思ってください。その上で自分が何をどう学び、どう活かしていくかが次に繋がります。昇進してくださいよ、それが無理な事業所なら違う事業所に移ってくださいよ。いい事業所がなければ自分で立ち上げてくださいよ。やったふりは論外ですが、野望でも情熱でも何でもいいんです、自分から学びに向かう姿勢で学んだことは活用さえすれば必ず結果を生み出します。そんな人が増えれば大した能力も無い上司ばかりという介護業界の常識が変わっていきます。介護事業所の進歩はそれからやっと始まるんですよ。

介護施設の中身

さて、ここまでで心が折れた人は多くないと思いますが問題はこれ。本当に介護を目指していいんですか?介護じゃなきゃダメですか?中身を知って転職失敗のリスクを減らすのも一つですよ。

まずは介護施設、箱物と呼ばれるものです。入所施設って思ってもらえればOKです。

大型施設介護について

伏魔殿、とはよく言ったもので施設介護の闇は深いです。もちろんクリーンな事業所だってあるはずなんですが、グレー~ブラックの率が高すぎてもはやレアな存在となっております。人の目が多いのでたまにテレビで見るようなディープな虐待案件は起こりにくいですが、小さなものは非常に多いのでは。

人間関係

大型の箱物(特養、老健)においては、もはや平成も終わろうという現代において派閥という謎システムが存在しています。これは別に派閥を作るとか宣言するわけではなく、気が付いたらAさんにばっか同調する人がいたり、Bさんばっかリスペクトしてる人が現れたり、そんなのが増えてきて自然と集団化したものを派閥と呼ぶだけです。基本的に派閥トップは措置時代の遺産であるお局様、もしくは体育会系熱血修造介護員が君臨しております。後者の場合30代にして派閥を構えるという例もあり、その勢いはお局様を苛立たせ更なる派閥争いに発展していきます(言い過ぎ)。これらは普段からバチバチやってるわけではなく、抗争の火種は主にセクション会議等。施設の夏祭りや敬老会などは企画や準備を若手に押し付け自分たちは何もしていないにも関わらず、なぜか打ち合わせという名の会合を開いたり、なぜか抗争を始めたりします。誰得だよ

業務

仕事は見て覚える程度の覚悟は必要です。施設は一日中仕事に追われており、いつまでもダラダラと教える余裕はありません。

入浴介助は業務ではなくスポーツと割り切って下さい。次から次に利用者さんが押し寄せるうえに、規模が大きいとあと何人くらいかさっぱりわからなくなります。もはやゴールの見えないマラソン状態です。

また、慣れてくると担当のケースが付いたりします。これらは主に夕方のミーティング後や夜勤の時間を使って個人の記録等を行います。この記録内容が薄かったり、その人について聞かれた際に答えられなかったりした場合は、お局様から「担当なんだから」と厳しめのダメ出しを食らいますので気を付けましょう。

小型施設介護について

有料やGH(グループホーム)、特養サテライトなどが挙げられます。大型の箱物に比べて規模は小さいものの問題は大して変わりません。逆に小規模特有の辛さというのもあります。テレビで見るようなディープな虐待案件が発生しやすいのはこのクラスです。

人間関係

職員の総数が大型と比べて遥かに少ないので油断しがちです。まずお局様の権力がすごい、下手すると何の役職も無く施設長の次くらいに発言権を持ってたりします。また、法人内で多くの事業を手掛けている場合に、大型の箱物で他の職員と上手くやっていけない人を小型の箱にぶっこむという裏技を発動する場合があります。それが少し仕事が遅いとかならマシな方なんですが…人間的に非常に問題があったりすると、もはや地獄でしかありません。

僕が知りうる限り前述の多くの事業を手掛ける法人において、GHの所長とか主任とか所謂責任者とでも言いましょうか、ダメな率が非常に高い気がします。あくまでも他と比べてって意味ですからね、全国の優秀なGH責任者の皆様すみません。

業務

大型施設に比べると肉体的には楽ですが、偏りがあります。例えば入浴介助、着脱が1人と入浴介助が1人の計2人で行うのが普通です。それ自体がキツいという程ではないんですが、まだ仕事に慣れきっていない場合はなかなかの地獄。頼れる先が多くないので一人で必死になってやってるような感覚になってきます。また、夜勤はほとんどが一人です。昼間に救急搬送された人が、SPO2低いけどベッド空いてないからなんて理由で帰された日の夜勤なんか気が狂いそうになります。そんな時に限ってナースコールめっちゃ鳴るとか、でかいリュック背負って「帰る」って人が出てくるとかもうお約束

施設の形態によっては調理もあったりします。メニューそのものは栄養士が作ったものだったりするので何を作るかは困らないのですが、問題は味付け。利用者さんは味が薄いという、私薄味が好きなのよねーと謎のアピールする職員が検食すると薄味好きの自覚あるんだか無いんだか「しょっぱい」とか書かれる、板挟みです。

在宅系事業

在宅系はサービスごとに書いていきます。というのも、人間関係とか施設ほどダラダラ書くほどではないんです。それぞれで業務内容も違いますし小分けにした方がいいかなといった感じです。

デイサービス

業務というよりも、毎月の行事が泣き所かと思います。新人さんは夏祭りや敬老会などとりあえずでメンバーに入れられることがあり、慣れないといけないという謎理論いきなり司会させられたりする世界です。それ以外の散策や誕生会においてもさり気なくメンバーに当てられたりします。

ミーティングが無駄に長い事業所が多い。出来の悪い先輩や上司は、本人は何の提案も無いくせに「なにか新しい取り組みをしなければ」みたいな学生でも言える普通の日本語ドヤ顔で繰り出します。帰れよ

曜日により利用者さんの顔ぶれが違うので、覚えるのは少し大変です。逆にメリットもあり、毎日違う利用者さんと関わるので施設ほど対人的な飽きは来ないです。

デメリットとして、重度者との関わりの少なさから業務内で介護技術が伸ばせない点が挙げられます。大型デイ以外では男性職員が少ないので送迎に行かなければならない事も女性にはデメリットでしょう。

余談ですが14:30頃から送迎までは尋常じゃないくらい時間が進みません。要フリスク

訪問介護

たった一人で戦地(利用者さん宅)に赴くという、ハリウッド映画さながらの業務です。利用者さんごとにサービスが違い、大きくは生活介護(炊事、洗濯等)・身体介護(入浴介助、院内介助等)の2つに分けられます。事業所によっては通院等乗降介助といって病院の送迎(院内の付き添いは無し)もあります。

その中でも僕が触れておきたいのは、稀に調理と入浴介助に潜む鬼畜難易度。入浴介助は自宅の風呂を使用して1人~2人のヘルパーが行うのですが、高齢者向けに作られていない昔の風呂だったりがザラにあります。狭かったりとか浴槽が高いとか。施設のだだっ広い風呂とは違う苦労があるんです。調理も一例。厳密には障がいの家事援助ですが日に1回、2時間で3食分のおかずを作るというお宅がありました。3品×3食を基準に作るのですが台所は狭く、コンロは2口。ご家族さんの希望でできるだけ一つの食材を2品以上に使わないようなメニューを求められます。カレーを作ったとするとじゃがいも、人参、肉など他のものと被らないようにという超ハードモード。慣れるまで地獄でしたほんとに。

気を付けて頂きたいのが、もの盗られ妄想がある方の家に入るとき。常に本人の視界の中で行動するようにしましょう、でなければ余計な疑いをかけられます。実際、介護職員による窃盗は訪問介護がダントツ(中でも管理者が意外と多いです)なので身の潔白を主張できる姿勢で業務に望むことをお勧めします。

訪問入浴

 3人1組で利用者さん宅を訪問し、業務に当たります。事業所ごとで1日の訪問件数はバラバラで、最大4件と経営を心配してしまう所もあれば最大10件などと大根洗いとしか思えない所まで様々です。

チームで動くので新人さんも割と気軽に入れる業務かと思いきや、重度の方が多いので場合によっては施設の特浴を超える難易度だったりもします。3人それぞれの役割や作業が明確な方が仕事はスムーズで、手が空いてる人がどっか洗うというような事業所だと仕事しにくいかと思われます。

面白いのは、インターネットの掲示板なんかで介護事業のネタを探すと普通は「訪問介護について」とか「訪問看護の人集まれ」みたいに種目別なものがほとんどです。ところが訪問入浴に至っては「訪問入浴の派遣ナース」とか、果ては「訪問入浴○○」のように具体的な会社名の掲示板まである始末。たぶん3社くらいあると思いますが、中身がエグいです。よくあんなの放っておくものだと思いますが。今時の人は応募する前にネットで多少調べるのが普通だと思うので求人が不利になってるんじゃないかな。

福祉用具

直接介護ではありませんが介護事業だし介護福祉士あればできるので一応。

形態としては2つあります。自社で在庫を持つ会社と、卸業者と契約して利用者さんとの仲介的な役割をする会社です。後者の場合は納品日時の調整連絡などの電話を行ったり来たりしなければいけません、したがってその辺りは前者の方がスムーズでしょう。また、最大の違いは納品。前者は自分で納品に行く、後者は立ち会いこそすれど納品自体は卸業者がやってくれるといったメリットがあります。経営的には一長一短ですが、働く側にはそれなりに大きな違いかもしれませんね。

会社によってはノルマとまで言わないまでも、それに近い指標があります。今後の改正で福祉用具の単位が一律になるような雰囲気もありますので営業力が求められるようになる可能性はありますが、そちらは長くなるので個別に記事にします。

業務に関しては新規や交換の対応はもちろんですが、モニタリングが割と大きなウェイトを占めます。モニタリング自体は他の事業でも行うんですが、福祉用具は普段訪問する用が無いだけに、モニタリングのために訪問する必要があるのがネック。いろいろツッコミ所のあるルールなんですが今日のところは我慢します(笑)

お給料の話

ここまでで脱落した人は居ますかね?まだそんなでもないかもしれないのでお金の話をしますよ。

誤解があるといけないので言っておきますが、別に介護職志望者を絶望させようってわけじゃないですからね(笑)何の覚悟も無く入ってすぐ辞めるよりはいいかなと思って書いてるだけですからね。

本当に安月給なのか?

具体的にどんな会社ととか比べて言うわけではありませんが、額面だけを見ると安いです。更に言うと、中途半端な昇進では大した収入増にはなりません。

都会の話は分からないので、田舎の話をします。単純に僕が勤めた事のある事業所を例に使います。大丈夫、名前出さなきゃバレません(笑)比較のため他の職業も併せて載せます。

卸会社

本給13万、車両運転手当5000円、営業手当1万、通勤手当15000円

月4~6時間の残業あり、残業代はその時々でした。月に1~2回、半日の休日出勤があり、そちらは休日手当が出ています。

ボーナス夏1.5、冬1.5

特養

本給12万、夜勤手当1回3000円(月4~5回)、介護福祉士資格手当3000円

20歳手前でパートで入社し、半年後に契約社員になった時の給料です。23歳あたりの結婚したタイミングで本給が+1万円。通勤手当もありましたが近かったので大した金額じゃなかったですね。残業はあまりなかったですが月1回の勉強会と職員会議はほぼ強制参加でした。残業代ついた事はありません。

ボーナス夏1.7、冬2.0

デイ

本給12万、送迎手当3000円、介護福祉士資格手当5000円

始業前の送迎出発、職員会議など残業はついてました。処遇改善がボーナス時期に一括支払い。

ボーナス夏1.7、冬2.0

卸会社(本社関東)

本給16万、営業手当3万、みなし残業手当2万

繁忙期は毎日残業、月に40時間ほど。週2回の休み、自由に入れられる休暇が年12回、ブラックだしきついけどいい所も微妙にある会社でした。

ボーナス夏1.3、冬1.5

ブラックRX(本社関東)

本給14万、資格手当5000円、処遇改善1万、みなし残業2万、その他3万

うろおぼえですが。手当は多いと言えば多いんですが割に合いませんでした。教育体制が脆弱で社員管理もできておらず、新聞で名前を見た事がある人も多いはず。いつか抜けられるという妄想に憑りつかれた赤字体質なので、企業努力としての処遇改善は半永久的に不可能です。

ボーナス夏1.5、冬1.9

現在

いや書けるわけないでしょうに(笑)あ、新人さんの初任給書けばいいのか。

本給14万、処遇改善3万、資格手当5000円、その他手当1万~

昇給もちろんあり。

残業、休日出勤は全額。まあ残業なんて会議くらいのものですが。自家用車使用の場合、いくらとは書きませんがよそ様の倍は出してると思います。自家用車を業務で使用した際の経費はガソリンのみと思っている事業所が多いですが、教習所からやり直してください。自動車にとって短距離の移動が多いというのは劣悪な使用環境であると言えます。業務で自家用車を使うという事はつまり、少なからずタイヤ、各オイル類、バッテリー、言ってしまえばプラグや各ブッシュに通常使用以上のストレスを蓄積しているのだという事。ガソリン代出てるからいいやというブルジョワな感覚を捨てろとは言いませんが、自家用車を使う人は少し気にしてみてもいいポイントだと思いますよ。

一年経過社員、ボーナス夏2.5、冬2.7

あとは年数と評価で段階的に。昨年最大は夏3.0、冬3.6

どうでしたか?

改めて自分のこれまでを振り返ると、ようもまあこんな薄給で車にお金を使えてたもんだと思います。貯金なんてしてなかったからですけど。

ただ、このあたりで比べるとうちの処遇って高いはずなんですがこうやって数字だけ並べてみるとあまり変わらなく見えてきますね…なにかこう目立って見えるコツとかあるのかな?

って違う、僕の話はどうでもいい。この給料でやっていくんです、それが5年か、10年か、20年かはわかりません。特に意欲的でもなく毎日与えられた仕事をただこなしてただ帰る職員は腐るほど居ます。そっちサイドに行くならもちろん処遇は同じです、だってダメな人と同じ仕事しかしないなら同じ給料でいいですもんね。真自分の食い扶持は自分で作ってやろうと思う気概があれば収入なんてどうにでもなります。大金持ちは無理ですが。

でも朗報!長期勤続で大型手当!?

現在介護業界をざわざわさせている新たな手当があります。以前2回ほど考察記事を上げているので詳しくはそちらを参考に。

介護福祉士の処遇改善8万円は可能なのか? - 介護とか介護じゃない事とかの独り言ブログ

今ある情報で簡単に言ってしまうと、同じ施設で勤続10年を超える介護職員を基準点として新たに月8万円の処遇改善手当を出しましょうというもの。この手当の支払い対象者や割合に関しては事業所に委ねられそうなので一概には言えませんが、うちではこれを制度のままの支給にする予定です。つまり10年以上いる人にそのまま8万円出します。

先ほどの介護施設の給料を思い出してください。他産業で活躍すべき能力を持っていながらも介護に貢献してきた職員って居ます、そんな人だってあの薄給っぷりなんてザラにある話です。そんな人にこそ、介護を続けててよかったと思ってもらいたいんです。その人を見て、後輩たちが「自分もあれ貰いたい!」と奮闘してくれればいいのかなと。これを分散支給してしまうとトータルで考えた時に今以上のモチベーションアップは期待できないでしょう。それにね、分散より10年経ってから常に8万円貰い続ける方が総額では非常に多くの収入になりますよ。って脱線気味ですね。

本当に介護やりますか?

いかがでしたか?ここに書いていない現場的な業務にだってもちろん苦労はあります。ですがそれらは少し想像してみればわかる事ですから、今さら改めて書くほどのものではありませんよね。ストレスフリーな事業所ばかりならば楽なもんですが現実はそんなに甘くありません、そんな事業所の方が少ないです。今のうちに覚悟を決めるとか、就職先を考え直すとか、介護そのものを諦めるとか、その対処は人それぞれです。ストレスで潰れてしまう事のないよう、しっかり考えて自分の働き方を模索してみて下さい。

たとえ苦労しても、何が何でも介護がしたいんだ!という血迷った一緒に頑張りたくなる逸材を当社は求めております。今なら板フォン無料で差し上げます!

ではまた。