倒産に次ぐ倒産…介護業界も経営下手では生き残れない!

こんにちは、介護の中の人です。

実は介護と全く関係ない事業を立ち上げてみたかったりしますが、それはまた別のお話。

 

さて、福祉事業においても利益が無ければ会社は回りませんし、当然倒産もします。2016年の介護事業所倒産件数は100件を超え、過去最多を記録した様です。今回は倒産する介護事業所の特徴にはどんなものがあるのか考えていきましょう。あなたの会社は大丈夫ですか?

 

 

 

売上が少ない

いきなり極論であります(笑)とはいえ売上が少ないと言っても様々な要因がありますよね。順に見ていきましょう。

 

利用数が少ないパターン

これは利用者さんに選ばれていない、と自覚を持つべきものです。利用者さんに選ばれないということは…

・新規が少ない

まず新規と現利用数は分けて考える必要があります。施設ならよっぽどでなければ待機が居るので意識しにくいとは思いますが、在宅事業所には待機などというものは存在しません。常に出ていき、常に入ってきます。ところが、入ってくる=新規が止まると利用数は減少するだけです。この新規を獲得する努力が必要なんですが、これがお粗末。そのお粗末な一例が以下になります。

・魅力がない

売りになるものがない、と言い換えても良いでしょう。デイサービスを例に挙げると、うちは誕生会や季節の行事をやっているし、レクも充実している!なんて言うと思いますが、そんな事はどこの事業所でもやってるんです。現在こういった行事ってのはやってて当たり前なんですよね。リハ付きだとか目に見えた違いならともかく、そんな当たり前の事で集客にはなりません

・利用者さんからの評判が悪い

目も当てられません(笑)しかもこれ、なかなか見えないんです。利用者さんや家族さんは、同じように介護サービスを利用している方とのいわゆるネットワークを持っています。その中で「あそこは職員がダメだ」とか「風呂がいつも最後だ」というマイナスな話題が広がっていきます。そのへんのオバちゃんの井戸端会議と同じで、舐めていると恐ろしい速度で伝わっていきます。逆に良い噂というのもあるのですが、コチラはよっぽどの評価でない限り浸透せず、そのスピードも遅いです。ですので、自分の施設の悪い評判が広がっている!と気付いた時には施設以外の人はみんな知っているという、いつの間にか超ハードモードに突入していたという状態になります。

・ケアマネに評価されていない

ケアマネは厳密に言うと「紹介」ができないものとされております。あくまでも利用者さんの状況を踏まえ、「施設には入りたくないんですね、でも入浴はしたいんですね。では訪問入浴とデイサービスがありますよ。デイサービスがいいんですね、AとBが近所ですが、少し離れるCもここまで迎えに来てくれますね」といった具合に選択肢を与えるのが正式な流れです。ところが!実際には「評判いいAにしましょう」やら「Bなら人も少ないし気を遣わないよ」と自己判断の紹介をする方も一定数います。もちろんこれケアマネの理念というか存在理由からすると逸脱行為なのですが、「利用者さんの為に少しアドバイスしただけ」といった意識なんですね。だからたぶん100年経っても無くならないです、無くならない以上はコチラも無視する訳には行きません。ケアマネさんには普段からしっかりと対応しておきましょう。

 

利用数はあるものの売り上げが悪いパターン

サービスにはそれなりに入っているのに売り上げが伸びない…そんなパターンがこちらです。これは介護に対して使命感の強すぎる事業所が多いのではないでしょうか?

・低収益の提供回数(時間)が多い

主に挙げられるのは介護度の低い方(サービス単価が低い)の利用が多いという事。しかも在宅事業所においては死活問題となる地域もあります、総合事業の開始です。これ一般に向けた制度の説明がほんと雑で(福祉制度は全部そうですけど)、しかも地域差があるもんだから調べるの大変だと思います。なので詳細は別に記事を作成しますが、簡単に言えば「要支援1~2の方について、一部在宅サービスは地方自治体の運営となる」わけです。結果、単位数を下げる自治体もあると。既存の利用者さんの為にと下がった単位で委託提供等を続ける…この先はお察しください。2017年も倒産は多いでしょう。

・効率の悪い工程を組まざるを得ない

これは訪問介護が特に陥りやすいんですが、じわじわととんでもないダメージが蓄積されていきます。時間対金額で考えた時に、移動は長ければ長いほど損失となります。ここまでは訪問系共通なのですが、訪問介護独特の問題である「いつ終わるか分からない付き添いに人を駆り出さなければならない」モードの存在はネック。受診介助というゴールのわからないマラソンです。パートさんなんかだと次のケアが組めない等の理由から社員が割り当てられるパターンが多いですが、社員という人件費の塊を時間の区切りなく外に出すのは本当に頭もお腹も痛くなります。まあ仕方ないんですけど。

上記と違い、事業所の意思で更に上級の難易度を選択する事があります。それが通院等乗降介助というナイトメアモードです。これは車も人員も余裕があり、むしろ5人くらい毎日内勤してるよ!っていうブルジョワ事業所に任せる案件です。小規模事業所であったり、新規開業した事業所なんかは手を出してはいけません!

「利用したいけど他の事業所が埋まってるという声があって…」

「乗降やらないと新規がこなくて…」

こんなものは理由ではありません。どこの世界に利用者さんを理由に使って会社を潰す経営者がいるんですか、介護業界の一番悪いところです。 いいですか、介護は慈善事業ではないんです。精神的な意味ではそれでもいいんですが、実質的には営利事業である自覚を持つべきです。売上あっての利益です、利益あっての存続や発展です、その先に物質的なサービスの向上があるんです。この部分は経営者だけでなく現場も意識して変えていかないと、倒産最多記録に貢献する結果となりますよ。

経費が大きい

経費は大から小まですが、それによる損失は確実に積み重なっていきます。かといってケチになりすぎるとサービスの質を落としかねませんのでバランスが大事。使うべきところに使った上で、押さえていきましょう。

会社が下手くそなパターン

・見栄を張りたがる

介護に限らず、そこそこ成長中のそこそこ大きい会社がやらかします。そうです、自社ビルの建設です。この手の経営者は幼いころに桃鉄をやってないんでしょうか?新社屋建設の恐ろしさをまるで理解してないですよね。ちなみにこれ、投資とかの世界では有名だそうで、「立派な自社ビルを建設した時が、その会社のピーク」みたいな法則があるそうです。それを提唱した人の名前から、パーキンソンの法則と呼ぶそうな…介護事業所にとっては笑えない名前と内容ですね。

・車両経費が削れない

エアーマンが倒せても車両経緯が削れなければ意味がありません。まずはリース車両です。大企業についてはリースのメリットを最大限活かす事が可能ですが、小規模事業所ではメリットが薄く、むしろデメリットの方が目立ちます。リース車両の魅力というのは

・何から何まで経費計上できる

・台数が多ければ割引も多くなる

・事業計画等での計算が非常に楽になる

この辺が大きいところです。しかしこれ、小規模事業所にとってはそこまで魅力的ではありません。特に在宅事業所。そもそも論として利益の繰り越しが多額になり得ない(介護ブラック除く)以上、経費計上による節税効果が無いに等しいです。台数も多く置かないので、割引も発生せず事業計画も元々楽、これもメリットになりません。ですが、「やっぱリースの方が安心だよね!」という謎理論から理由なくリースを利用する事業所ってあるんですよ。コピー機ならともかく車両リースは経費を肥やす原因なんですけどね。

・会社独特の儀式がある

大手なんかにありがちですが、どこどこで関東の責任者が集まって会議を開くとか全国で(さすがに今時ないかな…)集まって会議やるとか聞きますよね。ネットでやるとかエリアマネージャー置くとかすればいいのに…それで飛躍的に売上が上がるんですか?上がりませんよ。商品開発とか関わる事業ならまだしも、介護ですよ?その交通費とか宿泊費って経費ですよね?その経費を利用者さんなり職員に還元する方法を模索しましょうよ。

・居宅介護支援事業所(ケアマネ)を併設したがる

小規模では論外です。最初からどっかの有名なケアマネが来てくれる前提なら望みはありますが、基本的には始めたばっかの事業所のあまり見たこともないケアマネに仕事は来ません。「ケアマネ居ないと新規が…」これは妄言。ケアマネ居ないと新規が来ないような事業所のケアマネにも新規は来ませんよ。ある程度の規模になってから考えましょう。ちなみに個人で居宅介護支援事業所をやる分には全然OKです。自宅兼事務所なら経費はかなり抑えられますし、夫婦でケアマネとかならもう最強です。

・新品や高性能品への拘り

モノによってはいいんですが僕個人としては基本的に反対です、特に新規開業の小規模事業所では。例えばデスクですが、こんなもん物が置けて引き出しが閉まればそれでいいんです。パソコンだって、打てて文字が出ればそれでいいんです。椅子は…腰痛くなるので少しだけいいの使います(笑)これらをいちいち新品で揃えて、シャレオツなオフィスにしたがるとかもう謎。大都市部ならまだしも。小規模だったら事務所だって民家でもいいんですよ?それで抑えられるコストは莫大です。実績作って売上が伸びてきたら国道沿いなりのテナント借りたらいいんじゃないですかね?環境がモチベーションに繋がるんだ!とか言わないで下さいね、モチベーションに左右されるような事務仕事なんて無いんですから。

従業員が意識低いパターン

・経費遣いが荒い

ちょっと古くなったから雑巾買ったよ!とニコニコして言われた日にはもう吐き気がしてきませんか?事務所で暇そうにしてる時間に縫えばいいのに、わざわざ購入し、挙句

には古い雑巾は既にゴミ箱の中…もうこれホラーですよホラー、背中ざわざわです。経費についてあまりにも縛りすぎると「この会社は従業員を信用してない」というイメージを持たれる場合がありますが、ゆるすぎると必要のない経費をかけられたりします。せめて購入前に一声掛けるようなルール(普通こんなものなくても聞くぐらいしますが)程度は作っておいた方がいいかもしれませんよ。

・物品の破損が多い

これ一番悪質です。悪気があって壊してるんじゃないってわかるんです。わかるんですけど、気の緩みがあるから壊してるのもまた事実です。そしてよく壊す人というのはどこの会社でも決まっており、殿堂入りをするとハカイダーというあだ名になるのはどこにでもある事ですね。これって本当に気を付けて欲しいんです、物品の破損というのは何の側面も持たず、ただの損失なのです。それにかかった経費というのは捨てたのと変わらないんですよ。一番ぜい肉と呼ぶにふさわしい経費かもしれませんね。

長いから一回まとめてみます

どうでしょう?かなりざっくり書いたつもりですがこれくらいになります。細かく書くと10倍くらいになりそうですね…項目ごとの記事にした方が良かったかもしれませんが、あまり長い文章にすると僕自身が余計なことを言い始める気がしますね、やっぱりこれで良かったという事にしておきます。

ここまで書いてきた中に自分の会社に当てはまるものが多いなら、多少の警戒はしておく事をお勧めします。奇跡的に全部当てはまったなら明日辞めて下さい(笑)

というのも、ここまでの特徴が当てはまる会社は少なからずブラックの恐れがあります。今回の記事は「介護ブラック」について書く為の準備的なものなので、共通するものは非常に多いです。

 

最後に…

 

・地味な節約でホワイト企業をアピールしていくよ!

ごめんなさい、あまり節約という程でもないので小話になるんですが…これは真似してほしいから書きます。うちは法人カードというのを無駄に複数使用しています。ジャパンネットをファミマカードに変更しようか悩んでおりますが(笑)例えばコピー用紙。このデジタル化の現代において、介護業界って紙媒体が増える一方なんです。これに関しては賛否あるかと思いますが、僕個人としては病院の電カルとか保険やら携帯ショップの電子契約書は導入するべきと感じます。税金事業だから署名捺印が必要ですとかテンプレ回答される事は必至ですが、それって個人と自治体だけで良くない?と常々思っています。で、話が逸れましたがポイント。毎月それなりには購入品が出てくるので地味に貯まるんです。ロハコ大好き(笑)現状、ポイントの扱いってのが税務的にノータッチなんですが、別になんか買ったら雑収入とかで組み込めばいいだけの話。うちはそんなもん買ってないから記入しませんけど。

え?使い道?夏のあっつい日にみんなでアイス食べるんですよ。現場で頑張る人たちに対する福利厚生の一環です(ドヤッ)