介護職員が老健に転職してはいけない5つの理由

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ドライブが趣味なのに路面が悪くて引きこもっています…介護の中の人です。

と言っても僕のは大した車ではないんですけどね。単純に色んなとこ行くのが好きなだけです(笑)

さあ、今年も冬の転職シーズンが来ますね。ボーナス後に人が減るのは介護業界のお約束。そんなわけで今回は転職に関してのお話、しかも介護業界のジオン軍(なにが?)老健への転職についてダラダラ述べていきます。

あくまでもガチガチの介護職員がという内容です、適当に仕事してコンビニ以下の所得で我慢できる聖人のような方には当てはまらないです。あと老健というより老健が母体となっている事業所くらいの範囲で書いていきます。そこは各自の体験を元に脳内補完してください。 

 

老健ってなんだ?

正確には介護老人保健施設という名称です。

人員記事において常勤医師(定員100人あたりです、後述します)が必要である事から多くは医療法人での経営となります、つまり母体はほぼ病院です。介護保険制度の中で運営するため介護施設という事になりますが、そのサービス内容は実質的に病院の延長線上にあると言えるでしょう。

また、入所とは言っても長期のものではありません。。たとえば特養(特別養護老人ホーム)なんかですと終身入所がほとんどですが、老健の場合は3ヵ月とか半年程度の一時的な入所となります。 

もう少し詳しく見ていきましょう。

短期間で何をするの?

老健への入所というのは自宅復帰をするためのものです。つまりこの入所期間で自宅に戻る準備をしましょう、こういった使い方になるんですね。

具体的には在宅生活に必要なリハビリがメインとなるほか、管理栄養士による食事管理や指導、医師による服薬の調整なんかもあります。

 えっ…介護は?

もちろん介護的な面もあります。在宅復帰が前提だからと言って元気な方ばかりではないのです。もちろん寝たきりのような方もいますので、介護力は当然必要となります。

病院じゃダメなの?

ダメです。病院での入院生活というのはあくまでも医師の管理下で安静が必要だとか、傷病の鎮静化までのものです。いつまでもリハビリ目的で入院していると、次の患者さんを受け入れられませんからね。

ですので、老健への入所というのは「入院するまでもないにしろ、在宅復帰に際して何らかの準備が必要な場合」が基本的な考え方と思って貰えれば結構だと思います。

基本的には…ですが。

 中の人の老健

ゼロです(笑)

タイトルをよく見てください、僕は介護職員が老健施設で働く事を推奨していません。推奨していないのに働くなんて事はないでしょう。

ですが老健が母体となるデイであれば多少勤務経験があります。老健そのものに勤務歴のある知人はゴロゴロおりますし、なんと嫁様もその1人だったりします。 

ではそろそろ行きましょう、中の人の超絶自己中分析の始まりです。

介護職員が老健に転職してはいけない理由

長くなるので珍しく早い展開でゴリゴリ行きますよ。

これは別に老健に嫌な思いをさせられた仕返しとかではなく(そもそも勤めた事が無い)介護職員として勤務した場合、人間1人の人生を考えた時に損失が大きいだろうという視点でのものです。また、あなたの勤める老健が以下に該当しない場合は超絶ホワイト老健という恐ろしく希少な存在という事です。経営的に問題が無さそうなら逆に勤続する事をオススメします。

①あなたが期待する介護はできません

その最大の要因は老健の役職にあります。元が医療法人ですので、役職については病院に準じたものとなっています。病院に準じたものというのがミソで、これがまた介護には全く合っていない。

・施設長

いきなり長くなりますがお付き合い下さい。

これは前述した医師が兼務するケースが多いです。多くを学び知識としているという理由ももちろんですが、そんな事より重要なのは常勤換算。1施設に1医師なんてやってられないでしょう、医師はそんなに余っていません。 

常勤換算は定員100人あたり医師1人です。100人あたりという言葉を紐解くと、100人に対して1人という法解釈ができます。つまり10人に対して0.1人、50人に対して0.5人という事。 老健が入所定員を多くしない理由は二つあり、一つはそこまでの需要が無い事、もう一つがこの常勤換算です。 

介護保険法における常勤換算とは月の営業日数(通常は20~22程)を常勤が働くべき日数で割り、必要な割合の出勤をしているかどうかという事になります。わかりやすく月を4週と仮定すると、

 

営業日数20日÷常勤必要勤務日数20日=1.0

 

この1.0が「常勤」に求められる常勤換算となります。では非常勤であればどうでしょう?

定員50人であれば医師の常勤換算は0.5となりますので、週2日半の出勤とか週5日全て半日とかの勤務でいい事になります。あとの日数は現役医師なら病院に居るでしょうし、退役医師なら家で寝てるでしょう。 

つまり介護施設として考えた時に施設長が飾りだと言うことになります、でも飾りだと処理しきれない仕事が出てきますよね?その仕事を埋めるポジションが必要となってきます。それが次の人になります。

・事務長

これも老健では定番なのですが、事務長が実質トップという流れになります。これも少し解説が必要になるのでお付き合い下さい。 

医療法人とは会計のトップ、すなわちここで言う事務長に力を持たせます。これは役所や一部営利法人に代表される、カネを回す人間が企業を回しているという考えに準じたものです。しかし病院ならまだしも介護施設という場においては効力が薄いと言わざるを得ません。 

簡単にだけ言いますと、介護の理解に乏しいからです。いくら合間に勉強して介護福祉士を取った、ケアマネを取ったとしてもそれは関係ないんです。そんなもん誰でも取れます。ベースとなる知識や現場力がないので言葉に説得力が無いんですね。そんな上司がどうして介護現場を引っ張っていけるのか、事務屋は黙って事務だけやってろ、そういう事です。 

あまりにも大きすぎる弊害、実質トップが介護素人という事。もし事務長をしている人がこれを読む機会があれば、少し自覚を持ち介護を学ぶべきです。職員に対する言葉がカラッポですよ。

・直上の上司は看護師

これです、デカいです、そしてやっぱり長いです(笑)

老健の性質を考えると仕方が無いのかも知れませんが、介護看護のセクション分けがされず(一応されていたとしても)主任やら婦長やらという名目で居座るのが看護師の存在です。これが殊勝な看護師ならともかくとして、ただひたすらに自分の手柄を作りたがったり横柄な態度を取るだけという悲しい現実は少なくありません。あなたが素晴らしい看護師さんならごめんなさい、この項目はスルーを推奨します。 

介護施設における看護師の増長、これを作り上げたのは他でもない介護施設や病院そのものです。現在日本では看護師が不足しています、恐らくなのですが潜在的な不足具合では介護職員の不足に匹敵するレベルではないでしょうか?仮に簡単なフローを作ってみます。

 

病院の正看護師が足りない

病院で准看護師の採用が増加

今まで施設に来ていた准看護師が減少

 

あくまでも例ですがこんな流れとします。施設も運営を続ける上で看護師が必須です、ならばどのようなエサで釣るのか。簡単です、病院に並ぶレベルの待遇を用意すればいいんです。

准看護師で施設勤務、この所得を甘く見ている介護職員は幸せです。自社の看護師求人を見て下さい、基本給がありますね?施設看護師の半分はそこに書かれている金額の2~3割増の給与支給がザラにあります。初年度からで、しかも満額ボーナス付きです。

看護師は転職のプロと思って構いません、転職による収入の上げ方を知っているんです。しかもこれ、正看より准看の方が顕著に見られます。そして偉そうにするのもなぜか准看が多いんですね、周りに正看少ないからかな。 

とまあ給料の話はこれくらいにして、そもそも看護師というのは介護観というのをまるで知りません。似てはいるものの異なる仕事だから仕方ない、ミカン農家がキャベツ作り始めるようなもんです。

 

介護をしたくて入ったあなたの介護観はほぼ否定されますよ。

・つまりどういう事?

あなたの上司はどっちを向いても介護に於いてド素人だという事。この環境ではあなたの意見はほとんど通らない、真面目にやるだけ損と思わされてしまう要素があまりにも多いんです。

 

逆に向こうは老健で介護とか言ってんなよ、くらいに思っているかもしれませんね。むしろそちらが正しいのかもしれませんけども、だってそこ老健なんですから。

だからと言って働く意思を削がれるような職場で仕事なんてしたくないですよね。これが第一の理由、あなたの介護力が無駄になるからです。 

②処遇がダメ

処遇、つまりあなたの給与、賞与、昇給が弱いという事。これはガチです。

バッサリ言うと経営が下手くさいという事なんですが、その一言で片付かないんですね。

・広告費過剰

僕が知る限り、老健というのは持っている金の使い方をわかっていないボンボンのようなもの。そういった意味で言わせてもらうと、上記の経営が下手くさいの一言に尽きます。

 

利益はそこそこ出ているはずです。今期の分科会の報告(見ました?)にあった通り老健は相変わらず高ポイントです。余談ですが次回の改訂でも減算対象と言えますね。それから後で盛大にブチ撒けますが利用者から不要とも言える手数料を徴収してるくらいです、さぞかし儲かっている事でしょう。

そんな彼らが一番やらかしている事、田舎においては致命的とも言えるプレイがこちら。

 

過剰広告

 

これを病院レベルでバチバチ打つんです。テレビもそう、国道沿いの大看板もそう、電柱広告もそう。介護経営をナメ切ってます。

介護というのは世にSNSが広まる前から口コミが口コミを呼ぶ世界です。それは中規模の田舎が最も盛んであり、完全な田舎であれば逆に縮小します。

ダメ老健が猛威を振るうのは正に中規模の田舎であり、敢えて言うならわざわざ行かないような県の中で上から5番目以降の市とか町あたりです。で、それくらいの丁度いい田舎(全国の丁度いい田舎の方々すみません)で広告をガンガン打つとどんな話になりますか?

あそこは儲かってるな

これです、丁度いい田舎の人の(全国の丁度いい田舎の方々ホントにすみません)市原悦子心を煽るんですね。余計な詮索(想像)が止まらなくなります。なのでこれ、全てではないですが多くは無駄金なんです。そんな余裕があるなら職員に還元するべきなんですが彼らはしません、効果があると思っているから。

・人件費過多

人員基準として医師や看護師、果ては機能訓練絡みまであるので当然ではありますが、一般的な介護事業所との人件費差は推して知るべしです。

 

非常勤とは言え医師兼施設長

施設長の業務代行的な事務長

もはや天狗と化した看護師

 

これらが特に足を引っ張る引っ張る。僕の思考で言うとこの処遇と広告費を多少削って営業職を配置した方がまだ効率的なんですけどね。

…これは脱線しそうなのでやめよう。とりあえず人件費に無駄があるということです。でも彼らはこれを改善できません、まずそれに気付けないから。 

ちなみに老健ではPTやOTだって低所得なケースが多いです。なので優秀な人はどんどん抜けます、どんな人が残ってどんな人に役が付くのかはお察しください。 

つまり?

人件費が多い、広告費が多い、他にもアレやコレの購入費も多い、でも最下層である介護職の処遇改善に興味はないよ?これが老健の体質となります。綺麗ごとを並べたがるでしょうけど、実質そうでしょう。

 

第二の理由、あなたの生活力は低いままストレスと勤続年数だけが積み重なっていきます。

③人間関係激悪

もうね、やばいです(笑)僕は特養勤務の経験があり、そこには当然のように派閥というものがありました。AさんのグループとBさんのグループとCさんのグループがあるんですね。幸い男なので巻き込まれるという事は無かったのですが、やはり女性は巻き込まれていくんです。

 

だがしかしbut、老健はその比ではありません。

・一人をいびり倒す

仕事には適正というものがあります。しかし適性の有無に関わらず上司や先輩は人を育てなければいけません、これは義務といってもいいレベルです。しかし残念なことに、この努力を全くせずとにかくいびる人間というのがいます。そしてその割合が多いのが老健。まあ看護じゃ介護は教えられないのかもしれないけど。

 

これは前述の勘違い看護師(上司)が引き起こす事が多いです。しかも彼らのやり口は実に巧妙で、先に事務長あたりに「新人があまり仕事を覚えない、覚えようという気持ちも見えない」みたいな伏線を張ります。

これも前述していますが、事務長というのは介護素人です。それなのに何人も職員を見てきたなどと寝言だとしても考えられないようなユニークな勘違いをしているんです。

文字通り見てるだけですからね。自己の過大評価も甚だしい。そんな全てを知っているみたいな事を考えている事務長様ですので、この伏線がワンピースばりに効いてくるんです。

・意見の相違が多すぎる

自分たちの決めたルールは絶対であります。利用者さんが何か手伝ってほしい、助けてほしい時に出てくるテンプレがこちら。

自分でできるでしょ

うーむ…特養でもこんな人いたけど、なんなんでしょ?仮にそうだったとしてもですよ、この言い方ってなんなんでしょ?

そりゃ衝突して当然ですよね、特養の場合は介護のお局様がこんな事言うんですが老健の場合は往々にして看護がこれを言います。もともと考え方が違うと言われる介護と看護の溝の中にこんな爆弾が落ちてきたらそりゃ衝突しますよ。 

これに限らず、介護VS看護という場面が本当に多いです。そして介護は勝てません、理由はお察しください

・つまり?

必要業務以外の人間関係でのストレスが非常に多いです。しかも介護施設以上に改善がなされないので始末が悪いですよね。  

第三の理由、人間関係が劣悪になりやすく忍耐のみが求められるという事。

④人事異動が雑

ある程度慣れた職場に居たいとかそもそも施設介護を志望して入った等、人事異動を敬遠する人も居るかと思います。

大丈夫です、そこも抜かりないですよ(笑)

・異動機会が半端ではない

老健にも複数の併設事業所がありますが、異動先として無資格介護職であればデイ・有料・訪問入浴があります。介護福祉士等の資格があれば訪問介護福祉用具も視野に入ってきます。これらの事業では常にどこかしらの人員が不足しており、もはや万年求人と化しているところも少なくないでしょう。でも都合よく求職者が来るわけでもなく、入る前に次の退職者が出てしまいます。そこで繰り出される必殺技が人事異動です。 

常にどこかで欠員が出るものだから通常の時期的な人事異動だけでなく、年間通して誰かがどこかに出されます。出した事業所も人が余っているわけではないので不足する羽目になり、業務負担が増加します。もはや負のスパイラルですね。 

ちなみに介護職よりも理不尽な異動をさせられる人が居ます。なんと事務員さんもその対象ですよ、あまりにも酷すぎますね。

・出向という魔法の言葉

これは医療法人だからこそ多いものかもしれません。あまり背景については詳しくないのですが、中身だけでも十分エグいです。 

異動の際に出向という言葉がよく使われます。そもそも会社には割と寛容なほどの人事異動権があるのですが、それをさらに自由にするのが出向。なんとこれ、本人の同意が不要なんです。しかも基本的には元の場所に戻るスタンスですので、命じられた側も少しの間の我慢と思ってしまいがち。僕のデイ勤務時代の先輩が出向で来ていたんですが、かれこれ3年は居たようですよ。僕が退職した後もしばらく居たので5年は軽く居た計算になります。介護人として非常に優れた人だったんですが、老健に戻る事無く退職し現在はトラックに乗っております。腰痛持ちなのに…。 

あなたはこの出向、断れます?もしくは辞めます?

・つまり?

とんでもない確率で異動のチャンス(笑)が巡ってきます。しかも異動したら給料下がったとかもザラ、悪夢以外の何物でもありません。 

第四の理由、人事異動に関わる主導権は完全に会社にあり、しかも不利益を被る可能性があるという事。

介護保険法上の今後のポジション

僕は老健というものが介護保険事業として今後永らえていくものとは思っておりません。とは言え介護とは違い絶大な発言力を持つ医師会が黙っていないでしょうから救済的に違う名称、違うスタンスで残る可能性が無くはないんですが…どちらにせよ救済される程度ですので実質終わるものかなと。良くて縮小です

特養にも似たような事が言えるのですが、この何でも併設大型箱物コンビはお金の使い道がちょっと特殊なんです。建物そのもののサイズから来る莫大な施設補修費、僕たちの所得ではまず考えられない機械の導入、とにかく一撃の破壊力がすさまじい経費というのがあるんです。ところがそれを理由にお金をあーしたりこーしたり(お察しください)するもので、職員の処遇改善には積極的ではないんです。んじゃこれ、どうなります?わかりやすく僕の言葉でお送りしますね。

なんか儲かってるみたいだしお金貯めこんじゃってるね、そんなに余るなら介護報酬が過剰なんだよねきっと(キラッ

減額です。さらに処遇改善がおろそかになり、さらに人が辞め、す〇家モードに突入していきます。

結論、やめておきましょう。

パートなんかで働く分には別にいいかもしれませんが、今のままでは老健事業に先はありません。施設が変わらなければいけないのにその意識は皆無です。家族を養うための収入や将来性を考慮するのであれば、悪い事は言いませんやめておきましょう。

もし介護職としてのプロフェッショナルを目指すのなら尚更です。介護職員が処遇を上げる手段は二通り、現場レベルでのキャリアアップと上位資格取得。ところが上位資格は今のところ大きなメリットがあるわけでもなく、取得にかかる費用を負担する会社もほとんど無いでしょう。うちもさすがに出せないです。となると残るはキャリアアップなのですが、無理でしょう。だって介護観の無い介護しかしないのにどうやって介護知識やスキルを伸ばせるんでしょう。基本は自分で学ぶ事とはいえ、一日の多くを過ごす職場に学べるものがないというのはとんでもないハンデです。

僕は介護で家族を養っていきたいのです、そしてどんな立場にあろうと現場から離れたくありません。同じような望みを持つ介護職パパってたくさん居ると思っています。そんな人にこそ言いたい、老健に転職してはいけません。

オマケ

小話です、あまりにもダークな終わり方をすると後味悪いので口直しです。僕が普段お付き合いしている人のお話。

僕が実際に関わっている人の中で最も優れた人物と思っている人ですが、よりによってさんざんボロクソに言った元老健事務長。ほんの短い期間ですが僕の上司だった事もあります。今では仕事相手とでも言いましょうか、直接仕事で関わる訳では無いのに会えばダラダラと話し込んでしまいます(笑)

総合事務職としての手腕はもちろんなのですが、現場に手が足りないと自らフォローに出てきていました。また、介護職と絶妙な距離感を持つというのが非常に上手い。上から指摘する姿を見たことがなくアドバイスのような格好、あくまでも自分は現場のプロではないから最終的には君達プロが考えてというスタンスでした。 そんな彼が僕に与えた影響は小さいわけがなく、職員との関わりの中で常に彼の立ち振る舞いを意識しております。

今回の記事にある「老健事業に先はない」という言葉は、もともと彼のものなんです。

その話をした当時、僕はブラック企業社畜でしたのでその言葉が理解できませんでした。いやいや需要は途切れないでしょと、バックに病院があるんだから潰れないでしょと。ところが今、こうして介護保険法をはじめ介護のクソめんどくさい目まぐるしい環境変化の中に身を置いて初めてその真意を感じております。今にして思えば、彼の視点は老健の外からのものだったのでしょう。会社って面白いもので、外から見ると土台も腐ったガタガタの状態でも中の人から見ると立派な経営をしてるように見えるものなんですよね。そういった意味ではうちも気を抜かず頑張って行かなければなりませんが。

でも不思議で聞いてしまいました。頭の切れるあなたから見て先が無いと断言するような老健に、どうして居続けるんですか?と。彼は少年のような笑顔で答えるんです。

「だって俺、病院から出向してるだけだから関係ねえもん」

 

クッソwww

 

凄まじい破壊力でした。そうは言いながらも彼は現場が働きやすい環境を整え、老健事業を永らえさせるべく奮闘していましたけどね。その努力は尋常ならざるものであり、僕などまだまだ何の努力もしていないなと思わされる程です。現在はまた違う施設でトップを張っている模様です、今後もその手腕を発揮して素晴らしい事業所へと育てていく事でしょう。

願わくば働く人間の意識改革とか寝惚けた事を言う前に自分が行動する、そんな彼のような上司が介護業界にも増えますように。

 

さしこ

かしこ