居宅介護支援事業所(ケアマネ)を選ぼう!

ホワイトクリスマスという言葉が嫌いです、介護の中の人です。

 

そりゃそうですよ、あれって雪があまり降らない地域だからいいんです。僕はクリスマスに雪降るどころかとっくに積もってる場所に住んでます。クリスマスなんて白くて当たり前です(_・ω・)_タアン!

 

という都会への憧れは置いといて。

職員サイドだけではなく利用者さんサイドにも向けた記事になります。実際に居宅介護支援事業所の中の人もぜひ読んで貰えると幸いです。

需要?知らん!

 

居宅介護支援事業所とは?

サクッと説明します。居宅介護支援事業所(以下居宅とします)とは利用者さんのケアプラン作成や介護申請の代行、各サービス利用の調整等を行う事業所となります。ケアマネジャー(以下ケアマネ)はその業務を実際にする人であり、利用者さんに担当として一人つく形になります。

 

介護保険制度は非常に乱暴複雑で、サービス利用までを個人が手探りで行うのは大変なストレスとなります。ケアマネにそれを行ってもらう事で、短期間で手軽にサービス利用を開始する事ができます。

 

また、事業所によっては不必要なほど何でもかんでも動いてくれます。これはケアマネの業務に含まれていないものまであり、個人的には推奨したくはないのですが利用者さん側から見れば何でも屋というポジションが一番しっくりくるのかなと思っています。

 

利用料はいくらなの?

かかりません。介護報酬として公費から出ていますが、利用者負担というものはH29.12現在ではまだ存在しません。

 選ぶって言うけど選べるの?

もちろんです。ケアマネとの関係が始まるタイミングは人それぞれですが、利用者さん(もしくはご家族さん)が希望する居宅介護支援事業所を選ぶ事ができます。選ぶ事ができるだけでなく、変更する事もできます。あまり好みではないケアマネだけど我慢しているといった方が多く見られますが、無理に我慢するべきではありません。

どうやって選ぶの?

介護保険は急遽利用になる方が非常に多いです、なにも準備ができないまま流されて利用に至るというのは正直しんどいものですよね。

偏り感がすごいですが、ケアマネの選び方の一例を記載していきます。

評判で選ぶ

家族が世話になった等、知人から聞く機会もあるでしょう。また、このページを見ているという事はネットの評判も一応チェックしているかと思います。

メリット

事前に何らかのメリットを得られるというのは居宅を選ぶ際には役立ちます。勧めてくれる方の情報が具体的であればあるほど優良居宅の可能性がグンと上がります。

ネットでの情報収集でも同じ事が言えます。ネットの場合は現実以上に誹謗・中傷が書かれている事がありますが、情報の吟味は慎重に。中身の薄い悪口は思い込みやワガママによる書き込みがほとんどですので、あまり気にする必要はありません。

デメリット

やはり人間ですので、どうしても主観的な情報を他者に与えます。また、情報をくれた方が複数の居宅を比較できているかにも疑問がありますよね。いくら良い良いと勧められても他の居宅と比べられないのであれば話半分程度に止めておきましょう。

ケアマネで選ぶ

評判のいいケアマネってどこにでも数人いるものですが、その人が在籍している居宅を選ぶというものです。

メリット

そのケアマネに当たることができれば最高ですよね。ケアマネはよほどの何かを持っていない限り、一般に名前が売れるという事はありません。それでも有名になってしまうようなケアマネであれば、きっと良い仕事をしてくれるでしょう。

デメリット

そのケアマネが独立しているのならともかく、どこかの居宅に雇用されている複数のケアマネの一人なのであればその人が担当になるとは限りません。よりにもよって最悪なケアマネが来る可能性も一応考えておいてください。

大規模な居宅を選ぶ

大規模な実績のある居宅がいい!全国展開している大手がいい!こんな選び方ももちろんありますよ。

メリット

大規模居宅は関わってきたケースの数が段違いです。ちょっと難しいケースの方に対応してきた実績も多い事でしょう。また、全国展開している大手と言っても中身はピンキリですが、介護で一番有名なあそこなんかは関係書類が非常に丁寧です。サービス提供側の僕から見ても素晴らしい。ケアマネ自身は恐ろしく大変でしょうけども…。

デメリット

居宅の規模が大きいと、それだけハズレを引く可能性があるというのは覚悟してください。

大手は安心というイメージはあるでしょうけど本当にピンキリです。居宅そのものも問題アリですが、どちらかと言うとケアマネの質が悪い場合が多いです。後述します。 

違う角度での選び方

ちょっと上の例だと厳しい、もう少しざっくりでもいいから手軽な基準が欲しい、そんな場合は以下をどうぞ。

ケース数で判断

介護サービス情報の公表というものがあります。最小は市町村単位で各事業所の情報を検索できるんですが、これには非常に有意義な情報が詰まっています。

まずケースの数。ここには利用者数と、介護度別の内訳が載っています。要介護1が○人、要介護5が○人といった具合に。で、本当にざっくり指標なんですが要介護5がいかに多いかに注目して下さい。ただ多いのではなく、ダントツで多いのが理想です。要介護5が多いというのは病院からの信頼があり、ターミナルケースが多く相談されている可能性があります。病院からの信頼というのは大きいですよ。癒着の可能性は否定しませんが(笑)

従業者の数で判断

従業者数は在籍人数だけでなく1年間での退職人数も載っています。介護職員ならいざ知らず居宅でポンポン辞める人はなかなか居ません。何人という基準を作るのは難しいですが、僕は3人居れば完全アウトと思っています。2人だと定年が重なったとかも有り得ますしね。

そんなにコロコロとケアマネが辞めるような所に相談なんてしたくないですよね、何回担当変更するんだ!って感じで。

求人票で判断

ここまでしないとは思いますが(笑)

全国展開している大手にありがちなんですが、求人票の時点で労働条件が悪いような居宅には人が定着しません。条件悪いなら誰も受けないと思いきや、落ちこぼれケアマネが他に行ける所無くて受けたりもします。で、地域の居宅同士のネットワークに溶け込んでいない事業所は評判を知らないので採用してしまいます。でも落ちこぼれだから辞めます。無限ループですね。

いざ利用!でもケアマネが微妙…

事業所として利用者さんと関わっていると、ケアマネに対する不満というのは結構な割合で耳にします。もちろん全て真に受けているわけではありません。ワガママが度を越えていて当てつけのような形で文句を言う人だっていますもんね。

しかしこれ、大小含めるとかなりの人数が不満を抱えているものです。

ではどんな不満があるんでしょう?

訪問に来ない

僕は結構聞くんですが、これ本当ならケアマネとして論外なんですけども(笑)基本的には月に1回、利用者さん本人と面接をすることがルールとなっています。これを怠ると閉店ガラガラになる恐れまであるので皆さん訪問しているとは思います、利用者さん側が月1回の訪問じゃ不満という事でしょうか?

 

とか考えてたら該当しそうなのが居ました。3人くらいの利用者さんからそんな話を聞いたことがあるんですが、よく考えたらそのケアマネは要求しないと情報よこさないし提供表もたまに遅れてくるし…うん、ありゃ行ってないですね(確信)。

デイに行けとしつこい 

とにかくデイに行けデイに行けとしつこい、これもぼちぼち聞きます。別にデイだけではないのですが特に目立つので例にさせてもらいます。これしつこい理由は2パターンあるんですが

 

①本当に利用者さんのためを思って言っている

②自分の実績にしたい

 

となります。①は情熱的すぎるんでしょう、家でゴロゴロしてるよりデイに行って身体を動かしたり他の利用者さんとコミュニケーションを取ったりしてADLの維持に繋げてほしいといったもの。確かにいい事ではあるんですが、利用者さんの意向を無視しすぎるのは問題アリ。

 

②は完全にアウトですが、実際に多いからたまったもんじゃありません。各種サービスを併設、もしくは同一法人で展開している居宅の場合、この自社サービスでの囲い込みというのが非常に多いです。悪質なものだと介護保険法に抵触しないよう一応は選択肢を与えたりしているのですが、結局はそれとなく自社サービスに誘導するというもの。自社サービスにどれだけ貢献しているかをケアマネの評価基準としている不届き極まりない事業所もあるぐらいです。潰れればいいのに。

 

いや、言い訳してもわかりますよ?どのサービスとは言いませんけどうちの事業の一つは圧倒的な高評価を頂いております。他社と比べる事そのものが無意味と思えるレベルで高質なサービスその他を提供しているという自負もあります。どうしてそこの事業所からだけ新規の相談が無く自社に流れるのでしょう、他のほとんどの事業所から頂いているんですけどね。そのほとんどの事業所はうちにしか依頼してないんですけどね。

 

ちょっと脱線しましたが、良いケアマネというのは意見の押し付けをしません。あくまでも利用者さんのニーズを拾い上げ、本当に必要なサービスを数点挙げ、選んで頂くものです。これは理念や理想という幻想ではなく、ケアマネに本当に求められる姿勢ではないでしょうか。 

連絡がつかない

これもよく聞くので挙げますが、ちょっと仕方ない部分はあるかなと思います。要はあまり事務所に居ないという事なのだろうと推測しますが、はっきり言います。居るわけがありません。

 

ケアマネというのは最初の方で述べている通り、各種手続きの代行や各サービス間の連絡調整があります。加えて毎月の訪問・モニタリングもあるため、利用者さん宅はもちろん役場や包括、施設等々日中を通して外出の用事がとても多いんです。まる一日事務所に居るなんてのは月初めくらいじゃないでしょうか?以前の営業についての記事でも少し書きましたが、遅くても15日を過ぎたら事務所に居ればラッキー程度の気持ちでいた方がいいでしょう。多くのケアマネがそのあたりから担当している利用者さんのお宅を訪問するからです。ある程度は予定を組んで動くものの、そこのお宅でどれくらいの時間を過ごすかは担当者会議と同じく神のみぞ知るというやつでして、一概に30分とか1時間とか言えません。ですので1日に訪問を予定できる件数などたかが知れており、必然的に事務所を空ける日数も増えるという形です。

 

ですので事務所に電話をして不在の場合は折り返しを依頼するなどして気長に待ちましょう。緊急であれば依頼する際にそれを伝えればそれなりに連絡を取ってくれます。

が、実際のところそこまで緊急性を要する用がケアマネにあるというのは稀なもの。多少なり考え、時間的に余裕があれば相手のペースでの折り返しを待ってあげる事をおすすめしますよ。

もうダメ!このケアマネは合わない!

そんな時は居宅に連絡して、その旨を伝えましょう。ケアマネ変更を提案してくるかと思いますが、事業所でどんな話をされているんだろうと考えると気が進みませんよね。そんな事はないよという方はケアマネ変更で済ませるのもよいかと思いますが、思い切って居宅ごと変更してしまう方がその後の気遣いは減ります。ただし、一度そういった思いをしてからの居宅選定はハードルを高くしがちなので結構大変です。ある程度の妥協が必要になるかもしれません。居宅変更を考えている場合は、次に依頼したい居宅を事前に調べてから動く事をお勧めします。

さいごに

ケアマネへ

これからの利用者さんは今関わっている方々より更に「気持ちが若い」ことでしょう。日中の過ごし方がプレステとか為替チェックとかそんなレベルではなくなってきます。今の高齢者では考えられない精神性や生活スタイルの方はどんどん増えていく事でしょう。前時代的なケアプランは存在価値を無くし、もっと本人に合わせた具体的なプランが求められる様になります。どうですか?今の処遇でできます?

できるという聖人のような方は出すもの出すのでうちに来てください(笑)

利用者さんへ

居宅やケアマネを変更する事に抵抗があるという方も少なくないでしょう。ですが、サービスを利用するのは利用者さんサイドです。あまり不要な我慢はせず自分たちのためになる方を選ぶのは何も悪い事ではありませんよ。